松任駅
松任駅 | |
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南口駅舎(2024年4月) | |
まっとう Mattō | |
◄西松任 (1.9 km) (3.3 km) 野々市► | |
所在地 | 石川県白山市相木町1020 |
所属事業者 | |
所属路線 | ■IRいしかわ鉄道線 |
キロ程 |
37.0 km(大聖寺起点) 米原から167.2 km |
電報略号 | マト |
駅構造 | 地上駅(橋上駅) |
ホーム | 2面3線 |
乗車人員 -統計年度- |
3,758人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1898年(明治31年)4月1日[1][2] |
備考 | |
松任駅(まっとうえき)は、石川県白山市相木町にある、IRいしかわ鉄道・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。
かつては北陸本線の一部の特急列車が停車していた。平日に限り、当駅から金沢駅方面への折り返し列車および始発列車が設定されている。かつては北陸鉄道松金線が接続していた。
歴史
[編集]- 1898年(明治31年)4月1日:官設鉄道北陸線の小松駅 - 金沢駅間延伸に伴い、一般駅として開業[1][2]。
- 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定、北陸本線所属駅となる[4]。
- 1916年(大正5年)3月13日:松金電車軌道線(後の北陸鉄道松金線)の駅が開業[5]。
- 1955年(昭和30年)11月14日:北陸鉄道松金線の駅が廃止[5]。
- 1963年(昭和38年)8月:RC造平屋の駅舎が完成。
- 1984年(昭和59年)2月:荷物の取扱を廃止[6]。
- 1986年(昭和61年)3月:みどりの窓口を開設[6]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)の駅となる。貨物の取扱を廃止(旅客駅となる)[7]。また、この日に北口を開設[7]。
- 2011年(平成23年)
- 2016年(平成28年)6月8日:駅内売店「CHAO」からブランド転換した「セブン-イレブンKiosk JR松任駅店」がオープン。
- 2017年(平成29年)
- 2024年(令和6年)3月16日:北陸新幹線金沢駅 - 敦賀駅間延伸開業に伴い、IRいしかわ鉄道の駅になる。
駅構造
[編集]単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線[1]、合計2面3線[2]のホームを有する地上駅[1]。かつては当駅の北側に、JR西日本金沢総合車両所松任本所(一部メディアでは旧称の松任工場[15]と表記する場合がある)が隣接していた[1][2][16][17]ため、構内は広い。
北陸新幹線が南口駅舎上を通過するため、その工事に伴う駅舎の橋上化と南北自由通路の建設事業が進められ、2011年(平成23年)8月8日の始発から駅舎の使用を開始した[8][9]。橋上駅舎は旧駅舎より小松寄りに設置されている[2]。駅舎のデザインは、南口側は白山の山並みを、北口側は日本海の白波をモチーフにしている。
直営駅(金沢駅の被管理駅)。駅構内にはみどりの窓口(IRいしかわ鉄道移管のため、旅行会社扱いでJR券発売を行う)がある。かつては市内の菓子店「圓八」のあんころがホームで立ち売りされていたが、現在は当駅や小松駅・金沢駅構内のコンビニや売店で販売されている。
のりば
[編集]のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
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1 | ■IRいしかわ鉄道線 | 上り | 小松・福井方面[18] | |
2 | 一部列車のみ | |||
下り | 金沢方面[18] | |||
3 |
列車運転指令上では、1番のりばは「上り本線」、2番のりばは「中線」、3番のりばは「下り本線」とされている。原則として1番・3番を使用し、2番は上り・下りの一部列車に使われる。
かつて流れていた接近メロディは、1番のりばが『アニーローリー』、2・3番のりばが『エリーゼのために』であった。2017年3月12日からは、北陸本線の主要駅で用いられている自動詳細型放送が各ホームに導入された。
貨物取扱
[編集]現在、JR貨物の駅は車扱貨物の臨時取扱駅となっている[19]。貨物設備はなく、専用線も当駅には接続していない。そのため貨物列車の発着はないが、金沢総合車両所で検査を受けるため、配給列車で回送された私有貨車やコンテナ車が当駅でJR西日本に引き渡されている[19]。
国鉄分割民営化前までは、ニッコー松任工場や、日本石油松任油槽所・住友セメントのセメントサイロ(いずれも閉鎖)などへ続く専用線が存在した。
利用状況
[編集]2019年(令和元年)度の1日平均乗車人員は3,758人である[統計 1]。
「石川県統計書」および「白山市統計書」によると、1996年以降の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
---|---|---|
1996年(平成 | 8年)3,509 | [統計 2] |
1997年(平成 | 9年)3,503 | [統計 3] |
1998年(平成10年) | 3,467 | [統計 4] |
1999年(平成11年) | 3,403 | [統計 5] |
2000年(平成12年) | 3,324 | [統計 6] |
2001年(平成13年) | 3,215 | [統計 6] |
2002年(平成14年) | 3,164 | [統計 6] |
2003年(平成15年) | 3,066 | [統計 6] |
2004年(平成16年) | 2,987 | [統計 6] |
2005年(平成17年) | 2,992 | [統計 7] |
2006年(平成18年) | 2,968 | [統計 7] |
2007年(平成19年) | 2,938 | [統計 7] |
2008年(平成20年) | 3,106 | [統計 7] |
2009年(平成21年) | 2,987 | [統計 7] |
2010年(平成22年) | 2,995 | [統計 8] |
2011年(平成23年) | 3,000 | [統計 8] |
2012年(平成24年) | 3,019 | [統計 8] |
2013年(平成25年) | 3,095 | [統計 8] |
2014年(平成26年) | 3,069 | [統計 8] |
2015年(平成27年) | 3,493 | [統計 9] |
2016年(平成28年) | 3,542 | [統計 9] |
2017年(平成29年) | 3,720 | [統計 9] |
2018年(平成30年) | 3,818 | [統計 9] |
2019年(令和元年) | 3,758 |
駅周辺
[編集]旧・松任市の中心市街地が広がる。
1990年代までは複数のショッピングセンターの立ち並ぶ商業集積地だったが、白山市内を通る国道8号(松任バイパスの一部)沿いの大型ショッピングセンターの開業、南口近くにあった松任市役所や公立松任石川中央病院も国道近くに移転した影響で客足は遠のき、商業施設は次々と姿を消していった。現在は白山市の都市再開発の方針でそれらの跡地には市営の文化施設がオープンしている。
駅舎を出て左手には、かつて北陸本線で使われていたD51 822が静態保存されている[20]。
- 松任城址公園
- 千代女の里俳句館[20]
- 市民工房うるわし
- 白山市松任学習センタープララ
- 白山市松任文化会館ピーノ
- 白山市立博物館
- 白山市松任公民館
- 松任ふるさと館[21] - 登録有形文化財(主屋・門・物置2棟の計4件)。吉田茂平(明治期の実業家)の私邸を移築保存したもの。
- 白山市立松任中川一政記念美術館 - 中川一政(洋画家)の母が、旧松任市出身という縁で開館。
- グランドホテル白山
- ハローワーク白山
- 石川県立松任高等学校
- ニッコー松任工場
- マルエー 松任店
バス路線
[編集]- 松任駅前停留所
- 松任停留所
- 北陸鉄道
- 北鉄白山バス
- 松任駅北口停留所
北陸鉄道 松任駅
[編集]松金線の始発駅で、国鉄駅の南に位置し、約200メートル離れていた。
歴史
[編集]- 1916年(大正5年)3月13日:松金電車鉄道の駅として開業[5]。
- 1920年(大正9年)3月25日:松金電車鉄道が金沢電気軌道に併合され、同社の駅となる[23]。
- 1943年(昭和18年)10月13日:合併により北陸鉄道設立[24]、同社の松金線の駅となる。
- 1955年(昭和30年)11月14日:松金線全線廃止[5][25]により廃駅。
駅構造
[編集]道路に面して木造平屋建ての駅舎があり、島式ホーム1面2線を有していた。
廃止後
[編集]駅跡地には白山市立松任図書館が建てられている。また、廃線後は廃止代替バスが運行された[25]。
隣の駅
[編集]かつて存在した路線
[編集]- 北陸鉄道
- 松金線
- 松任駅 - 東町駅
脚注
[編集]記事本文
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e 川島 2010, p. 46.
- ^ a b c d e 朝日 2012, p. 20.
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 I(初版)、JTB、1998年10月1日、91頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c d 朝日 2011, p. 24.
- ^ a b 松任市史 2006, p. 467.
- ^ a b 松任市史 2006, p. 469.
- ^ a b c 『白山市合併10周年記念誌』白山市、2015年2月1日、37頁。
- ^ a b c “広報はくさん 第80号” (PDF). 白山市市民生活部広報広聴課. pp. 2-3 (2011年9月10日). 2021年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月28日閲覧。
- ^ a b 『北陸線(大聖寺駅~金沢駅間)IRいしかわ鉄道線、城端線(高岡駅~新高岡駅間)4月15日ICOCAサービスご利用開始~石川と富山がICOCAでつながる~』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道/IRいしかわ鉄道/あいの風とやま鉄道、2017年1月31日。オリジナルの2019年5月25日時点におけるアーカイブ 。2020年2月1日閲覧。
- ^ a b “富山に続き石川も「ICOCA」エリアに 4月15日、3社相互利用開始”. 乗りものニュース (2017年2月1日). 2021年9月23日閲覧。
- ^ “JR西日本 金沢駅などで自動改札を導入”. 日テレNEWS (2017年4月1日). 2022年3月28日閲覧。
- ^ 『交通ICカード「ICOCA」の利用範囲拡大等について』(PDF)(プレスリリース)あいの風とやま鉄道、2017年1月31日。オリジナルの2019年5月25日時点におけるアーカイブ 。2020年2月1日閲覧。
- ^ “金沢でイコカ利用可能に 石川、富山の19駅”. 産経フォト (2017年4月15日). 2021年9月23日閲覧。
- ^ “えちごトキめき鉄道が413系導入へ「クハ455-701」を含む4両体制に”. マイナビニュース (2021年3月16日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ 川島 2010, p. 10.
- ^ “JR西日本、金沢総合車両所を一般公開。521系の吊り上げとトラバーサー移動など実施”. トラベルWatch (2016年8月26日). 2021年9月13日閲覧。
- ^ a b “松任駅”. IRいしかわ鉄道. 2024年9月8日閲覧。
- ^ a b 川島 2010, p. 76.
- ^ a b 「再訪!沿線点描 北陸本線 福井駅~金沢駅(福井県・石川県)」『Blue Signal』2020年5月号、西日本旅客鉄道、2020年5月、2021年8月31日閲覧。
- ^ ほっと石川旅ねっと 松任ふるさと館 - 石川県観光連盟
- ^ “白山登山バス 白峰巡りに便利 「松任駅−市ノ瀬便」総湯近くに停車”. 北陸中日新聞Web. (2021年5月20日). オリジナルの2021年5月19日時点におけるアーカイブ。 2022年3月28日閲覧。
- ^ 朝日 2011, p. 18.
- ^ 朝日 2011, p. 19.
- ^ a b 『北鉄の歩み』北陸鉄道、1974年3月15日、138頁。
利用状況
[編集]- ^ “令和元年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 104 (2021年3月). 2021年4月12日閲覧。
- ^ 1996年 石川県統計書 108頁
- ^ 1997年 石川県統計書 108頁
- ^ 1998年 石川県統計書 108頁
- ^ 1999年 石川県統計書 108頁
- ^ a b c d e “平成17年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
- ^ a b c d e “平成22年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
- ^ a b c d e “平成27年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
- ^ a b c d “令和元年度版 白山市統計書 JR乗車人員(1日平均)” (PDF). 白山市企画振興部企画課 (2022年2月9日). 2022年3月28日閲覧。
参考文献
[編集]- 『松任市史 続現代編』白山市、2006年3月31日。
- 川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第6巻 加賀温泉駅 - 富山エリア』講談社、2010年9月20日。ISBN 978-4-06-270066-5。
- 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日。
- 『週刊JR全駅・全車両基地 18 北陸本線②(森本~米原) 越美北線』朝日新聞出版、2012年12月9日。