コンテンツにスキップ

わが母の記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

わが母の記』(わがははのき)は、井上靖作の日本の小説。また、それを原作とした2012年公開の日本映画

概要

[編集]

昭和の文豪である井上靖が68歳の時に出版した自伝的小説。老いた母の80歳から亡くなる89歳について書かれた「花の下」(1964年)、「月の光」(1969年)、「雪の面」(1974年)の3部作となっている。

しろばんば』などに描かれている5歳の時から8年間、伊豆の山奥の土蔵で彼を育てた曽祖父の妾で小説家の伊上洪作(いがみこうさく)とは血の繋がらない「おぬいばあさん」(実在の名は「おかの」)との生活について、自分は捨てられたのではないかという疑問があった。ある朝、おぬいに息子を奪われたという母親・八重の言葉に感情を抑えられなくなった伊上は、初めて母と対決しようと「息子さんを郷里に置き去りにしたんですよね」と問いつめる。しかし、八重の口からこぼれたのは、伊上が想像もしなかったある「想い」だった。

2012年原田眞人監督、役所広司主演で映画化された。

書誌情報

[編集]

映画

[編集]
わが母の記
Chronicle of My Mother
監督 原田眞人
脚本 原田眞人
原作 井上靖
製作総指揮 石塚慶生
出演者 役所広司
樹木希林
宮﨑あおい
ミムラ
南果歩
キムラ緑子
真野恵里菜
音楽 富貴晴美
撮影 芦澤明子
編集 原田遊人
制作会社 ピーズ・インターナショナル
製作会社 「わが母の記」製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2012年4月28日
上映時間 118分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 2.8億円 [1]
興行収入 13.3億円[2]
テンプレートを表示

映画『わが母の記』(英題:Chronicle of My Mother)は、2012年に公開された。監督は原田眞人、主演は役所広司樹木希林。第35回モントリオール世界映画祭審査員特別グランプリ受賞。

キャッチコピーは「たとえ忘れてしまっても、きっと愛だけが残る。

井上靖の育った地である伊豆市や沼津市にて、地元の全面支援体制でロケ撮影が行われ、実際に東京都世田谷区にある井上の自邸でも行われた[3]

全国223スクリーンで公開され、2012年4月28、29日の初日2日間で興収1億1859万9200円、動員10万8720人となり、映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第5位となった[4]

キャスト

[編集]

スタッフ

[編集]

受賞歴

[編集]
  • 第35回モントリオール世界映画祭 審査員特別グランプリ
  • 第16回釜山国際映画祭 クロージング作品
  • 第47回シカゴ映画祭 コンベンション部門
  • 第31回ハワイ映画祭 Spotlight on Japan部門
  • 第42回インド映画祭 Kaleidoscope部門
  • 第23回パームスプリングス国際映画祭 Modern Masters部門
  • 第4回TAMA映画賞
    • 最優秀男優賞(役所広司)
    • 最優秀女優賞(樹木希林、宮崎あおい)
  • 第67回毎日映画コンクール 撮影賞 - 芦澤明子[5]
  • 第25回日刊スポーツ映画大賞 - 助演女優賞(樹木希林)
  • 第36回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞(樹木希林)
    • 優秀作品賞、優秀監督賞(原田眞人)、優秀脚本賞(原田眞人)、優秀主演男優賞(役所広司)、優秀助演女優賞(宮崎あおい)、優秀音楽賞(富貴晴美)、優秀撮影賞(芦澤明子)、優秀照明賞(永田英則)、優秀美術賞(山崎秀満)、優秀録音賞(松本昇和(録音)/矢野正人(整音))、優秀編集賞(原田遊人)
  • 2012度全国映連賞
    • 作品賞
    • 男優賞:役所広司
    • 特別賞:芦澤明子(撮影)

関連作品

[編集]

出典

[編集]

外部リンク

[編集]