ひらとき
きょうは東京日帰り出張。
午前中、
日本学術振興会の「ひらめきときめきサイエンス」の委員会。
何を隠そう、山形大学城戸研究室ではこのイベントが始まって以来、毎回の実施でこれまで7回連続。
そして、来年度で8回目と人類史上最多記録を更新中なのだ。
毎年秋に中学生を研究室に招き、有機ELの講義を聴いて、実際に作製もする体験型科学好き養成イベント。
今回は、委員としての参加で、多くの応募の中から来年度の実施校を選定した。
当然、委員でもあり、実施者でもある管理人は、自分の審査は出来ないんだけどね。
まあ、委員の方々には様々な分野から第一人者と思われる先生方が参加されているのだけど、分野違いで全然存じ上げない方々ばかりなんだけど、その中でも白川英樹先生や、小林誠先生、末松安晴先生はよく存じ上げるのでホッとする。
議論されてた内容で興味深かったのが、もともとこれは「科研費」の広報活動も兼ねているので、科研費を多く取得している大学はもっと「ひらとき」を実施すべきだという委員の方がいて、特に大型予算を獲得している教員こそもっとこのようなイベントに応募し、時間を割くべきであると、意見を述べられた。
まあ、もっともといえばもっともなんだけど、大型予算を預かっている教員ほど、そのスタッフや学生を含め研究や雑用に忙殺されていて、中高生向けのイベントにかかわっている時間はとれません。
それに、研究費である大型予算を、たとえ50万円であってもこのようなイベントに使うと「目的外使用」となって捕まってしまいます。
と手を挙げて意見を述べようとしたけど、委員会の予定の時間を超過していたのでやめた。
本来、このようなアウトリーチ活動、研究も教育も出前講義も中高生向けイベントも学外委員会も、なんて全部こなせる大学教員ははたして何人いるだろうか。
委員のみなさんに先端分野で世界と戦うことの大変さも知っていただきたいと感じた。
帰り際に、白川先生と立ち話をさせていただいたときに、先生から「未来館で行っているイベントの参加者に4月から山形大学に行って城戸さんのところで有機ELの研究をするって子がいましたよ。」と伺った。
いやあ、うれしいなあ。
中高生向けのイベントって、ほんとに感受性の高い彼ら彼女らの脳を刺激するとてもいい活動だし、そんなモチベーションの高い学生が自分の研究室に来てくれれば、研究もはかどるし、それが結局は技術立国日本の国力にもつながるし、忙しくても時間を割く意義のあることだと言うのを大学の教員はもっと理解をしなければならないと思う。
で、午後、
表参道に移動。
デザイナーの方々とスマートハウスプロジェクトの打ち合わせ。
山大からは若手のマツダ准教授も参加。
この人は前職が産総研の研究員だったので、経済産業省とも太いパイプがあり、専門は化学工学なのでプラントなんかもちょちょいのちょいで設計できるし、スノボはプロ級だし、ゴルフは上手だし、奥さんにもやさしいので、山大工学部のホープと噂されているらしい。
そうは見えないんだけど。
打ち合わせは予定どおりに終わり、とてもおもしろい、しかも東北復興に直結する内容だなあ、ということで一同満足した。
内容はまだここでは明かせないけどね。
で、打ち合わせのあと、
近くのコーヒーショップに移動して、エバンゲリオンのイチフルさんとロンドン在住の若手デザイナーのヤナギサワさんと有機ELデザイン照明器具の詳細を打ち合わせ。
ヤナギサワさんのデザインはなかなかユニークで、なるほどなるほど、とそのコンセプトを伺った。
雑談になって、聞くと、若手デザイナーというのはとっても貧乏で、好きじゃないと出来ないとのこと。
だから、こういう才能ある人が活躍出るチャンスを作るというのも、大型予算を預かる大学教授の役割じゃないかとも思った。
第二の吉岡徳仁を生み出したい。
まあ、そんなことで仕事が終わって、夜、家に帰ったら中2の娘が肺炎にかかってた。
この一週間、微熱が続いてて、風邪かと思っていたらきょう肺炎ということがわかったのだ。
だからね、お嬢ちゃん、
少しでも熱がある時はきちっと学校を休みなさいとあれほど言ったでしょ、と注意した。
研究、教育、大型プロジェクト、出前講義も中高生向けイベントも学外委員会も、ベンチャーの立ち上げも、いい父親役も、いい亭主役も、なんて全部こなせる大学教員ははたして何人いるだろうか。
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