コンテンツにスキップ

小川虎之助

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
おがわ とらのすけ
小川 虎之助
小川 虎之助
西鶴一代女』(1952年)左、隣りの後ろ姿は菅井一郎
本名 小川 寅次
生年月日 (1897-12-01) 1897年12月1日
没年月日 (1967-12-29) 1967年12月29日(70歳没)
出生地 日本の旗 日本東京府東京市浅草区蔵前(現在の東京都台東区
死没地 日本の旗 日本埼玉県浦和市
職業 俳優
ジャンル 新派劇映画時代劇現代劇トーキー)、テレビ映画
活動期間 1902年 - 1964年
主な作品
テンプレートを表示

小川 虎之助おがわ とらのすけ[1][2]1897年明治30年〉12月1日[1][3] - 1967年昭和42年〉12月29日[3])は、日本俳優。本名は小川 寅次[1]

来歴・人物

[編集]

1897年(明治30年)12月1日東京市浅草区蔵前に生まれる[4][1]。5歳のときに新派の舞台で初舞台を踏み、弟の小太郎と共に新派の名子役といわれる[4][1][5]。のちに新国劇に入団。沢田正二郎に芸の細かさを認められ、『三等水兵の日記』『髪』などでのコミックな役や、『国定忠次』などの老爺役を得意として大幹部俳優となる[4]。戦後の1946年(昭和21年)に退団して新国民座を主宰するが、経済的事情から解散する[4]

1951年(昭和26年)、映画俳優に転向し、大映の『万華地獄』に出演して以来、各社の作品に出演。溝口健二黒澤明作品の脇を固めるなどベテランぶりを発揮し[1]、小太りで白髪頭の老け役として知られた[4]

1967年(昭和42年)12月29日糖尿病の悪化で埼玉県浦和市の自宅で死去[6]。70歳没。

出演作品

[編集]

映画

[編集]
  • 万花地獄(1951年、大映) - 田丸主膳
  • ホープさん サラリーマン虎の巻(1951年、東宝) - 吉川前社長
  • 完結 佐々木小次郎(1951年、東宝) - 長岡佐渡
  • 荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻(1952年、東宝) - 川合武右衛門
  • 慶安秘帖(1952年、東宝) - 牧野兵庫
  • 西鶴一代女(1952年、新東宝) - 磯野弥太衛門
  • ラッキーさん(1952年、東宝) - 奈良庄右衛門
  • 三等重役(1952年、東宝) - 奈良前社長
  • 生きる(1952年、東宝)- 公園課長[1]
  • 四十八人目の男(1952年、東宝) - 大野九郎兵衛
  • 喧嘩安兵衛(1952年、東宝) - 菅野六左衛門
  • 続三等重役(1952年、東宝) - 奈良前社長
  • 恐妻時代(1952年、東宝) - 社長
  • 明日は日曜日(1952年、大映) - 石坂社長
  • サラリーマン喧嘩三代記(1952年、新東宝) - 立石老人
  • 次郎長三国志シリーズ(東宝) - 和田島の太左衛門
    • 第一部 次郎長売出す(1952年)
    • 第二部 次郎長初旅(1953年)
    • 第四部 勢揃い清水港(1953年)
    • 第八部 海道一の暴れん坊(1954年)
  • 風雲千両船(1952年、東宝) - 江川太郎左衛門
  • 吹けよ春風(1953年、東宝) - 老人
  • 新婚のろけ節(1953年、大映) - 社長
  • 憲兵(1953年、新東宝) - 重慶軍諜報将校沈悌霞
  • 戦艦大和(1953年、新東宝) - 草鹿連合艦隊参謀長
  • 金さん捕物帖 謎の人形師(1953年、東宝) - 鬼太郎
  • 天晴れ一番手柄 青春銭形平次(1953年、東宝) - 水野越前守
  • 太平洋の鷲(1953年、東宝) - 関根[7]
  • 夜の終り(1953年、東宝) - 老刑事大久保
  • すっ飛び千両旅(1953年、新東宝) - 秀五郎親分
  • 一等女房と三等亭主(1953年、新東宝) - 馬並社長
  • 初笑い寛永御前試合(1953年、新東宝) - 父三十郎
  • 夕立勘五郎(1953年、東宝) - 花屋金兵衛
  • 鯉名の銀平(1954年、東宝) - 同心蒲田三十郎
  • 花の白虎隊(1954年、大映)
  • 一等マダムと三等旦那(1954年、新東宝) - 押野社長
  • 七人の侍(1954年、東宝) - 豪農家の祖父[1]
  • かくて自由の鐘は鳴る(1954年、東宝) - 叔父
  • 水着の花嫁(1954年、東宝) - 岩村総左衛門
  • 潜水艦ろ号 未だ浮上せず(1954年、新東宝) - 荒川基地隊司令
  • 花の白虎隊(1954年、大映) - 小林九十九
  • たん子たん吉珍道中(1954年、新東宝) - 夜目鳥三太夫
  • 大阪の宿(1954年、新東宝) - 大河原
  • 日本敗れず(1954年、新東宝) - 豊島軍令部総長
  • 泥だらけの青春(1954年、日活
  • ゴジラ(1954年、東宝) - 南海汽船社長[1][2][3]
  • 慈悲心鳥(1954年、新東宝) - 篠原早人
  • 黒い潮(1954年、日活) - 山田老巡査
  • 血槍富士(1955年、東映) - あんま
  • 愛のお荷物(1955年、日活) - 佐久間代議士
  • 森繁の新入社員(1955年、新東宝) - 郡司社長
  • 猿飛佐助(1955年、日活) - 戸沢白雲斎
  • サラリーマン目白三平(1955年、東映) - マツオカ洋品店主
  • 藤十郎の恋(1955年、大映) - 金子吉左衛門
  • 幻の馬(1955年、大映) - 西山
  • 美女決闘(1955年、新東宝) - 本多佐渡守
  • 沙羅の花の峠(1955年、日活) - 庄衛門
  • 青い果実(1955年、東宝) - 室井運平
  • 生きものの記録(1955年、東宝) - 堀
  • お嬢さん女中(1955年、新東宝) - 東都の社長
  • 善太と三平(1955年、教育映画) - 田中の伯父
  • 三人娘シリーズ(東宝)
  • 新・平家物語 義仲をめぐる三人の女(1956年、大映) - 老公家
  • まらそん侍(1956年、大映) - 宇佐美監物
  • 泉(1956年、松竹) - 大沼博士
  • 赤線地帯(1956年、大映) - ミッキーの父親
  • 浅太郎鴉(1956年、大映) - 御室の勘助
  • 人妻椿(1956年、松竹) - 円海和尚
  • てんてん娘(1956年、東宝) - 虎之助
  • 現代の欲望(1956年、東宝) - 頭取
  • 夜の蝶(1957年、大映) - フランソワの客
  • 刀傷未遂(1957年、大映) - 左右田孫兵衛
  • 伴淳・森繁の糞尿譚(1957年、松竹) - 皆田老人
  • 大忠臣蔵(1957年、松竹) - 与市兵衛
  • 二宮尊徳の少年時代(1957年、東映教育) - 万兵衛
  • 爆音と大地(1957年、東映) - 高崎町長
  • 気違い部落(1957年、松竹) - 甚助伯父
  • 暖流(1957年、大映) - 志摩泰英
  • すっ飛び五十三次(1958年、松竹) - 津の国屋与左衛門
  • フランキー・ブーチャンの殴り込み落下傘部隊(1958年、日活) - 基地司令長官
  • 月給13,000円(1958年、松竹) - 下田張吉
  • 銭形平次捕物控 鬼火燈籠(1958年、大映) - 善兵衛
  • 人肌孔雀(1958年、大映) - 跡部源左衛門
  • 七人若衆誕生(1958年、松竹) - 美濃屋作右衛門
  • 夜の素顔(1958年、大映) - 高梨
  • 濡れ髪剣法(1958年、大映) - 小田切但馬守
  • 娘の中の娘(1958年、東映) - 長谷社長
  • おトラさん大繁盛(1958年、東京映画) - 庄左衛門
  • 水戸黄門漫遊記(1958年、大映) - 松原市郎右衛門
  • 隠し砦の三悪人(1958年、東宝) - 橋の関所奉行
  • 都会という港(1958年、大映) - 沢田安之助
  • 続・社長太平記(1959年、東宝) - 白坪
  • おヤエのあんま天国(1959年、日活) - 森園
  • 疑惑の夜(1959年、東映) - 尾崎社長
  • いつか来た道(1959年、大映) - 池田源太郎
  • 電話は夕方に鳴る(1959年、大映) - 保守党幹部A
  • 濡れ髪三度笠(1959年、大映) - 久保寺平左衛門
  • 鳴門の花嫁(1959年、大映) - 阿部伊勢守
  • 青春蛮歌(1959年、日活) - 加納前校長
  • 暁の地平線(1959年、松竹) - 花火問屋の隠居
  • 忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻(1959年、東映) - 四方庵宗遍
  • 天下の大泥棒 白浪五人男(1960年、東宝) - 茶店の老人
  • セクシー・サイン 好き好き好き(1960年、大映) - 花島社長
  • 太郎シリーズ(東映)
    • 天下の快男児 万年太郎(1960年) - 社長
    • 天下の快男児 旋風太郎(1961年) - 加納信五郎
  • 非情都市(1960年、東宝) - 久我重役
  • 次郎物語(1960年、松竹) - 正木の祖父
  • 白い崖(1960年、東映) - 石山重役
  • 番頭はんと丁稚どん(1960年、松竹) - 岩田老人
  • 暴れん坊シリーズ(日活) - 一本槍鬼左衛門
    • 東京の暴れん坊(1960年)
    • でかんしょ風来坊(1961年)
    • 夢がいっぱい暴れん坊(1962年)
    • 銀座の次郎長(1963年)
    • 銀座の次郎長 天下の一大事(1963年)
  • 大いなる驀進(1960年、東映) - 炭坑主吉田
  • わんぱく公子(1960年、大映) - 森尾孫太夫
  • かげろう侍(1961年、大映) - 弥兵衛
  • 好人好日(1961年、松竹) - 作平
  • B・G物語 二十才の設計(1961年、東宝) - 大道老人
  • 黒い画集 寒流(1961年、東宝) - 安井銀行頭取
  • 椿三十郎(1962年、東宝) - 里藤家三太夫
  • 青年の椅子(1962年、日活) - 矢部社長
  • 二人で歩いた幾春秋(1962年、松竹) - 義男の父
  • サラリーマン物語 大器晩成(1963年、日活) - 星社長
  • 武士道残酷物語(1963年、東映) - 木原重役
  • 真田風雲録(1963年、東映) - 大野道犬
  • がらくた(1964年、東宝) - 黄旗屋庄左衛門
  • にっぽんぱらだいす(1964年、松竹) - 酒屋の隠居

テレビドラマ

[編集]
  • ナショナル ゴールデン・アワー / てんてん娘(1956年 - 1957年、KRT
  • 山一名作劇場 / 息子の縁談(1957年、NTV
  • 源氏鶏太シリーズ / 随行さん(1958年、KR
  • お好み日曜座 / 華やかな夜景(1958年、NHK
  • ヤシカゴールデン劇場(NTV)
    • 釣忍(1959年)
    • 花嫁の日(1959年)
  • のり平ジョークボックス 第11話「葡萄畑の侵入者」(1959年、CX
  • 私だけが知っている(NHK)
    • 二つの真相(1959年)
    • 脱走者 探偵局初之黒星(1960年)
  • 人生うらおもて 第1回「臨時昇給」(1960年、NTV)
  • 夫婦百景(NTV)
    • 第124回「夫婦絶景」(1960年)
    • 第224回「女房怪談」(1962年)
  • プリンス劇場・愛のシグナル / 大臣の洋傘(1960年、CX)
  • 日立劇場 / 哀れな兎たち(1960年、TBS)
  • ゴールデン劇場 / 竹之丞しぐれ(1960年、NTV)
  • テレビ指定席(NHK)
    • 帽子(1961年)
    • 星に行った女(1962年)
  • 人生の四季(NTV)
    • 第32回「あべこべ」(1962年)
    • 第45回「大財閥」(1962年)
  • テレビ劇場 / 二度目の青春(1962年、NHK)
  • お気に召すまま 第10話「セールスの秘訣」(1962年、NET
  • 東芝日曜劇場 第308回「煙の王様」(1962年、TBS)
  • 夫の居ぬ間 第15回「妻の戦略」(1962年、CX)
  • 浪曲ドラマ / 盤嶽の一生(1963年、NHK)
  • コメディフランキーズ 第12回「ギャング王カポネ」(1963年、TBS)
  • 判決 第61話「赤い実」(1963年、NET)
  • 日産スター劇場(NTV)
    • ツキが変わった(1964年)
    • きつね馬(1964年)
    • 幕末笑談 文明爆裂弾(1964年)

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i 東宝特撮映画全史 1983, p. 528, 「怪獣・SF映画俳優名鑑」
  2. ^ a b ゴジラ大百科 1993, p. 116, 構成・文 岩田雅幸「決定保存版 怪獣映画の名優名鑑」
  3. ^ a b c 野村宏平、冬門稔弐「12月1日」『ゴジラ365日』洋泉社映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、346頁。ISBN 978-4-8003-1074-3 
  4. ^ a b c d e 『日本映画俳優全集・男優編』、キネマ旬報社、1979年、p.121
  5. ^ 小川 虎之助」『新撰 芸能人物事典 明治〜平成』https://kotobank.jp/word/%E5%B0%8F%E5%B7%9D%20%E8%99%8E%E4%B9%8B%E5%8A%A9コトバンクより2022年2月7日閲覧 
  6. ^ 『演劇年鑑』、二松堂書店、1968年、p.159
  7. ^ 東宝特撮映画全史 1983, p. 535, 「主要特撮作品配役リスト」

参考文献

[編集]
  • 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5 
  • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日。 

外部リンク

[編集]