第1章 記憶にない。  第2章 コロ。  第3章 お世話。  第4章 運命。  第5章 優しさ。  第6章 出逢い。

第7章 決断。  第8章 家族。  第9章 ケセラセラ。


紙袋に入ってやってきた子猫の ” ちょんちゃん ” に出逢う少し前。

いつも車で出勤していた私は、その日はなぜか歩いて出かけることにした。
国道134号線沿いに川が流れていて、その川を挟むように
自分の胸ほどの高さのコンクリート壁が続いていた。


何気なく川の反対側を見ると、ひとりの男の人が歩いていた。
しばらくすると、その人は手に持っていたビニー袋を川に投げ捨て足早に去って行った。
川に落ちた袋はもそもそと動き、中から複数の子猫の鳴き声が聞こえてきた。


川は数メートル下を流れていて、降りられるようなつくりではなかった。
袋が端へ流れてくれればなんとか助けることができるかもしれない
その思いだけで、袋に当たらないよういくつも石を投げ落とし、波紋を作った。
それでも袋は止まる事なく流され、そしてゆっくりと沈んでいった。


ほんの数分間の出来事だった。
やり場のない深い悲しみと、どうしようもなく自分の無力さを感じた。


人の愚かさによって短い命を絶たれてしまったあの子達は
どれほどの苦しみを感じただろう。


友達が子猫を紙袋に入れて連れてきた時も、
雨の中ずぶ濡れの子猫に出逢った時も、
私は子猫を助けられなかった時のことを思い出していた。



わら



” わらじ ” との生活が始まり、ほどなくして娘がうまれ、 ” わらじ ” に家族が増えた。


のら猫の体にはだいたいノミがいること。
のら猫のお腹にはだいたい虫がいること。
猫はそのノミや虫で具合が悪くなること。
猫と赤ん坊は仲良しなこと。

” わらじ ” は私にたくさんの経験と幸せを運んでくれた。


それから少しして家族との永遠の別れがあり
私は ” わらじ ” とともに思い出のアパートを出ることになった。




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