初閣議後の記念撮影を終え笑みを見せる高市早苗首相(写真:共同通信社)
高市早苗政権が発足した。日本維新の会との連立政権である。26年間続いた公明党との連立政権に代わる新たな枠組みである。ここに至るまでに、自民党、立憲民主党、国民民主党、維新の間で、様々な駆け引きが行われたが、その過程でも、日本の政治が新たな局面に入ったことが感じられた。諸外国のケースとも比較しながら、今の日本政治の位置づけをしてみたい。
一党優位制の終焉か
自由な民主主義体制の下で、特定の政党が長期間にわたって一国の政治を支配する状況、政治体制を「一党優位制(one party dominance)」と呼ぶ。
世界には様々な例があるが、第二次世界大戦後の、スウェーデンの社会民主党(~1970年代)、イタリアのキリスト教民主党(~1990年代)、イスラエルの労働党(~1990年代)などが典型的な例であり、日本の自由民主党もそうである。
日本では、1955年に保守勢力が大同団結し自由民主党を結成して長期にわたって政権を独占した。しかし、1993年夏の総選挙で過半数割れを起こして、日本新党の細川護熙による非自民8党の連立政権が生まれたが、1994年4月に崩壊し、羽田内閣が後を継いだ。
しかし、この内閣もすぐに瓦解し、6月には自民党・社会党・新党さきがけによる村山富市内閣が発足した。自民党は、わずか1年で政権に復帰した。その後は、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎と自民党内閣が続いた。
水と油の関係だった社会党の村山富市氏(左)を首相として担ぐことで自民党は政権に復帰した。右は橋本龍太郎通産相=1995年8月撮影(写真:共同通信社)ところが、2009年の総選挙で民主党が圧勝して鳩山由紀夫内閣が誕生し、菅直人、野田佳彦と民主党政権が続いたが、2014年には幕を閉じた。
その後、安倍晋三、菅義偉、岸田文雄、石破茂内閣と自民党政権が続き、今回高市早苗内閣が発足した。

