チミケップ湖
チミケップ湖 | |
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所在地 |
日本 北海道津別町 |
位置 | 北緯43度38分12秒 東経143度52分33秒 / 北緯43.63667度 東経143.87583度座標: 北緯43度38分12秒 東経143度52分33秒 / 北緯43.63667度 東経143.87583度 |
面積 | 1.05[1] km2 |
周囲長 | 7.5 km |
最大水深 | 21.3 m |
平均水深 | 12.2 m |
貯水量 | 0.0143 km3 |
水面の標高 | 290 m |
成因 | 堰止湖 |
淡水・汽水 | 淡水 |
湖沼型 | 貧~中栄養湖 |
透明度 | 3.1 m |
プロジェクト 地形 |
チミケップ湖(チミケップこ)は、北海道東部、オホーツク管内網走郡津別町字沼沢にある湖である。
地理
[編集]約一万年前に地殻変動による崖崩れで谷がせき止められてできたと考えられている堰止湖。湖水は弱アルカリ性で、ヒメマスやウグイ、マリモ等が生息している。
湖周辺は自然歩道が整備されており、湖北東岸には町営キャンプ場、東岸には湖周辺唯一の宿泊施設であるチミケップホテルがある。南岸の端から200 m下流のチミケップ川には7段の岩床の上を流れ落ちる「鹿鳴(ろくめい)の滝」がある。
- 流入河川:オンネトシュ別川(弁天沢)、芦の沢、ヤマメの沢川(うぐいの沢)、オビオメの川(おびらめの沢)、こいの沢、鴨の沢、中の沢、小沢、入り江の沢、滝ノ沢[2]
- 流出河川:チミケップ川
生物
[編集]チミケップ湖は阿寒湖と共にヒメマスの原産地である。この二つの湖のヒメマスが支笏湖や十和田湖などに放流されて自生している。現在、原種のヒメマスではなく、支笏湖などからもってきて放流したヒメマスのみが生息しているといわれている。この、チミケップをヒメマス原産地とする説は明治時代のアイヌ上野啓吉の伝えによるが、これを疑い、むしろ啓吉自身が明治30年(1897年)前後に阿寒湖からチミケップに移入したのが事実ではないかとする説もある[3]。
名称の由来
[編集]「チミケップ」の名称はアイヌ語に由来し、原義不詳とする説もあるが[5]、アイヌ語研究者の永田方正は「山水の崖を破りて流下する処。チミは分る意」と解釈した[5][6]。
これについてアイヌ語研究者の山田秀三は「強いて読めば」と前置きしたうえで、永田が「チミケプ(cimi-ke-p)」(分ける・削る・もの〔川〕)と解釈したのではないかとして[6][5]、本湖から流出するチミケップ川上流の峡谷の姿を表した解だろうと考えている[6]。
交通
[編集]航空機は女満別空港、鉄道はJR石北本線・北見駅が最寄りとなる。
湖畔と周辺市町は北海道道494号訓子府津別線、北海道道682号二又北見線により結ばれている。湖周辺の道路は未舗装。道幅が狭く、路肩が弱いので注意が必要。冬季は開成峠(北海道道27号北見津別線)方面を除き通行止めとなる。
津別町中心部から北海道道27号を経て北見市へ向かう北海道北見バスの開成・津別線(旧・津別町営バス開成線)が「チミケップ入口」停留所を設置しているが、約7 km離れているため交通アクセスとしては機能していない。
脚注
[編集]- ^ 国土地理院 (2015年3月6日). “平成26年全国都道府県市区町村別面積調 湖沼面積” (PDF). 2015年3月8日閲覧。
- ^ チミケップ川を起点にした時計回り順。オンネトシュ別川、ヤマメの沢川、オビオメの川は、国土地理院2万5千分の1地図「ウォッちず」(2014年2月11日閲覧)による。弁天沢、芦の沢、うぐいの沢、おびらめの沢、こいの沢、鴨の沢、中の沢、小沢、入り江の沢、滝ノ沢は、黒萩尚「ヒメマスの謎を探る チミケップ湖」47頁の図による。
- ^ 黒萩尚「ヒメマスの謎を探る チミケップ湖」。
- ^ 黒萩尚「ヒメマスの謎を探る チミケップ湖」。49頁。
- ^ a b c 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、212頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- ^ a b c “アイヌ語地名リスト セッ~ツキガ P71”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月19日閲覧。
参考文献
[編集]- 黒萩尚「ヒメマスの謎を探る チミケップ湖」、『日本の湖沼と渓谷』第1巻(北海道 I)、ぎょうせい、1987年。