2010年 03月 07日
ドクターが追いかけてくる・・・
|
簡単にいうと”移動型TV電話システム”といったところだろうか。遠隔地にいるドクターが介護施設内を巡回するためのシステムだ。このシステムが来場者に話しかけている様子はいくぶん異様ではあったが、実際に体験してみると本当に遠隔先の人と話している気分になれた。
デンマークでも介護領域における従事者不足が問題視されているが(ただ日本と比べ絶対数は多いように思う)おそらくこちらはこうした機器を積極的に導入していくのだろう。介護領域において、日本は、機器の使用に対し感情論(人の温もりがない等)が先に立つが、こちらは高い労務費と労働環境への配慮に対する考え方の違いから、介護機器の導入には抵抗がないように思う。日本と比べ潤沢な福祉財源もその背景の一つだろう。その分、日本はソーシャルワーカーにかなりの負担がかかっていると聞く。
帰りの車中で担当教官と”介護用自動入浴装置”の話題になったのだが、私が「日本の介護施設の利用者の多くが自動入浴装置の使用を嫌がる。人として扱われていない(食器か、洗濯物か)と感じるらしい」と話すと「入浴というプライベートな時間は、人に介助してもらうんじゃなくて、1人で入りたいんじゃないのかね。だからいいと思う」との意見が返ってきた。現状、自動入浴装置に利用者一人で入るのは難しいのだが、機器に対する捉え方が日本とは異なるように感じた。
因にこちらのタクシーは高級車(特にメルセデス)が非常に多い。聞けば”長時間運転をするから”との単純な答えが返って来た。確かに長時間あの狭い空間での労働を強いられるわけだから、せめて環境はいいものを用意してあげるべきだ。日本のタクシードライバーでも高級車に乗るものもいるが、それ以外の多くは不憫な環境だ。日本はモノ作り大国ではあるが、それを担う労働者の環境に対しては、問題意識が低いように思う。
by isoamu
| 2010-03-07 06:55
| デンマーク