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-4th style EB Edition-
[漫画] 要約すると「オタ読者自重しろwwww」かなぁ
 今週のジャンプの感想で「最近えろばっかでヤバくね?」みたいなことを書きましたが、ただ文句を垂れているだけではイチャモンと同レベルの戯言にすぎないので、どうしてそう思ったのか、何がどうヤバいと感じるのかという理由を一応簡単に書いておこうと思います。

 えろが多すぎるとヤバいのではないかと感じる理由は二つありますが、まず第一に、「規範として成立していないから」という点が挙げられます。私は少年漫画の存在意義として、主な読者層である少年や少女に、良いものは良いと、悪いものは悪いと教える機能があると思っています(漫画は所詮娯楽でしかないと考えている人は、そうは思わないかもしれませんけどね)。

 そしてそれはヒーロー性の問題ばかりではなく、礼儀正しさや努力の価値、友情の大切さや強い意志の美しさなど、人として生きる上で大切なことを多々含んでいます。もちろんその中には性教育的な部分もあります。なので、こうまでホイホイと欲望をストレートに吐き出すことが賛美されているような漫画ばかりが掲載されていると、欲望をストレートに吐き出すことは良いことだと子供が学習してしまうのではないかと思えてならないのです。それがまず一点。

 (ちなみに、一応どの漫画でもえろはいけないこととして描かれているから、「欲望をストレートに吐き出すことが賛美されているような漫画」なんてどこにもないだろう、とお思いの方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。えろを売りにした漫画を積極的にどんどん描いている作者や編集部の姿を見せること自体が、すでに「欲望をストレートに吐き出すことを賛美している」のです)

 もちろん思春期が常に異性への興味とともに存在する以上、少年漫画にとってえろは必要不可欠な存在です。しかしその出し方には十分に配慮しなくてはなりません。現状では、作者側にも読者側にも、その辺りに対する配慮があまりに欠けているのではないかと思います。


 そしてもう一つの理由は、「少年漫画を少年読者の手から取り上げて、オタク読者ばかりを相手にする姿勢は良くないから」です。こうまでえろ描写が過剰になった原因として一番大きいのは、そういったえろ描写を描くとオタク読者が簡単に喰らい付いてくるからですが、しかしこうしてオタク読者へ製作内容の重心を傾けると、その分だけ当然子供読者への配慮が失われます。子供読者の楽しめなくなった雑誌は当然徐々に子供読者の数を減らし、読者層の新陳代謝が行なわれなくなって、やがて古い読者を抱えたまま滅びて消え去ることでしょう。それだけは何をおいても避けなくてはなりません。つまり、えろ描写そのものが悪いというより、そういうものばっかり描いて、オタク読者を必要以上に強く意識する姿勢そのものが悪いと言いたいのです。

 まぁ上では少しオーバーに書きましたが、一時期全盛を誇った少年漫画雑誌が現在になって大幅に部数を落としている最大の理由は、まぎれもなく読者の世代交代に失敗したから=新しい子供が漫画を読まなくなってきているからです。読者層の問題は決して馬鹿にできないのです。だからこそ、製作者側も我々オタク読者側も、子供に読ませて楽しんでもらえる少年漫画を、子供に読ませるべき少年漫画というものを常に意識するべき時に来ているのではないかと思います。

 少年漫画をめぐる現状はすでにかなり悪化しています。自分が楽しめればそれで良い、そうでない漫画は全てクソだ……などという自己中心的で暢気なことはもう言っていられないポイントにさしかかっているはずです。このままだと、月ジャンやボンボンだけに留まらず、マジで少年漫画が軒並み滅ぶ瞬間がやってきますよ。他ならぬ私達自身の手で慣れ親しんできた歴史にピリオドを打つ瞬間が、そう遠くない未来に。

 (ちょっと関連:お子様ランチの命題
by hpsuke | 2007-09-24 00:44 | 漫画
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