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女天研講座特別編●シンポジウム

「絵が語るハンセン病――隔離政策、優生思想、天皇制」
ハンセン病元患者が残した絵から見えてくるもの

 

▶ハンセン病と診断され、生涯、療養所という隔離施設で生きることを余儀なくされた人たちが、たくさんの絵を描き残した。その絵を世に紹介することをとおし、ハンセン病をめぐる問題を問うてきた蔵座江美さんからお話を聞く。
▶1996年に廃止された「らい予防法」は、過去90年近く続き、数々の残酷な人権侵害を続けてきた。その歴史はいまも終わっていない。
▶いま、日本の近代史は「明治150年」として称賛される一方、同調しない・できない者、異文化・異端・異常と認識される者への排斥・排除を容認する空気が膨れ続けている。
▶偏見・差別・排斥・排除を正当化し、容認させていく制度や慣習。そして天皇・皇族らによる、慰撫というものを言わせぬためのアメ。この息苦しい社会とその歴史を生きた・生きる人びと。私たちは、まずはこういった歴史を知ることから始めていきたい。

 

■お話とスライド:「ハンセン病元患者が残した絵から見えてくるもの」
■蔵座江美(ヒューマンライツふくおか)
*女天研から若干の問題提起あり

日時:2018年12月15日(土)18:15開場
会場:文京シビックセンター5階会議室AB
資料代:500円

主催:女性と天皇制研究会(jotenken[あっと]yahoo.co.jp)

 

7/12(木)「天皇制から続く家制度」

女性と天皇制研究会・学習会

「天皇制から続く家制度」

 

天皇の代替わりまで1年を切りました。

そんなおり、高円宮家絢子の婚約・結婚が発表されました。 秋篠宮家の眞子も婚約内定継続中。皇族の数はこれからも減っていくでしょう……。

天皇家にルーツをもつ日本の「家制度」。

戦後の核家族のモデルとされた美智子皇后。

プリンセス雅子は?世界では男女平等に向かっているのに、日本では男は仕事、女は家庭、という性分業がなお根付いています。

それを制度化したのが「家庭基盤の充実」政策。少子超高齢化で社会のありようも大きく変わりつつあります。

天皇制そして「家制度」はどうなるのでしょうか?

 

発題|近藤和子

日時|2018年7月12日(木)19:00~21:00

会場|文京区民センター3C(文京区本郷4-15-14 都営三田線・大江戸線「春日」駅直結。東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園」駅4bまたは5出口より徒歩6分)

資料代|500円

主催|女性と天皇制研究会(jotenken[あっと]yahoo.co.jp)

眞子“結婚”延期と憲法24条-なぜスキャンダルになるのか

女性と天皇制研究会・学習会
眞子“結婚”延期と憲法24条-なぜスキャンダルになるのか


昨年9月、秋篠宮眞子が「天皇の裁可」のもとに婚約記者会見を開いた。「婚姻は両性の合意のみに基いて成立する」という日本国憲法第24条は完全無視か…。そして天皇の憲法擁護義務(第99条)は?
婚姻に際し「家父長の許可」が必要であるという事態は異常だが、天皇家は特別なのか? あるいは「皇室にも婚姻の自由を、人権を」と求める?
…私たちには、どちらも、天皇制の根本的な問題から目を背けた結論に思える。
そして自民党は天皇の「裁可」を認める内容での24条改悪を打ち出している。
今回の学習討論会では、眞子の婚姻、その延期という事態から、24条を敵視する勢力の狙いや天皇制の問題をみていきたい。
ざっくばらんに議論する会です。みなさんの参加をお待ちしています。

 

発題|
「家父長制が観念から義務規定に? 24条改悪」…斎藤塩子
「眞子婚約問題からみる天皇制」…桜井大子

日時|2018年5月17日(木)19:00~21:00
会場|文京区民センター3B(文京区本郷4-15-14 都営三田線・大江戸線「春日」駅直結。東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園」駅4bまたは5出口より徒歩6分)
資料代|500円
主催|女性と天皇制研究会(jotenken[あっと]yahoo.co.jp)

6/17(土)ジェンダーと天皇制(第7回)学習会&討論集会

女天研連続講座「ジェンダーと天皇制」

あらためてあたりを見回せば、この社会は「あたりまえ」「普通」「常識」という規範に縛られている。性をめぐってもしかり。姓をめぐっても、生をめぐっても!そこに天皇制は関係していないだろうか。「日本人」の心性に関わっていないだろうか。そこに天皇家をめぐる報道は影響していないだろうか。この講座ではケーススタディをとおして、その問題に迫っていきたい。レポートをもとに参加者との議論をとおして、少しでもその「規範」からの解放にむけた糸口を探していきたい。

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昨年、天皇が「生前退位」の意向を表明し、それを実現させるための「特例法」が今国会中にも成立するといわれています。法案とそれが作られていく過程は、私たちが問題としてきた、天皇制の家父長的差別構造を再生産・強化するものとしてあらわれています。そして、今回は見送られたものの、近い将来に必ず出てくるのは、「安定的皇位継承」のための「女性天皇」「女性宮家」問題です。 女天研では、この問題を「女性と天皇制」の課題として論じるために、学習会と討論の場を準備しています。私たちの問題として、ともに考えませんか。

 

第1部(学習会)「女性宮家、何がどう問題なの?」
講師:桜井大子

第2部(討論会)「天皇制の中の女性差別をどう問題化するか」
口火:京極紀子、斎藤塩子、桜井大子
進行:大橋由香子

第1部(学習会)13:30~15:00
第2部(討論会)15:30~18:00

資料代|通し500円/1部・2部のみ、いずれも400円

場所|文京区民センター3C(文京区本郷4-15-14 都営三田線・大江戸線「春日」駅直結。東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園」駅4bまたは5出口より徒歩6分)

主催|女性と天皇制研究会(jotenken[あっと]yahoo.co.jp)

2/9(木)ジェンダーと天皇制(第6回)特別講演「〈レズビアン=反天皇制〉の理念的可能性」

女天研連続講座「ジェンダーと天皇制」

あらためてあたりを見回せば、この社会は「あたりまえ」「普通」「常識」という規範に縛られている。性をめぐってもしかり。姓をめぐっても、生をめぐっても!そこに天皇制は関係していないだろうか。「日本人」の心性に関わっていないだろうか。そこに天皇家をめぐる報道は影響していないだろうか。この講座ではケーススタディをとおして、その問題に迫っていきたい。レポートをもとに参加者との議論をとおして、少しでもその「規範」からの解放にむけた糸口を探していきたい。

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第6回 特別講演「〈レズビアン=反天皇制〉の理念的可能性」

昨今、同性カップルへの証明書を発行する自治体が少しずつ増えはじめている。「LGBTブーム」と呼ばれる現象が起こるなか、日本でも性の多様性が称揚されつつあるようにもみえる。しかし、他方では、自民党が新たな「家族主義」を押し進め、家族国家観の精神的支柱を天皇制に求める発言も後を絶たない。同性カップルも、すでにその「家族」のなかに包摂されつつあるのではないだろうか。制度上、天皇を頂点とする戸籍制度、異性愛主義や男性中心主義という社会規範との関連のなかで、「レズビアン」という位置が、どのような抵抗の可能性をもちうるのか、一緒に考えたい。

 

講演|堀江有里さん
国際基督教大学、立命館大学ほか非常勤講師。信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会(ECQA)代表。日本基督教団牧師。著作に『「レズビアン」という生き方―キリスト教の異性愛主義を問う』(新教出版社、2006年)、『レズビアン・アイデンティティーズ』(洛北出版、2015年)など。


日時|2017年2月9日(木)19:00~(18:40開場)
会場|北沢タウンホール 第2集会室(世田谷区北沢2-8-18、下北沢駅南口より徒歩4分)
地図|https://kitazawatownhall.jp/map.html
資料代|500円
主催|女性と天皇制研究会
連絡先|jotenken[あっと]yahoo.co.jp

12/4(日)ジェンダーと天皇制(第5回)特別講演「『天皇賛歌』にうんざり!『女性(的)天皇制』の今とこれから」

女天研連続講座「ジェンダーと天皇制」

あらためてあたりを見回せば、この社会は「あたりまえ」「普通」「常識」という規範に縛られている。性をめぐってもしかり。姓をめぐっても、生をめぐっても!そこに天皇制は関係していないだろうか。「日本人」の心性に関わっていないだろうか。そこに天皇家をめぐる報道は影響していないだろうか。この講座ではケーススタディをとおして、その問題に迫っていきたい。レポートをもとに参加者との議論をとおして、少しでもその「規範」からの解放にむけた糸口を探していきたい。

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第5回 特別講演「『天皇賛歌』にうんざり!『女性(的)天皇制』の今とこれから」

 外では、戦争で被害を与えたアジアや南洋の島々で哀悼を表し、内では災害の被災地で膝をついて人びとに声をかける。最近のメディアには、平和を愛し国民に寄り添う天皇皇后像が溢れている。いまやリベラルも、「天皇賛歌」を奏でる不思議現象! 生前退位や皇位継承が問題になると、皇室典範「男系の男子」のグロテスクさが際立つが、安倍首相が「女性活躍」を宣伝するように、天皇制にとっても「女性性」が延命のカギになるのかもしれない。
 天皇制をジェンダーの視点から、ずっと考察してきた加納実紀代さんにお話いただきます。天皇制の現在とこれからについて、一緒に考えましょう。

 

講演|加納実紀代さん
1976年、戦時女性史の研究会「女たちの現在を問う会」を立ち上げ、20年がかりで『銃後史ノート』全18巻を刊行(第5回山川菊栄賞)。著書に、『女性と天皇制』(思想の科学社,1979年,編著)、『女たちの<銃後>』(筑摩書房,1987年,増補新版インパクト出版会,1995年)、『天皇制とジェンダー』(インパクト出版会,2002年)、『ヒロシマとフクシマのあいだ』(同,2013年)『岩波講座「天皇と王権を考える」7-ジェンダーと差別』(岩波書店,2002年,共著)などがある。

日時|2016年12月4日(日)18:00~(17:40開場)
会場|北沢タウンホール 第一集会室(世田谷区北沢2-8-18、下北沢駅南口より徒歩4分)
地図|https://kitazawatownhall.jp/map.html
資料代|500円
主催|女性と天皇制研究会
連絡先|jotenken[あっと]yahoo.co.jp

(声明)「天皇メッセージ」は違憲! 世襲制「国体」なんてまっぴらです

 7月13日、NHKが天皇の「生前退位」の意向を間接情報として流した。そして8月8日、なぜ「生前退位」であるのかを縷々述べる天皇のビデオメッセージが、各TV局によって流され、新聞各紙が大きく報じた。それは周到に準備され、「玉音放送」とも表現されるようなものであった。その後も、この天皇「生前退位」問題はメディアを賑わせている。

 憲法には、「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負う」(三条)、「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」(四条)とある。その憲法下で、天皇はメディアを介して直接「国民」に語りかけた。

 その手続きを無視した天皇の行為の違憲性については、すでに批判が上がっている。また、「生前退位」の意向や、「天皇のあり方」など、メッセージの内容も憲法や皇室典範の変更を迫るもので、明白な政治への介入であり、違憲行為であるとの批判もすでに出ている。私たちも、こういった状況に女性と天皇制の問題を考えてきた視点から批判を加えていきたい。

 私たちはこの「天皇メッセージ」に、世襲制「国体」護持への天皇の強い意志を感じた。そして、家父長制・家制度を唯一残す天皇家の家長が、この国の家長であるかのように動き出した状況に驚愕した。家業の運営や家督をいつ譲るかは家長が決める、と言わんばかりに国政に口を出したのだから。

 思い出してみよう。2004年、男系男子による皇位継承が危ういとの判断で、「女性天皇」容認のための「皇室典範に関する有識者会議」が小泉首相(当時)のもとで発足した。しかし2007年、秋篠宮家に男子が産まれ、有識者会議の報告書は白紙に戻された。また2011年、宮内庁が出した、このままでは皇族不在の危機という「緊急課題」に対して、野田政権(当時)は翌年、「女性宮家」創設のための「皇室典範改正へむけた論点整理」を発表し、同年、安倍が首相に返り咲いて「白紙」宣言した。そして今年4月、「女性宮家」創設を検討する有識者会議発足の噂も流れたが進展の気配は見えない。

 この10年の流れをみれば、この「天皇メッセージ」は、政府主導では早期の「皇室典範」見直しはのぞめないという判断の結果ではなかったのか。

 昭和天皇は、「国体護持」のために終戦を遅らせ、敗戦後も「国体護持」のために沖縄を米国に売り渡し安保条約に繋がる「メッセージ」を発した。いま同様に、明仁天皇も「国体護持」のために動いている。立憲主義を踏みにじり、象徴天皇制を再定義し、その明文化を求めるメッセージを発することで。その「再定義」には、メッセージにはなかった「安定的な皇位継承」のための「女性宮家」、あるいは「女性天皇」の容認なども含まれてくるだろう。皇位継承と皇族維持は「国体」にとって最重要課題なのだ。

 女系を認めてでも「万世一系」の「伝統」を守りたいと考える者たちと、男系こそが「伝統」だという者たちの確執など、私たちには関係ない。ただ、この国の憲法・法律が定める制度である以上、人権主義や民主主義、立憲主義の立場から声を発していくしかない。

 また、「女性宮家」や「女性天皇」の容認は、男女平等や女性活躍に寄与するように見えるが、世襲制は女に子どもを産ませることで成立し、出自による差別を是認する制度であることにかわりはない。問題は世襲制や家父長制・家制度を法体系に残し、女性の身体を制度の道具とし、差別を是認し再生産していることである。そして、それを「伝統」とする天皇を、「日本国と日本国民統合の象徴」としていることだ。

 制度の廃止によって、私たちだけでなく、天皇一族も解放される。私たちは天皇が訴える「生前退位」を介した象徴天皇制の再定義=「国体護持」を拒否し、天皇制廃止を求めていきたい。

 

2016年8月31日

女性と天皇制研究会