技術のソニー
昨夜、無事帰国。
西海岸でもシアトルは特に近くて、赤ワインをちびりちびりとやりながら食事をいただき、一眠りすると着いてました、という感じ。
で、SID情報の続き。
日本勢で頑張ってたのが、三菱電機とソニー。
三菱はタイリングで試作した155インチの超大型ディスプレイについてその技術内容を公開。
タイリングのための狭額縁化やピクセルの配置方法など、各所に工夫が見られ、なるほどなるほどそうだったのね、と納得しつつ技術力の高さに脱帽した。
ちなみに、有機ELパネルは東北パイオニア製ということで、米沢の技術が貢献していてうれしい。
前にも言ったけど、タイリングで大型ディスプレイを実現できるとNEDOプロジェクトで東北パイオニアを含めて検討していたんだから、その先見の妙に対して自分自身を褒めてやりたかった。
ソニーと言えば、フレキシブル有機トランジスタ駆動有機ELディスプレイ。
昨年よりさらにバージョンアップして登場。
今回のはまさしくローラブル。
曲げられるどころか、丸められる。
しかもかなり小さく。
これオーサーズインタビューで撮った写真。
動画がソニーのサイトで見られます。
で、なにがバージョンアップかと言うと、ディスプレイを駆動する為のゲートドライバーも有機トランジスタで基板上に作製したので、完全に丸められるようになったこと。
しかも曲率半径4mmと鉛筆に巻けるくらいの細さ。
それまでは、フィルム基板の縦と横にICが接続されていて、パネル自身はフレキシブルだけど、今回のようにグルグルには丸められなかった。
そのための高移動度有機半導体材料も開発され、リソグラフィーの技術を多用してトランジスタを仕上げてある。
いやあ、驚きです。
さすが、技術のソニーです。
オーサーズインタビューでのデモには人だかりです。
それと、今回の発表でも感心したと言うか、うれしかったのは、ソニーの方の発表のうまさ。
お若いのに堂々としていて、内容も上手。
これまで何度もソニーの方々の発表を聞いてるけど皆さんお上手です。
これは社内できちんと練習してから外部で発表されてるのか、あるいはこんな人達がソニーに集まるのか、とにかくいつも感心する。
あとは、有機ELディスプレイをもっと積極的に量産していただければ有り難いんだけどなあ。
SID情報、続きます。