2024年11月28日午前9時30分より、東京都豊島区駒込の駒込平和教会にて、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)医療局長の清田明宏(せいた あきひろ)氏の緊急講演会が開催された。
清田氏は、講演の冒頭、「UNRWA」の活動について、次のように説明した。
「私の仕事は、『パレスチナ難民救済事業機関』と言って、パレスチナ難民を支援する国連の団体で、活動しているのは、ヨルダン、レバノン、シリア、そしてガザと、東エルサレムを含むヨルダン川西岸なんです。
私の仕事は保健で、『UNRWA』っていうのは、約600万人いるパレスチナ難民と、その5つの地域で保健を…、うちは大体140ぐらいクリニックがあって、それを大体3000人の職員で動かしています。毎年、大体の外来件数が700から800万件あって、すごく多いんですよ」
- 1年で800万件の診療数。UNRWAの保健クリニックをご紹介します。(UNRWA、2023.4.13)
「それで、患者さんの多く、一番重篤な人というか、大事な人は、糖尿病とか高血圧が多くて、それはたぶん、日本でも、世界中で同じだと思うんですけれども、やはり、貧しい人は糖尿病、高血圧になりやすい。栄養のバランスが取れないし、運動もできないし、ということですね。(中略)
去年の10月7日の戦闘が始まって以来、ほぼ私は、ガザにかかりきりで、本当に、非常に大きな戦闘行為が続いていて、本当に『人災』であって、未曾有の人道危機なんですね。(中略)
これは、完全に『人災』であって、起こる必要のないことが起こって、死ぬ必要のない人が亡くなって、壊される必要のないビルが壊され、ガザは本当にひどくてですね。
今年は、今までで3回(ガザへ)行ったんですね。一番最初が3月ぐらいに、次に、7月、8月に行って、で、その次に、9月にポリオの予防接種で行って、そこで色々見たんですけども、とにかく、(戦闘が)始まって以来、どんどん、どんどん、悪くなっていて、昨日より今日のほうが悪い、今日より明日のほうが悪いという『悪循環』がずっと続いていています。
私が知っているガザはですね、もう、まったくありません」。
また、清田氏は、ガザの現状について、次のようにも語った。
「ガザというのは、本当にもう崩壊している町が非常に多くて、僕は10年ちょっといますけれども、基本的に保健をやっていて、私の知り合いで『人道支援』をやっている人は、本当にいっぱいいるんですね。
例えば、アフガンに行ったり、イエメンに行ったり、シリアへ行ったり、ウクライナに行ったり、そういうことをやっている人が非常に多いのですけれども。
そういう人達全員が言うのが、『こんな人道危機は見たことがない』、『ガザの人道危機は、本当に今までにどこでも起こっていない』と。
私も、そうだろうなと思います。
それから、これほど失敗している『協力』も、今までないと思うんですね」。
清田氏は、この講演の後、超党派人道外交議員連盟の臨時総会、そして、日本記者クラブ主催の記者会見に参加・登壇し、動画などを使って、ガザの厳しい情勢について訴えた。
詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。