南国太平記
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『南国太平記』(なんごくたいへいき)は、1930年(昭和5年)6月12日から1931年(昭和6年)10月17日まで「東京日日」「大阪毎日」に発表された直木三十五の小説(挿絵は石井鶴三)、および本作を原作とした映画作品である。幕末の薩摩藩における内紛(お由羅騒動)を題材としている[1]。小説は大ヒットし、直木の月収は1000円を超えたとされている[2]。
ビブリオグラフィ
[編集]- 『南国太平記』前・中、誠文堂、後、番町書房、1931年
- 『南国太平記』前・中・後、春陽堂(日本小説文庫)、1932年
- 『南国太平記』、「書下し全集 第8巻」所収、改造社、1933年
- 『南国太平記』1-5巻、春陽堂書店(春陽文庫)、1953年
- 『南国太平記』上・下、同光社、1955年
- 『南国太平記』上・中・下、新潮文庫、1960年
- 『南国太平記』、廣済堂出版、1974年
- 『南国太平記』、河出書房新社、1979年
- 『南国太平記』、上・下、角川文庫、1979年
- 『南国太平記』、ノーベル書房、1980年
- 『南国太平記』、「直木三十五作品集」所収、文藝春秋、1989年 ISBN 4163107908
- 『南国太平記』上・下、講談社文庫「大衆文学館」所収、講談社、1997年 上 ISBN 406262074X、下 ISBN 4062620782
フィルモグラフィ
[編集]本作を原作に生前、没後を含めて10本の映画がつくられた。直木原作の映画全体の20%を占める。最初の映画化は1931年で、松竹下加茂撮影所作品と東亜キネマ京都撮影所作品が1月10日に同日封切りされるという異常な人気を示した。同年内に5本の『南国太平記』シリーズが競作された。没後の5本を含め、全10作がすべて京都の撮影所で製作されている。
- 松竹下加茂撮影所 - 1931年
- 東亜キネマ京都撮影所 - 1931年
- J.Oスタヂオ - 1937年
- 南国太平記 監督並木鏡太郎、脚本三村伸太郎、撮影玉川正夫・安本淳、演出補助今井正、音楽深井史郎、主題歌伊藤久男・豆千代、プロデューサー池永和央・押山保明・井上正之、主演大河内伝次郎、黒川弥太郎、花井蘭子、櫻町公子、汐見洋、上田吉二郎、進藤英太郎、鬼頭善一郎
- 東映京都撮影所 - 1954年
- 南国太平記 監督渡辺邦男、脚本高岩肇、撮影渡辺孝、主演片岡千恵蔵、木暮実千代、千原しのぶ、花柳小菊、堀雄二、大友柳太朗
- 続南国太平記 薩南の嵐 監督渡辺邦男、脚本高岩肇、撮影渡辺孝、主演片岡千恵蔵、木暮実千代、千原しのぶ、花柳小菊、堀雄二、薄田研二、大友柳太朗
- 東映京都撮影所 - 1960年
- 南国太平記 比叡の血煙り 監督秋元隆太、脚本野上龍雄、撮影杉田正二、音楽富永三郎、プロデューサー神戸由美、主演里見浩太郎、伏見扇太郎、花園ひろみ、黒川弥太郎、南郷京之助、中里阿津子
- 南国太平記 薩摩の狼火 監督秋元隆太、脚本野上龍雄、撮影杉田正二、音楽富永三郎、プロデューサー神戸由美、主演里見浩太郎、伏見扇太郎、花園ひろみ、黒川弥太郎、南郷京之助、喜多川千鶴
- テレビドラマ - 1979〜1980年に『風の隼人』のタイトルでNHK総合テレビで放映された。
→詳細は「風の隼人」を参照
脚注
[編集]- ^ 北上次郎 (2018年1月23日). “「直木賞」の産みの親が86年前に上梓した、とびきり面白い時代エンタテインメント!『南国太平記』”. カドブン. KADOKAWA. 2023年6月17日閲覧。
- ^ 抜群の執筆力、代表作「南国太平記」『中外商業新報』昭和9年9月25日(『昭和ニュース事典第4巻 昭和8年-昭和9年』本編p484 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
関連作品
[編集]外部リンク
[編集]- 南国太平記 - 青空文庫
- 第三百六十四夜『南国太平記』上・下 - 「松岡正剛の千夜千冊」
- Nangoku taiheiki - IMDb
- 直木三十五記念館