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【全文公開】細川・羽田・村山・鳩山・菅元総理が安倍総理に苦言「あまりにも唯我独尊」――法案の「廃案」、総理「辞職」をも求めた5人の提言 2015.8.11

記事公開日:2015.8.12取材地: テキスト動画
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(ぎぎまき)

 歴代の首相5人から安倍首相宛に提言が届いた。5人一様に安全保障関連法案の成立を急ぐ安倍首相に「待った」をかけた。  12人の歴代首相に安倍総理への提言を要請してきたマスコミOBの会が2015年8月11日、記者会見を開き、5人の歴代首相から受け取った安倍首相へのメッセージを公開した。

■全編動画

  • 日時 2015年8月11日(火) 14:00~
  • 場所 日本プレスセンター(東京都千代田区)
  • 主催 桂敬一(マスコミ九条の会呼びかけ人)、ほか

細川護熙氏「余りにも唯我独尊」

▲細川護熙氏

 「このまま違憲の疑いの強い安保法制を成立させるなら、すべての法律、すべての統治は憲法によって律せられるという立憲主義は、わが国では崩壊してしまうだろう」  先の都知事選で、小泉純一郎元総理とタッグを組んだことが記憶に新しい細川護熙氏。A4の用紙3枚を使って安保法案の内容や手続き上の問題、運用上の欠陥にいたる問題点を秩序立てて説明し、安倍総理に法案の廃案を求めた。  細川氏が最大の問題として挙げたのは、手続き上の問題点である。安倍総理の閣議決定による「解釈改憲」は、立憲主義に対する「畏怖の念」の欠如だと批判。自分の考えに従わせる内閣法制局の長官人事や憲法学者の違憲論の無視、集団的自衛権行使容認の論拠として砂川判決をもってきたのはすべて「牽強付会」と断じた。  細川氏は法案の内容と手続きの点から、法案の「廃案」を求めた。

村山富市氏「国民の声を甘く見てはいけない」

▲村山富市氏

 「国民の声も無視して力で押し通し、法案さえ通れば最後は世論もおさまると甘く見ているが、こうした国民軽視の姿勢は許せない。国民の声や意見を甘く見てはいけない」  国会周辺で行われる安保法案反対の抗議集会に、直接足を運んだこともある村山富市元総理。炎天下の中、法案に反対するデモで、若者や子連れ、車いすで参加する老人などについて触れながら、国民を軽視する安倍総理の姿勢を「許せない」と叱りつけた。  村山氏は提言の中で、法案に反対する世論に向けてもエールを送り、「来年(2016年)の参議院選挙から衆議院の解散総選挙まで展望して勝負をすることが必要。あきらめてはいけない」と付け加えた。


鳩山友紀夫氏「アメリカに媚びを売る集団的自衛権の行使は反対です」

▲鳩山友紀夫氏

 「辺野古は無理です」  鳩山友紀夫元総理は、普天間飛行場の辺野古移設について、安倍総理に、米政府との再検討を求めた。  「これ以上強行されると、沖縄の人びととの間に流血の惨事が起きかねません。この件では、私が大きな責任を有していますし、辺野古に決めてしまったことを沖縄県民にお詫びします。ただ、翁長知事を筆頭に沖縄のみなさんは覚悟を決めておられます。辺野古は無理です」  鳩山氏はさらに、「アメリカに媚びを売るような形で集団的自衛権を行使することは反対」と、米国政府に言いなりの安倍政権の姿勢を批判。法案が成立すれば、米国が主導する戦争に「唯々諾々と参加せざるを得なくなることは明らかだ」と指摘し、それでも行使すると言うのなら、「憲法改正を堂々と行なってからだ」と続けた。  細川、鳩山両氏はともに、テレビ番組での火事の模型を使った安倍総理の説明を厳しく批判。集団的自衛権が必要なケースとして安倍総理があげたホルムズ海峡での機雷撤去や、米艦による日本人輸送についても、内容の矛盾を指摘し、安倍総理の詭弁を追及している。


菅直人氏「直ちに辞任を」

▲菅直人氏

 「国民や日本の将来よりも、亡くなった祖父の思いを優先するのは、立憲主義に反し、民主主義国の総理としての資格はない」  菅直人元総理は、安倍総理が祖父の岸信介元総理が果たせなかった憲法改正を実現することが、「自分の使命と思い込んでいる」と批判。国民や国の将来よりも自分の思いを優先するのは立憲主義を踏み外しているとし、直ちに辞職を求めた。


 マスコミOBの会は12名の歴代総理に提言を要請したが、中曽根康弘氏、海部俊樹氏、森喜朗氏、小泉純一郎氏、福田康夫氏、麻生太郎氏、野田佳彦氏からは返答がなかったという。この日公開された5人の提言は、11日中に安倍総理宛に郵送される予定だ。

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