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カルビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カルビ
骨付きの牛カルビ焼肉
各種表記
ハングル 갈비
漢字 乫飛 (音借)
発音
RR式 galbi
MR式 kalpi
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カルビ(갈비)は、韓国語肋骨(あばら)を意味する言葉。朝鮮料理では、あばらの周辺に付いている肉、つまりばら肉のことを言う。多くの場合牛ばら肉焼肉を指すが、の焼肉もカルビと呼ぶことがある。

概要

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韓国では、一般にカルビと言えば牛ばら肉(ソガルビ)を指す。骨付きカルビもあるが、BSE問題以降は減っている。肉自体はカルビ肉(カルビサル、갈비살)と言う。1頭の肉牛から約40キロのカルビ肉が取れ、赤身そのものは硬いが細かく入った脂肪分が多いために全体として柔らかく、うま味に富む。

焼肉(カルビグイ)が高級外食とされ、専門店も多く韓国以外の国でも人気がある。そのほか、カルビタン(スープ)、カルビチム(煮物)などに調理される。特上の肩ばら肉である三角バラ(チャックリブ、英語: chuck rib)はチョッカルビ척갈비)と呼ばれる。

焼肉に使われるカルビは包丁を入れて切り開き、端に骨を付けた帯状(写真参照)に整形されることが多い[独自研究?]。また近年は[いつ?]、骨ごとスライスした手軽なLAカルビも増えている。このLAは「Lateral Axis」の略で、骨と垂直に切ることに由来すると言われている[誰によって?]

一方で、豚ばら肉テジガルビ돼지갈비)の焼肉がある。豚ばら肉のジューシーなうま味が味わえ、金額的にも牛カルビに比べると格安で、実際にはこちらの方がポピュラーである。調理法によってはサムギョプサル(「三枚肉」の意)となる。

また、鶏肉(タッコギ、닭고기)を野菜トックとともにピリ辛のソースで炒めたものをタッカルビ닭갈비)、(コドゥンオ、고등어)の開き(干物)を焼いたものをコガルビ고갈비)などと称する。これらは、鶏や鯖の「ばら肉」を意味する言葉ではない。

日本食肉小売品質基準では、「カルビ」がどこの部位を指すかは規定されておらず、飲食店ではあくまでメニュー名として使われている。その為、ばら肉以外の脂が多い部位を「カルビ」として表示する店も存在する。同様に、「上カルビ」「特上カルビ」などのメニュー名も特に基準は定められておらず、焼肉店の判断により独自の表記が用いられている。[1]

料理

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カルビグイ

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牛カルビの焼肉には、ヤンニョムに漬け込んで下味を付けてから焼くヤンニョムカルビ양념갈비)と、下味を付けずに焼くセンガルビ(生ガルビ、생갈비)がある。

ヤンニョムは醤油砂糖ごま油などを混ぜた甘味の合わせ調味料で、風味付け目的や肉を柔らかくする目的で果汁を加えることがある。肉は漬ける前に包丁を入れ、端に骨を付けた帯状に整形されていることが多く[独自研究?]、これをテーブルの焜炉七輪で網焼きしながら切り分け、好みでニンニク・青唐辛子などの薬味と共に、サンチュなどの葉菜に包んで食べる。

センガルビは、焼いた後にコショウなどで味を整えながら食べる。専門店には炭火焼き(スップル、숯불)を売り物にするところも多く[独自研究?]、それ以外にも鉄板で焼いたりキッチンで調理して焼き上がりを提供するなど形態はさまざまである。

テジガルビ(デジカルビ)

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一般にテジガルビ(デジカルビ)と言えば、ヤンニョムタレに漬け込んだ豚ばら肉、それを焼いたものである[2]。基本的なレシピや食べ方はソガルビと変わらないが、牛肉と違ってよく焼く必要がある。バリエーションとしてコチュジャンベースのヤンニョムを用いた「メウン(辛い)テジガルビ」がある。

サムギョプサルは基本的に下味を付けない豚ばら肉の焼肉で、こちらも韓国では大変ポピュラーである。

トッカルビ

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餅カルビ떡갈비)を意味する。カルビ肉を骨から外して叩き、粗いミンチ状にしたものに醤油・砂糖・おろしニンニクなど調味料を混ぜ、ハンバーグのように整形して焼く。一般的に牛カルビで作るが、豚で作ることもある。もともとは全羅南道の郷土料理で、専門店も多い。

歴史

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カルビという語は、下腹を意味するモンゴル語 (харвин / kharbin) の借用と見られるが、最初の用例が現れるのは朝鮮時代に入ってからである。

『朝鮮時代の本では「乫飛」という漢字で書かれていて、丁若鏞の『雅言覚非』では「曷非」と記録されている[3]。またカルビグイの調理法は、高句麗貊炙(メッチョク)、高麗雪夜炙(ソリャミョク)が変化したものだとされている[3]。』

という説もあるが、『曷非』は肉の部位のカルビの事ではない。

『雅言覚非[4]』では『曷非』の説明があり、「凡そ生あるものは、気によって声を発し、口の形によって音が異なる。この音声の違いを区別して記すことを、曷非という。」「清音、濁音、半濁音、および曷非は、朝鮮語の音韻体系を構成する基本的な要素である。」と説明されている。李基文『韓國語史』(一志社)内の「中世朝鮮語の音韻体系」では、「曷非」を「有声破擦音と摩擦音の総称」と定義し、古朝鮮語における音韻体系の中で重要な役割を果たす音素であると説明している。また『貊炙』という料理は『三国史記』に出てくるが、高句麗人が肉を焼いて食べる料理と記述であり、具体的な肉の種類や調理法は不明でカルビとは分からない内容である。『雪夜炙』という料理は『高麗史』に出てくるが、内容は雪の降る夜に肉を焼いて食べる風習に関する記述であり、具体的な肉の種類や調理法は不明。 肉を焼くという点で共通点があるが、カルビと同一の料理であるかは断定できない。

脚注

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出典

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  1. ^ 焼肉の定番・カルビ “部位名じゃない”って知ってた? 焼肉協会「そもそも部位として存在していない」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス”. jocr.jp. 2024年6月3日閲覧。
  2. ^ ドルチェポルコ 厚切りデジカルビ”. 焼肉きんぐ (2020年11月2日). 2021年10月28日閲覧。 “ドルチェポルコ 厚切りデジカルビ 旨味の濃いドルチェポルコを贅沢に厚切りにしました。旨辛のヤンニョムだれがさらに美味しさを引き立てます。”
  3. ^ a b 이성규、「水原カルビの歴史性に関する研究」、京畿大学院、2003年
  4. ^ 丁, 若鏞 (1912) (英語). 雅言覺非. 朝鮮光文會. https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA54014727?l=en 

関連項目

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外部リンク

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