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法の施行で「フリーランスが根絶やしにされる」危険性 ~秘密保護法違憲訴訟 第一回口頭弁論 2014.6.25

記事公開日:2014.6.25取材地: テキスト動画
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(IWJ・原佑介)

特集 秘密保護法

 「秘密保護法が施行されれば、フリーランスは根絶やしにされてしまうという強い危機感から、我々43名は本訴訟を提起した」――。

 「フリーランス表現者による秘密保護法違憲訴訟」の第1回口頭弁論が6月25日、東京地裁で行われた。フリージャーナリストの寺澤有氏の呼びかけで、43人のジャーナリストやカメラマン、映画監督などが原告となり、特定秘密保護法の施行差し止めを求めたものだ。

  • 日時 2014年6月25日(水)
  • 場所 東京弁護士会(東京都千代田区)

九州電力のやらせメール事件が雲隠れする可能性

 佐賀県在住のジャーナリストである於保清見氏は、「九州電力のやらせメール事件」を引き合いに、意見陳述した。

 「九州電力のやらせメール事件」とは、2011年に経産省主催で開かれ、ケーブルテレビやインターネットで生放送された玄海原発をめぐる住民説明会において、九州電力が会社をあげて市民を装い、原発再稼働に賛成する旨のメールを番組に宛てて送っていた「やらせ事件」である。当時、九電の子会社の社員が日本共産党に内部告発し、これをしんぶん赤旗がスクープした。

 於保氏は、「特定秘密保護法が施行されれば、内部告発者や取材者は、何が特定秘密に該当するかわからなくなり、『内部告発や報道をためらう』という風潮が出てくる。九州電力の『やらせ』のような不正が表面化しにくい社会となってしまう」と訴えた。

特定秘密保護法は国家の存亡に関わる重大な問題

 フリーライターの丸田潔氏は、自身の従兄弟である丸田研一氏の著書『わが祖父 井上成美』(徳間書店 1987.12)の中で、海軍次官だった井上成美が、「今でも悔やまれるのは、共産党を治安維持法で押さえつけたことだ。今のように自由にしておくべきではなかったか。そうすれば戦争は起きなかったのではあるまいか」と語ったという一節を引用した。

 その上で、「結社の自由や言論・表現の自由が失われたときの恐ろしさを思い知り、大きな衝撃を受けた。平和は壊れやすく、為政者が暴走すれば、簡単に失われてしまう」と危機感をあらわし、「言論・表現の自由が失われ、為政者へのチェック機能が失われることは、『知る権利』が失われるだけにとどまらず、国家の存亡に関わる重大な問題だ」と 指摘した。

「適正評価」は社会全体に差別と偏見、分断を持ち込む

 排外主義や人種差別問題を取材しているジャーナリストの安田浩一氏は、特定秘密の取扱者やその家族、同居人などに対して行われる「適性評価制度」の問題点に言及。適性評価制度は、犯歴や病歴、経済状況、国籍、飲酒癖などを調査対象としている。

 安田氏は「特定秘密保護法は『知る権利』に対する侵害が指摘されているが、同時に、守られるべき『プライバシー』や『個人情報』を国家が一方的に収集、侵害することにもなる。警察・公安当局の権限肥大化も危惧される」と懸念を示し、「適性評価対象者が隠しておきたい病歴や犯歴、政治的立場、親族などの国籍情報までもが、周囲に知られてしまう可能性は否定できない。 こうした『適正評価』は、社会全体に差別と偏見、分断を持ち込む。決して容認できない」と主張した。

フリーランスへのアパルトヘイトが深刻化する

 「国境なき記者団」が発表した「自由報道の為に戦った世界のヒーロー100人」に選ばれた寺澤氏は、最後に意見陳述し、役所において、新聞社やテレビ局の記者に比べて、フリーの記者が一方的に差別されている現状を訴えた。

(…会員ページにつづく)

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「法の施行で「フリーランスが根絶やしにされる」危険性 ~秘密保護法違憲訴訟 第一回口頭弁論」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見より) より:

    フリーランス=自由な報道という図式が成り立つ日本の報道の歪さよ。勇気ある原告の皆さんにエールを送ります。

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