城戸淳二塾
「城戸淳二塾」がスタート 米沢興譲館高生徒が先端研究に触れる
世界で初めて白色有機ELの開発に成功した山形大工学部の城戸淳二卓越研究教授が塾長を務める「城戸淳二塾」の入塾式が16日、米沢市の同学部100周年記念会館で行われた。米沢興譲館高(同市)の生徒たちが先端研究に携わり、国際的に活躍する科学者の素養を身に付けていく。
同校は昨年度から5カ年で、理数系教育に重点を置いた研究開発を行う「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を文部科学省から受けている。塾はSSHの取り組みの一環として実施。SSH事業で大学が通年で高校生を指導するのは全国的にも珍しく、県内では初めてという。
同校科学部の「コアSSクラブ」の部員と希望者の1、2年生計15人が、来年3月まで実践的な体験学習を重ねる。生徒たちは有機デバイスや機械システムなど多彩な研究室を見学していくほか、6人の2年生は6月から六つの研究室に1人ずつ配属され、実際に研究を手伝う。年度末には研究室での体験を英語で発表する機会も設けられる予定で、科学分野だけにとどまらない「国際的に活躍できる人材」を目指していく。
式では、城戸教授が生徒たちの入塾を許可したのに続き「科学立国の日本にとって研究者は重要な資源。世界に通用する人材育成は私の夢でもある」とあいさつ。2年羽染和貴君(17)が「この機会を生かし、自ら学ぶ姿勢を大切にしていきたい」と宣誓した。「単なる科学好きではなく、産業を立ち上げられるような科学技術者を育てていきたい」と城戸教授。2年村山優也君(16)は「よその高校ではできない経験がここではできる。今からわくわくしている」と目を輝かせていた。