不送致余罪 検察官「脱法」と指摘も 捜査員違和感なく
刑事事件現場、反応に差
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/news-today/news001.html
余罪送検せず処理 警察庁89年通達 刑訴法の原則と矛盾
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050215&j=0022&k=200502156619
窃盗などは余罪が大量にある場合が少なくないので、こうし
た処理がおこなわれてきたようだが、記事によれば「45%」の
事件がこうしたかたちで処理されているとすれば、証拠の認定
もおこなわれないまま、大量に事件が解決したという「統計」
だけが残ることになる。
法律などでは、余罪については送致するよう定められている。
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刑事訴訟法
第二百四十六条 司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法
律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物と
ともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指
定した事件については、この限りでない。
犯罪捜査規範
(余罪の追送致(付))
第197条 事件の送致又は送付後において、当該事件に係る被疑
者につき、余罪のあることを発見したときは、検察官に連絡するとと
もに、速やかにその捜査を行い、これを追送致(付)しなければなら
ない。
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不送致余罪の存在は、明確にこれらの規定に違反する。
ただし、微罪については送致しないでもいいことになっている。
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犯罪捜査規範
(微罪処分ができる場合)
第198条 捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、
かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定さ
れたものについては、送致しないことができる。
(微罪処分の報告)
第199条 前条の規定により送致しない事件については、その処理
年月日、被疑者の氏名、年齢、職業及び住居、罪名並びに犯罪事
実の要旨を1月ごとに一括して、微罪処分事件報告書(別記様式第
16号)により検察官に報告しなければならない。
(微罪処分の際の処置)
第200条 第198条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を
送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。
(1)被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。
(2)親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれ
らの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を
与えて、その請書を徴すること。
(3)被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当
な方法を講ずるよう諭すこと。
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問題は次の規定。上記規範には犯罪処理簿の作成が義務づけら
れているのだ。
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(犯罪事件処理簿)
第201条 事件を送致し、又は送付したときは、長官が定める様式
の犯罪事件処理簿により、その経過を明らかにしておかなければな
らない。
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では、処理された「不送致余罪」はどこに記載されているのであろうか。