米光一成
よねみつ かずなり 米光 一成 | |
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生誕 |
1964年12月22日(60歳)[1][2] 日本 広島県 |
職業 | ゲームデザイナー、ライター |
代表作 |
『魔導物語』『ぷよぷよ』 『はぁって言うゲーム』 |
米光 一成(よねみつ かずなり、1964年12月22日 - )は、日本のゲームクリエイター、ライター、俳人、イラストレーター、元立命館大学映像学部教授、デジタルハリウッド大学専任教授、文化庁メディア芸術祭審査委員(第18回(2014年)〜第20回(2017年)まで)、日本翻訳大賞実行委員。
略歴
[編集]広島修道大学人文学部英語英文学科卒業。1987年、コンパイルに入社。同社初の専門企画職として、『魔導物語』や『ぷよぷよ』などのタイトルを生み出す。これらはシリーズ化され、同社の看板タイトルとなった。
その後企画部主任を務めるも、社長との意見の不一致などの理由から1992年退社。同社のスタッフが設立したスティングに移籍。2001年に退社するまで『バロック』などを手がける。
2002年、麻野一哉・飯田和敏とともに「ベストセラー本ゲーム化会議」(原書房)を執筆。ゲームクリエイターの視点から文学作品を論ずるスタイルで、それ以降文芸評論的な活動も増えている。
現在は無所属のゲームクリエイター、ライター、教育者として幅広く活動を行うとともに、日本翻訳大賞の立ち上げ、運営にも関わる。
2014年からはゲームマーケットに出展し、精力的にアナログゲームを制作。『想像と言葉』はNHKラジオ第一でツイッターを使ったリスナー参加型ゲームとして放送される。『はぁって言うゲーム』は、のちに商業版となり『ベストアクト』(JELLY JELLY GAMES)、『はぁって言うゲーム』(幻冬舎)として発売。『はっけよいゲーム』も『はっきよいゲーム』(アークライト)として発売された。
2014年、翻訳家西崎憲の呼びかけに賛同して、日本翻訳大賞の実行委員となる。西崎らが発起人となり、クラウドファンディングで「日本翻訳大賞」プロジェクトを立ち上げた。目標金額70万円に対して385人から338万2500円を集め、プロジェクトが成立し、日本翻訳大賞が創設された。
コロナ禍の2020年には、Zoomなどのテレビチャットでも遊べるゲーム「ピラミッドパワー」を制作し、無料公開した。
配信サイトnoteでの執筆も行う。2019年3月より「米光一成の表現道場マガジン」(月額800円)執筆。2020年2月よりサークル「米光勉強会」(月額200円)運営。
エピソード
[編集]- コンパイルの面接を受けに行ったら、プログラマーとデザイナーが冷凍マグロでチャンバラごっこをしていた。さすがに「ちょっとおかしい」と思いながら、社長の部屋で面接を受けた。
- 「ルール、インタラクション、ジレンマ」の3要素がゲームの本質であるというルイージ主義をとなえる。
- 2009年8月29日〜30日に王子小劇場で上演された劇団ナカゴー『超能力学園Z』に出演。44歳で高校生役で役者デビューする。
担当作品
[編集]コンパイル
[編集]- アレスタ(MSX2/セガマークIII):企画、脚本
- 魔導師ラルバ(MSX2):企画、脚本
- 魔導物語1-2-3(MSX2/PC-98):企画、監督、脚本
- ぷよぷよ(ファミリーコンピュータディスクシステム/MSX2):企画、監督
- 上記の他、ディスクステーション(MSX2/PC-98)収録の小作品を数作担当
- 『赤い相撲』、『あっぷるそーするーむ』、『ちるどれんうぉーず』などを担当
スティング
[編集]- トレジャーハンターG(スーパーファミコン、発売元:スクウェア):ディレクション
- バロック(プレイステーション):ディレクション、ゲームデザイン、ラジオCMテキスト、ジャケット・CD・マニュアルデザイン
- バロックシンドローム(プレイステーション):監修
- こぐるぐるぐる(ゲームボーイカラー)
その他
[編集]その他、ボクシングゲーム、シューティングゲーム、スゴロクゲームなどを開発。
アナログゲーム(インディーズ版)
[編集]- 想像と言葉(神谷聡子共作・2014)
- レディーファースト(2016)
- はぁって言うゲーム(2017)
- 大笑炎(2017)
- 想像と言葉NEW(2017)
- はっけよいゲーム(2018)
- 部屋と言葉(2018)
- はっけよいとネコ(2018)
- 神羅万象大臣、データを捏造す(2019)
- わんちゃんじゃんけん(2019)
- 走るメロスたち(2019)
- 荒野へThe Game of Tarot(2019)
- 変顔マッチ(2019)
- ピラミッドパワー(無料公開 2020)
アナログゲーム(商業版)
[編集]- ベストアクト(JELLY JELLY GAMES・2018)
- はぁって言うゲーム(幻冬舎・2018)
- はぁって言うゲーム2(幻冬舎・2019)
- はっきよいゲーム(アークライト・2019)
- 米光一成の変顔マッチ(大創出版・2020)
- はぁって言うゲーム3(幻冬舎・2020)
著書
[編集]単著
[編集]- 仕事を100倍楽しくするプロジェクト攻略本(ベストセラーズ・2007)
- 自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法―“企画の魔眼”を手に入れよう(日本経済新聞出版社・2010)
- 『米光一成ブックレビューVol.1 新刊めったくたガイド2005年編』(インプレスR&D・2014)
- 『米光一成ブックレビューVol.2 新刊めったくたガイド2006年編』(インプレスR&D・2014)
- 『思考ツールとしてのタロット』(こどものもうそうブックス・2014)
- 『あたらしいじゃんけんをつくろう: シリーズ:表現の土台を鍛える1』(こどものもうそうブックス・2015)
- 『あたらしいじゃんけんをつくろう2シリーズ:表現の土台を鍛える2』(こどものもうそうブックス・2017)
- 『くま対タロットがおーがおー 』(こどものもうそうブックス・2018)
共編著
[編集]- 『ベストセラー本ゲーム化会議』麻野一哉,飯田和敏共著(原書房・2002)
- 『日本文学ふいんき語り』麻野一哉,飯田和敏共著(双葉社・2005)
- 『デジタルの夢でメシを食うためにボクらは!』編著(マイクロマガジン社・2006)
- 『スピンドル式 鍛えない脳』麻野一哉,飯田和敏共著(しょういん・2007)
- 『恋愛小説ふいんき語り』麻野一哉,飯田和敏共著(ポプラ社・2007)
- 『誰でも作れる電子書籍 今すぐできる制作から販売まで』小沢高広,電子書籍部共著(インプレス・2010)
- 『男の鳥肌名言集』(編・角川書店・2013)
- 『ゲームシナリオを書こう!』川上大典,鈴木理香,笹成稀多郎,門司共著(青弓社・2014)
- 『木下古栗を読む: スポークンワードVol.2』柴崎友香,長嶋有,豊﨑由美共著(kindle・2014)
- 『川崎徹を読む: スポークンワードVol.3』柴崎友香,長嶋有,豊﨑由美共著(kindle・2015)
- 『古谷田奈月を読む: スポークンワードVol.4』柴崎友香,長嶋有,豊﨑由美共著(kindle・2015)
- 『若手ライターはいかに生きるべきか』青柳美帆子共著(こどものもうそうブックス・2017)
- 『村上春樹『騎士団長殺し』34の謎』鴻巣友季子共著 (アオシマ書店・2017)
- 『ゲームシナリオの教科書 ぼくらのゲームの作り方』川上大典、北野不凡、都乃河勇人、長山豊、ハサマ、平川らいあん共著(秀和システム・2018)
連載
[編集]- 『アニメージュ』BOOKコーナー
- 『月刊Gファンタジー』「米光一成の萌える!地球撲滅存続読書案内」「文学秘密結社メロス」「素敵な本が読みたくて」
- 『POPEYE』(マガジンハウス)「あわてない読書」
- 『本の雑誌』「新刊めったくたガイド」
- 『iPhone magazine』「米光一成のこのアプリいいヨネ!」
- 『ケトル』レビュー
- 『グランドジャンプ』「オススメ!タコツボ教養百科」
- 『ミステリマガジン』ゲームレビュー
電書活動
[編集]電子書籍を電書と呼び、「宣伝会議 編集・ライター養成講座 上級コース プロフェッショナル・ライティングクラス」の受講生を中心に、2010年、電書部を設立。自身が部長。2010年7月に電書を対面販売する「電書フリマ」を開催。9月には、部長を畑菜穂子と交代。11月、「電書フリマZ」を開催。2011年、「電書雑誌よねみつ」を創刊。[2]企画監督したiPhoneアプリ「電書カプセル」を2013年6月18日にリリース。[3]
教育
[編集]2007年から2014年まで立命館大学映像学部専任教授。2015年から2017までデジタルハリウッド大学客員教授。2018年より同大学専任教授。
「池袋コミュニティカレッジ」で2004年10月から講師をつとめる。「デジタルコンテンツ仕事術」「発想力トレーニング」「五七式発想力トレーニング」「文章力トレーニング講座」「読みのレッスン」「文章力道場」など、毎年タイトルを変えながら継続中。2018年4月からの「ゲームづくり道場」では、有名文学作品をモチーフにして各自ゲームを作り、並べて文学ゲーム全集にしようと企画。ゲームマーケット2019春にて15作品が頒布された。
「宣伝会議」(東京・大阪など)では「編集・ライター養成講座」で「発想力養成トレーニング」の講師を担当。「編集・ライター養成講座 上級コース 米光クラス」の専任講師も務める。
イベント
[編集]2006年、ミニポタライブ『ぼくがゲームを作らないと世界が滅んでしまうから』開催。「演劇+散歩+ゲーム」作品。散歩をしながら楽しむライブ。観光ガイドの歪んだ妄想バージョン。
2009年8月29日〜30日に王子小劇場で上演された劇団ナカゴー『超能力学園Z』に出演。
2011年より千野帽子、長嶋有、堀本裕樹とともに公開句会ライブ「東京マッハ」に参加。2020年2月の第20回以降はオンラインで開催されている。
2013年より、柴崎友香・長嶋有・豊崎由美と「チア・リーディング部」を結成。著者本人を敢えて招かず、他人様の新刊を応援する公開読書会「スポークンワード」をおこなう。
2012年には初の単独イベント「思考ツールとしてのタロット」を開催。その後電書化されロングセラーとなる。
2016年から即興でプレゼンをする競技「パワポカラオケ」に継続的に出場。2016年6月9日には「全NIPPONパワポカラオケ選手権ダブルス」に井上マサキとコンビを組んで出場し、初代王者になる。
2019年12月7日〜12月15日に3331アーツ千代田で行われた「これはゲームなのか?展#2」では「記憶交換の儀式」を展示。儀式長として記憶を交換する儀式を行った。
出演
[編集]テレビ番組
[編集]- 神ゲー創造主エボリューション(2023年2月23日、NHK)[4]
- X年後の関係者たち 第66回 「ぷよぷよ」(2024年6月10日、BS-TBS)[5]
- 正解の無いクイズ(2024年8月~、テレビ東京) - 不定期出演
ラジオ
[編集]2014年4月から2018年3月まで、NHKラジオ第一「すっぴん!」の「新刊コンシェルジュ」コーナー(その後コーナー名は「本、ときどきマンガ」に変更)担当。
そのことがきっかけとなり、2014年6月5日には「すっぴん!」内でツイッターを使ったリスナー参加型ゲーム「想像と言葉」をプレイ。2014年12月30日には番組内で「想像と言葉スペシャル」が開催され、2015年5月6日には、NHKラジオ第一の特番として放送された。特番は2018年4月27日まで、その後も何度か放送されている。2016年4月から2017年にはNHKラジオ第一「ごごラジ!」の金曜日の枠で、月1回のペースで「ひらめけ!ゲーム「想像と言葉」」が開催された。
脚注
[編集]- ^ 米光一成プロフィール | こどものもうそうblog
- ^ a b 「挑む 変化のときに――電書フリマや電子書籍を仕掛ける ゲーム作家、立命館大教授 米光一成さん(46)」『朝日新聞』2011年1月16日付朝刊、第12版、第14面。
- ^ https://kai-you.net/article/635
- ^ “神ゲー創造主エボリューション - NHK”. 2023年3月21日閲覧。
- ^ BS-TBS [@bstbs6] (2024年6月9日). "⏰明日6/10(月)よる11時 「#X年後の関係者たち あのムーブメントの舞台裏」【ぷよぷよ】ぷよぷよヒットの裏に隠された光と闇を関係者とともに紐解く✨". X(旧Twitter)より2024年6月11日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- こどものもうそうblog
- 米光一成プロフィール
- 池袋コミュニカレッジ
- 編集・ライター養成講座 上級コースプロフェッショナル・ライティングクラス
- 夢中になりたい! - ほぼ日刊イトイ新聞
- 発想力トレーニング - BPnet
- 電書革命 - 日経ビジネスオンライン
- 米光一成 (@yonemitsu) - X(旧Twitter)