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「官僚の官僚による官僚のための法案」 野党7党が秘密保護法「反対」を訴え異例の合同街頭演説会 2013.12.4

記事公開日:2013.12.4取材地: テキスト動画
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(取材・芹沢あんず、記事・佐々木隼也)

特集 秘密保護法

 政府・与党は「特定秘密保護法案」を、今国会会期末である12月6日までになんとか成立させたい構えだ。自民党は明日5日の13時から特別委員会の開催を決定。野党側の質問終了時間16時頃に採決を強行するのでは、との公算が高まっている。

【参議院ネット中継】http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

 そんななか、4日16時30分より有楽町イトシア前で、急遽野党7党による同法案の「慎重審議」を求める合同演説会が行われた。演説に立ったのは民主党、みんなの党、共産党。維新の会、生活の党、社民党、新党改革。与党との修正協議に応じたみんなの党や維新の会も「反対」を訴える、異例の演説会となった。

■全編動画

  • 日時 2013年12月4日(水)16:30~
  • 場所 有楽町イトシア前(東京都千代田区)

 維新の会の小沢鋭仁国対委員長は、「安倍総理は第三者機関を約束した。しかし参議院では答弁をどんどん後退させている。もし今のような不十分な第三者機関のままなら、維新の会は重大な決意で採決に臨む」と意気込んだ。

 維新と同じく与党の修正協議に応じ、衆議院でも(一部の議員を除き)賛成にまわったみんなの党の浅尾慶一郎幹事長は、同日(4日)に急遽開催された埼玉県での地方公聴会について言及。「なぜ埼玉県で開催なのか。国会から近く、すぐ帰れる場所に設定したのがそもそも、与党が強行採決を念頭に入れているからだ」と指摘した。

 そのうえで、「秘密保護法案は今まで日本に無かった法律であり、懸念を持つ国民が多い。そういう時に立法府は何をすべきか。疑問にしっかり答える慎重審議をしなければならない」と訴えた。

民主党・海江田代表「この悪法にストップを」

 続いて演説に立った民主党の海江田万里代表も、同法案のチェック機関の不十分さを批判。「世界中の秘密保護の法律には必ず独立した第三者機関がある」とし、「政府案では最初第三者機関の設立は書かれていなかった。修正を経て安倍総理は、第三者『的』機関を設置すると言い出した。つまり第三者機関『のようなもの』。偽装第三者機関だ」と語気を強めた。

 また海江田氏は「今の法案は官僚の官僚による官僚のための秘密隠しの法案。そこには国民の『知る権利』など欠片もない」としたうえで、「安倍総理による10月15日の国会の所信表明演説では、この法案について一文字も書いていない」と、不意打ちのような与党の進め方を批判した。

共産党・志位和夫委員長「海外で戦争をする国をつくるための法案」

 共産党の志位和夫委員長は、「どの世論調査でも『反対』の声が50%を超えてきている。そして80%が『慎重審議』を求めている」 と紹介したうえで、「この法案は国民主権を犯す。また憲法が保障している基本的人権も侵害される。国民からは何が秘密かも分からない。秘密を漏らすよう教唆した人間も処罰の対象になる。こんな暗黒政治は許す訳にはいかない」と聴衆に訴えた。

 さらに「自民党は何をしてきたか。核兵器を勝手に持ち込む核密約を結んで、それを国民に隠し、『知らぬ存ぜぬ』だった。それを我々が国会で突きつけ、反省はないのかと追及しても反省の『は』の字も言わないのが自民党だ」と、政府の隠蔽体質を批判。この法案は「国民の目と耳と口を塞ぎ、海外で戦争する国をつくるため」と主張した。

生活の党・鈴木克昌幹事長「体を張ってでも止める」

 生活の党の鈴木克昌幹事長は、「この法案で一番喜んでいるのは『官僚』。官僚は多くの事を国民に知らせたくない」と、市長や愛知県議会議員を経た、自身の経験をふまえて指摘した。鈴木幹事長は「この法案を廃案にする」としたうえで、「秘密保護法強行成立の先にあるのは、集団的自衛権の行使、そして憲法の改悪だ」と主張した。

社民党・福島みすほ代表「治安維持法が成立する前夜のような緊迫感」

 現在も参議院審議の委員として与党を追及している、社民党の福島みずほ代表は、「この法案は大欠陥の法案だ」と訴えた。

 福島氏は、「イラク戦争で自衛隊が米兵をどれだけ輸送したかを自民党は明らかにせず、民主党になってようやく出てきた。また、ベトナムへの原発輸出について情報を要求しても黒塗り資料のみ。3.11ではSPEEDIの情報をなかなか出さなかった一方、米軍には提供していた」と、これまでも政府が多くの情報を隠してきたことを指摘。そのうえで、「「安倍総理がいくら重要な秘密は開示するといっても、チェックすると言っても誰も信用しない」と不信感を露わにした。

 最後に福島氏は、「いま治安維持法が成立する前夜のような緊迫感を漂っている。軍機保護法も治安維持法も『たいした事ない、大丈夫』と言って成立させた。その結果国民の主権を蹂躙した」と警鐘を鳴らし、「なんとしてでも廃案にする」と覚悟をにじませた。

新党改革・荒井広幸議員「政府のやり方おかしい」

 最後に演説に立った新党改革の荒井広幸議員は、「戦争の過ちを繰り返さないために参議院が生まれた。衆議院では50時間、参議院ではまだ10数時間しか議論されていない」と、参議院での十分な審議の必要性を訴えた。そして、「重要な法案であるからこそ、十分な審議で、不安や疑問や不信感に応えるべきだ」と声を荒らげた。

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