蒸着機ビジネス
日経2月17日。
またまたブイテクノロジー。
ブイ・テクノロジー、有機ELの主要装置開発へ
ディスプレー製造装置のブイ・テクノロジーは有機ELパネルの主要工程の製造装置を開発する。映像のもととなる赤や緑、青の発光材料を電子基板上に付着させる低コストの「蒸着装置」を2020年メドに出荷する。韓国や中国の工場で導入が進めば、有機ELパネルの価格低下につながる可能性もある。
ブイテクの蒸着装置はスマートフォンなどの中小型パネルの生産向け。発光材料を微細な回路基板に正確に付着させる「蒸着マスク」を縦型に据え付けることで、ディスプレーの解像度を1000ppi(1インチあたりの画素数)の超高精細を実現するという。
有機ELパネルは生産技術が難しく、キヤノン子会社のキヤノントッキの蒸着装置を導入する韓国サムスン電子が唯一安定量産を実現している。サムスンのパネルは500ppi程度とみられる。ブイテクが目指す蒸着装置で有機ELパネルの性能向上にもつながることが期待できる。
と言うことです。
けど、これだけじゃあ、詳細はわかりません。
そこで、解説。
けど、これだけじゃあ、詳細はわかりません。
そこで、解説。
まず、スマホなどに用いられる中小型有機ELディスプレイの製造に用いる真空蒸着装置。
新潟のキヤノントッキ社製が標準。
なぜなら、1997年の東北パイオニアで初めて有機ELディスプレイを生産した際に使用されたのが、トッキの蒸着機。
それ以来、ディスプレイ製造には「とりあえずトッキ」と言うことで、トッキ社製が標準になりました。
その流れでサムスンディスプレイで使用されてるのもトッキ。
けど、
ここだけの話、
20年前の装置と何が違うかと言うと、大きくなっただけです。
だから、
他社の蒸着機も実はトッキの装置と方式は同じ。
だから、製造装置でサムスンを超えることはありません。
そこで、
ブイテク 。
革新的方法で、より生産性の高い方式での革新的な蒸着機を製造販売します。
しかも、蒸着マスクも先日発表した全く新しい方式のマスク。
しかもしかも、それは1000ppiと言う、従来のマスクでは実現できない精細度でも量産できます。
ですから、
ブイテク の蒸着機と蒸着マスクを組み合わせれば、
サムスンに勝てるわけですね。
特に後発の中国メーカーにとっては、願っても無い製造設備であるわけです。
と言うことで、
今後、多くのパネル工場が立ち上がる中国で、
ブイテク の製造装置が標準になり、装置市場を席巻する可能性が極めて高いです。
けど、ブイテク は蒸着機の実績がないと不安視されるかもしれませんが、
山形で装置を開発すると言うことは、
山形大学城戸の有するノウハウ、特許、全てが投入されるわけで、そう言う心配は一切ご無用です。
さらに付け加えると、
フラスク 社の最先端材料とセットで販売することにより、パネルメーカーはスイッチを押すだけで、サムスンを超える性能のパネルを、よりやすく製造できるわけです。
と言うことで、この短い新聞記事の裏側には、とてつもなく分厚い内容が含まれているわけです。
ご理解いただけましたでしょうか。