清川正二

清川正二
	清川正二（きよかわまさじ）
選手情報
フルネーム	きよかわまさじ
国籍	日本
泳法	背泳ぎ
生年月日	1913年2月11日
生誕地	愛知県豊橋市
没年月日	1999年4月13日（86歳没）
獲得メダル
日本
競泳
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清川正二（きよかわまさじ、1913年（大正2年）2月11日 - 1999年（平成11年）4月13日）は、日本の水泳選手、実業家。愛知県豊橋市出身。オリンピックに2度出場し、1932年ロサンゼルス五輪で100m背泳ぎ金メダリスト、1936年ベルリン五輪でも銅メダルを獲得。第二次世界大戦後は総合商社兼松江商の社長・会長を務める。アマチュアスポーツの振興にも尽力し、日本人として初めて国際オリンピック委員会（IOC）副会長となった。

人物

豊橋市関屋町出身^[1]。旧制愛知第四中学校（現・愛知県立時習館高等学校）、名古屋高等商業学校（現・名古屋大学）を経て、1936年（昭和11年）東京商科大学（現・一橋大学）卒業。

1936年（昭和11年）、兼松商店（現・兼松）入社、常務、副社長等を経て、1976年（昭和51年）兼松江商（現・兼松）社長、1978年（昭和53年）同取締役相談役、1985年（昭和60年）兼松江商名誉顧問。

1979年（昭和54年）、日本人初国際オリンピック委員会（IOC）副会長。

1999年に膵臓癌（すいぞうがん）のため死去。86歳。オリンピック・オーダー、紫綬褒章等受章。朝日賞等受賞。

スポーツ関係の経歴

1932年（昭和7年） - 名古屋高商在学中に、ロサンゼルスオリンピック100メートル背泳ぎ決勝で優勝^[2]。このとき、2位・入江稔夫、3位・河津憲太郎の日本選手で表彰台を独占した。日本では初の快挙である。
1936年（昭和11年） - ベルリンオリンピック100メートル背泳ぎ3位。
1946年（昭和21年） - 日本水泳連盟常務理事。
1963年（昭和38年） - 紫綬褒章受章。
1969年（昭和44年） - 国際オリンピック委員会（IOC）委員に就任。
1975年（昭和50年） - IOC理事に就任。
1978年（昭和53年） - マリ共和国名誉領事。
1979年（昭和54年） - 日本人初のIOC副会長。（1983年（昭和58年）まで。）
1984年（昭和59年） - 勲二等瑞宝章受章。
1988年（昭和63年） - ソウルオリンピックにて、競泳男子100m背泳ぎで自身以来の日本人金メダリストとなった鈴木大地に表彰式でメダルを授与した^[3]。
1989年（昭和64年/平成元年） - IOC名誉委員、オリンピック・オーダー銀章受章。
1990年（平成2年） - 朝日賞受賞^[4]、東京都文化賞受賞。

名古屋オリンピック招致

1979年（昭和54年）に名古屋市と愛知、岐阜、三重の3県は1988年（昭和63年）の第24回オリンピックを名古屋市と周辺の施設で開催するため招致運動を開始した。1980年（昭和55年）に正式立候補した当初は名古屋有利と言われたが、同じく候補地に名乗りを上げた、韓国・ソウル招致関係者のIOC委員への接待など、派手な招致活動に対抗しようとした名古屋招致関係者に、清川は「IOC委員は高潔な人々。過剰な接待はかえって反感を買う。」と釘を刺した。しかし、同年9月に当時の西ドイツ・バーデン＝バーデンで行われたIOC総会でソウルに52票対27票で敗れた。

その後の大会の候補地選考でも（清川が警告した）過剰な招致活動は続き、皮肉なことに1998年（平成10年）の第18回冬季オリンピックの招致合戦では過剰接待で、長野が招致に成功したといわれた。だが、ついに第19回冬季オリンピックの候補地選考では買収スキャンダルまでに進展することとなった。拡大するオリンピックの商業主義は、清廉潔白としたアマチュアリズムの清川の思想とはそぐわないものとなってしまった。清川自身はIOCの信用回復に腐心していたがその改革を見届られずに亡くなっている。

また、日本体育協会（当時）と日本オリンピック委員会(JOC)が政府・文部省（当時）の圧力に屈して1980年モスクワオリンピックの不参加を決めたのは、清川がIOC副会長およびJOC理事在任中の出来事であった^[5]。この点に関しても清川は体協やJOCの体質改善を強く望んでいた^[5]。

脚注

^ “豊橋出身で唯一の金メダリスト清川正二”. 東愛知新聞. (2020年7月24日) 2021年3月21日閲覧。
^ “東京五輪への道”. 茨城新聞クロスアイ 2020年10月7日閲覧。
^ “第21回 1932年と1988年の金メダル～清川正二と鈴木大地、56年ぶりの「出会い」”. オリンピック・メモリアルグッズ. 日本オリンピック委員会. 2013年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月7日閲覧。
^ “朝日賞 1971－2000年度”. 朝日新聞社. 2022年8月29日閲覧。
^ ^a ^b 【オリンピック・パラリンピック　アスリート物語】】清川正二水泳とオリンピックにかけた一生 - 笹川スポーツ財団（2019年3月27日）2021年4月4日閲覧。

外部リンク

清川正二 - オリンピックチャンネル
清川正二 - Olympedia (英語)
清川正二 - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
清川正二 - 世界水泳連盟 (英語)
清川正二 - 国際水泳殿堂 (英語)
清川正二－圧倒的な強さで世界記録に０秒４差 ^{[リンク切れ]}
アマチュアスポーツの良心・清川正二氏死去 at the Wayback Machine (archived 2006-05-08)

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[1] “豊橋出身で唯一の金メダリスト清川正二”. 東愛知新聞. (2020年7月24日) 2021年3月21日閲覧。

[2] “東京五輪への道”. 茨城新聞クロスアイ 2020年10月7日閲覧。

[JOC200803-3] “第21回 1932年と1988年の金メダル～清川正二と鈴木大地、56年ぶりの「出会い」”. オリンピック・メモリアルグッズ. 日本オリンピック委員会. 2013年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月7日閲覧。

[4] “朝日賞 1971－2000年度”. 朝日新聞社. 2022年8月29日閲覧。

[sasagawa-5] 【オリンピック・パラリンピック　アスリート物語】】清川正二水泳とオリンピックにかけた一生 - 笹川スポーツ財団（2019年3月27日）2021年4月4日閲覧。

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表話編歴日本選手権水泳競技大会男子50m背泳ぎ優勝者
1930年代	30 鈴木正雄 31 清川正二 37 アドルフ・キーファー（英語版） 38 児島泰彦
1940年代	40 児島泰彦 41 児島泰彦 46 西野恭正 47 西野恭正 48 西野恭正 49 黒佐年明
1950年代	51 芦田拓郎 52 芦田拓郎 53 ヨシノブ・オヤカワ（英語版） 54 長谷景治
1990年代	99 中村健太郎
2000年代	00 大石隆文 01 森田智己 02 錦織篤 03 錦織篤 04 森田智己 05 森田智己 06 森田智己 07 古賀淳也 09 古賀淳也
2010年代	10 古賀淳也 11 古賀淳也 13 古賀淳也 14 古賀淳也 15 古賀淳也 17 古賀淳也 18 古賀淳也 19 入江陵介
2020年代	21 入江陵介 22 入江陵介 23 入江陵介

表話編歴日本選手権水泳競技大会男子100m背泳ぎ優勝者
1910年代	16 三好康和 18 三好康和/持永義崇
1920年代	20 石田恒信 21 石田恒信 22 上田治 23 上田治 24 野塚義則 25 木村象雷 26 木村象雷 27 木村象雷 28 入江稔夫 29 片山兼吉
1930年代	30 メイオラ・カリリ（英語版） 31 清川正二 32 清川正二 33 清川正二 34 アル・ヴァンデウェー（英語版） 35 児島泰彦 36 児島泰彦 37 アドルフ・キーファー（英語版） 38 児島泰彦 39 吉田喜一
1940年代	40 吉田喜一 41 児島泰彦 42 吉田喜一 46 西野恭正 47 西野恭正 48 西野恭正 49 西野恭正
1950年代	50 山本速水 51 西野恭正 52 西野恭正 53 ヨシノブ・オヤカワ（英語版） 54 長谷景治 55 長谷景治 56 長谷景治 57 長谷景治 58 ジョン・モンクトン（英語版） 59 長谷景治
1960年代	60 渡辺和夫 61 トム・ストック 62 ジェド・グラーフ（英語版） 63 福島滋雄 64 福島滋雄 65 伊藤圭祐 66 林祐士郎 67 田中毅司雄 68 細川伸也 69 本多忠
1970年代	70 星野浩二 71 山本敏光 72 本多忠 73 中村靖 74 本多忠 75 ジョン・ネーバー 76 スティーブ・ハーディ（英語版） 77 池田憲次 78 池田憲次 79 松本敬充
1980年代	80 ウェイド・フレモンズ 81 高橋英利 82 高橋英利 83 池田憲次 84 鈴木大地 85 鈴木大地 86 鈴木大地 87 丸山繁守 88 丸山繁守 89 丸山繁守
1990年代	90 糸井統 91 糸井統 92 糸井統 93 糸井統 94 糸井統 95 糸井統 96 近内圭太郎 97 近内圭太郎 98 錦織篤 99 近内圭太郎
2000年代	00 大石隆文 01 錦織篤 02 森田智己 03 森田智己 04 森田智己 05 森田智己 06 森田智己 07 森田智己 08 森田智己 09 古賀淳也
2010年代	10 古賀淳也 11 入江陵介 12 入江陵介 13 萩野公介 14 入江陵介 15 入江陵介 16 入江陵介 17 入江陵介 18 入江陵介 19 入江陵介
2020年代	20 入江陵介 21 入江陵介 22 入江陵介 23 入江陵介

表話編歴日本選手権水泳競技大会男子200m背泳ぎ優勝者
1920年代	27 木村象雷 28 入江稔夫 29 大島正夫
1930年代	32 清川正二 33 清川正二 34 アル・ヴァンデウェー（英語版） 35 児島泰彦
1950年代	50 宮田春雄 55 長谷景治 56 長谷景治 57 富田一雄 58 ジョン・モンクトン（英語版） 59 富田一雄
1960年代	60 渡辺和夫 61 トム・ストック 62 福島滋雄 63 福島滋雄 64 福島滋雄 65 福島滋雄 66 福島滋雄 67 福島滋雄 68 福島滋雄 69 三木正二郎
1970年代	70 星野浩二 71 原博美智 72 本多忠 73 山本敏光 74 山本敏光 75 ジョン・ネーバー 76 スティーブ・ハーディ（英語版） 77 松本彰 78 高橋剛 79 松本彰
1980年代	80 ウェイド・フレモンズ 81 風早衛 82 高橋英利 83 風早衛 84 鈴木大地 85 鈴木大地 86 池田和也 87 池田和也 88 鈴木大地 89 糸井統
1990年代	90 糸井統 91 糸井統 92 糸井統 93 糸井統 94 堀井利有司/糸井統 95 糸井統 96 糸井統 97 糸井統 98 日向将一 99 近内圭太郎
2000年代	00 北下剛 01 橋本公山 02 中野高 03 中野高 04 森田智己 05 中野高 06 森田智己 07 入江陵介 08 入江陵介 09 入江陵介
2010年代	10 入江陵介 11 入江陵介 12 入江陵介 13 入江陵介 14 入江陵介 15 入江陵介 16 入江陵介 17 萩野公介 18 入江陵介 19 入江陵介
2020年代	20 入江陵介 21 入江陵介 22 竹原秀一 23 竹原秀一

表話編歴競泳日本代表 - 1932 ロサンゼルスオリンピック
男子	横山隆志河石達吾宮崎康二高橋成夫小池禮三杉本盛清川正二河津憲太郎石原田愿大横田勉中川重雄鶴田義行入江稔夫北村久寿雄牧野正蔵豊田久吉遊佐正憲高石勝男 (主将) 武村清武村寅雄片山兼吉鈴木政雄
女子	横田みさを荒田雪江小島一枝松澤初穂前畑秀子守岡初子

表話編歴競泳日本代表 - 1936 ベルリンオリンピック
男子	伊藤三郎鵜藤俊平吉田喜一根上博児島泰彦寺田登小池禮三新井茂雄清川正二 (主将) 石原田愿田口正治牧野正蔵遊佐正憲葉室鐵夫杉浦重雄宮崎康二新間六炳鶴岡榮田中一男永見達明本田惣一郎明文一
女子	守岡初子小島一枝前畑秀子 (主将) 竹村令壷井宇乃子古田つね子松村昶子

典拠管理データベース
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人物

スポーツ関係の経歴

名古屋オリンピック招致

脚注

関連項目

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