GSM-HR
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GSM-HR 、GSM Half Rate、あるいはGSM 06.20 は GSM デジタル携帯電話システムで用いられる音声符号化方式である。コーデックのビットレートは 5.6 kbps で、それ以前の規格である GSM-FR(GSM Full Rate)の半分以下に抑えられているため、音質は低下するがネットワークの回線容量を倍に増やすことができる。
概要
[編集]GSM-HR は 1995 年に規格化された音声符号化方式で [1]、 現在の仕様は ETSI 06.20 (ETSI EN 300 969) で定義されている。符号化には CELP の一種である VSELP(vector sum excited linear prediction)と呼ばれるアルゴリズムが使われる。
GSM-HR の特徴は以下の通りである [2]。
- 入出力のサンプリング周波数は 8 kHz/ 13 bit
- ビットレートは 5.6kbps
- VSELP アルゴリズムを使用
- 20 msのフレーム長
- 符号化遅延は 25 ms
- 必要な演算量は 25 MIPS 程度[3]
現在は、より広範囲のビットレート(12.2 ~ 4.75 kbps)をサポートする AMR(Adaptive Multi-Rate)コーデックが多くの GSM 携帯電話でサポートされているため、GSM-HR が使われる機会は少なくなりつつある。
脚注
[編集]- ^ 3GPP. “3GPP TS 06.20 Half Rate Speech Transcoding”. 3GPP. 2010年7月14日閲覧。
- ^ ETSI (2000年11月). “ETSI EN 300 969 8.0.1 (2000-11) - (GSM 06.20 version 8.0.1 Release 1999)”. ETSI. 2010年7月14日閲覧。
- ^ Jacob Benesty, M. M. Sondhi, Yiteng Huang (ed). Springer Handbook of Speech Processing. Springer, pp.389, 2007. ISBN 978-3540491255.
参考文献
[編集]- Jacob Benesty, M. M. Sondhi, Yiteng Huang (ed). Springer Handbook of Speech Processing. Springer, 2007. ISBN 978-3540491255.
- ETSI, EN 300 969 V8.0.1 (2000-11), Digital cellular telecommunications system (Phase 2+); Half rate speech transcoding (GSM 06.20 version 8.0.1 Release 1999), ETSI, 2000.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ETSI EN 300 969 (GSM 06.20 version 8.0.1 Release 1999) - GSM 06.20の仕様書
- ETSI ETS 300 581-2 (GSM 06.20 version 4.3.1) - GSM 06.20の旧仕様書
- RFC 5993 RTP Payload format for GSM-HR - GSM-HR の RTP ペイロード形式