ボーマス19に参加された皆様、お疲れ様でした。
有言実行、今度こそこのブログの本分の(にしたい)アルバム紹介記事です。
変拍子が縦横無尽に飛び交う、プログレ調ボカロ曲&UTAU曲の第一人者、シメサバツイスターズ。
全京都を震撼させた恐るべきミニアルバム『ひよこEP』から約一年を経てDROPされた、
ジャケットイラストは、1st, 2ndに続いてDeinoさん。
ここ最近は、カニミソPとコラボした「細菌汚染 - Bacterial Contamination -」がヒットしてますね。
↓クロスフェード動画
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……さて。
各曲紹介に入る前に、トラックリストをざっと眺めてみましょう。
01. Imperfect Quarters Pt.1 幕は上がる…静かに
02. Imperfect Quarters Pt.2 Overture1940
03. Imperfect Quarters Pt.3 ダイナモ
04. Imperfect Quarters Pt.4 イルミナ
05. シンデレラルール
06. Roaring Twenties
07. 日常鎖飯事
08. ハーフムーンラビット
09. Imperfect Quarters Pt.5 パントマイムと君主
10. Imperfect Quarters Pt.6 サイレン
11. Imperfect Quarters Pt.7 ライブラ
12. Imperfect Quarters Pt.8 Spirituallow
13. ダブルアンコール
……はい。
なにやら「Imperfect Quarters」なる連作が組み込まれていますね。
おそらくPt.1~8は、これ全体でひとつの楽曲として世に出されたのでしょう。
アルバム全体を通して聴いていても、ここの部分の一体感はかなりのものでした。
それ以外の曲は、すべてニコニコ動画にすでに投稿されている楽曲たち。いわば「シングル曲」のような扱いでしょう。
Imperfectシリーズが一体感を演出しているとすれば、このパートで見えてくるのは豊富な音のバリエーション。
とても雑然とした印象を与えるはずが、かえって曲どうしを一層強く繋げていて、安心してリズムに乗っていられました。
これもひとえに、作者の置いている軸が高いレベルで安定しているためなのでしょう。
では、それぞれの曲を見て行きましょう。
1) Imperfect Quarters Pt.1 幕は上がる…静かに
彼の動画ではお馴染みの、冒頭の「ピコーン!」音。
ここではピアノの澄んだ音で奏でられて、少しずつ近づいてくる音楽が大作への序章を匂わせます。
1分強のインスト曲。
2) Imperfect Quarters Pt.2 Overture1940
Tr.1から連続して再生されるトラック。本格的なイントロダクションとなるインスト曲です。
ピアノの緩やかな導入も束の間、待ち切れないとばかりに炸裂するバンドサウンド。
まさにプログレ!といった、ちょっと暗いかっこよさをにじませるキーボード。
そして変拍子!変拍子!!!のっけから一斉投入される変拍子!!!!!!!
ただの4拍子や6拍子を期待した奴は白目を剥くぜ!!!
孤高のギターソロが導く壮大な序曲は、次曲の冒頭を匂わせて一気に畳み掛けてきます。
3) Imperfect Quarters Pt.3 ダイナモ
Tr.2から切れ目なく再生される、ドスの聴いた骨太ロック。ボーカルはUTAUの重音テト。
バッキバキの重厚なギターと抜け目ないドラムワーク、サビの高く抜けるようなメロディ。
どこをとってもテンションの上がらない箇所がない、考えるな!感じろ!!を地で行く押しの強さが最高に気持ちいい!!!
4) Imperfect Quarters Pt.4 イルミナ
Tr.3から切れ目なく再生される曲。ボーカルは初音ミクAppend。
イントロの静かなピアノバラード調で、「ダイナモ」のハイテンションを一旦冷まし、そしてまたすぐに盛り上げる。
前半部分は、リズムのうねりが心地よい(だいたい)6拍子。ここのコードが本当に気持ちいいんですわ。
そして後半部分はゴリゴリの(だいたい)4拍子。・・・で、ですね。どこかで間違いなく拍子が切り替わってると思うんですが、
これが何度聴いても分からないんです。いつの間にかド迫力の4拍子になってる。あまりに自然な変拍子なんです。凄い。
そして、この流れはここで一旦の締め。このアルバムの第一章は、あれよあれよと言う間に駆け抜けて行ってしまうのでした。
・・・あ、今の「第一章」は僕が便宜上勝手に付けただけで公式ではないです。念のため。以下同様。
5) シンデレラルール
ここからは、シングル曲で固めた「第二章」。ボーカルは重音テト。
この曲は、これまでの硬派な展開から一転、キラキラと星が降るのが見えるような可愛いポップソングです。
とはいっても、変拍子は抑えめだけどバックの音はハードだし、ギターソロもイケてるしで
シメサバ節はしっかり生きています。ここのシメサバもとても活きの良いシメサバです。
実はイトカワPのとってもギャルゲーな名曲「シンデレラスクール」からのインスパイアソングで、
こちらは超正統派なキラキラポップスとなってます(オススメ!)。
本家はGUMI歌唱ですが、こちらは重音テト歌唱。・・・そうなんです、これは重音テトへの愛が形作った作品なんです。
「もっと、ね…欲しいな」「お願い……」等々、ダイナモの重音テトとは同一人物とは思えない
超可愛いあざとい重音テトに全身全霊で萌える、それがこの曲の正統な楽しみ方なのです!!!!!
6) Roaring Twenties
ボーカルは重音テト。10月10日の「テトの日」に発表された楽曲です。
ビートは生ドラムから打ち込みに変貌し、ジャンキーな響きが毒々しいパワーを演出します。
曲名は直訳すれば「吼えろ!20代」といったところでしょうか。
言葉少ない歌詞には、20代を駆け抜けたテトさんならではの力強いメッセージが込められています。
7) 日常鎖飯事
ボーカルは初音ミクAppendとUTAUの雪歌ユフ。現時点での最大のヒット曲です。
ギターを封印した柔らかい音で、曲展開の鍵を握るのはベース。
むしろベースがメインボーカルのように聴こえてくるくらい、あらゆるパートで主導権を握っています。
ベース好きとしてはたまりませんよこれは。
8) ハーフムーンラビット
このアルバムでは珍しく、かなりストレートなギターロック。ボーカルは初音ミク。
とにかく歌詞がかっこいい。意味はよく分からないけど、この曲だけ群を抜いてかっこいいと感じました。
そして炸裂するギターソロは、この曲だけダルビッシュPが弾いています。
魂込めた速弾きをぜひご堪能あれ!!
9) Imperfect Quarters Pt.5 パントマイムと君主
さて、ここから再び例のシリーズに再突入です。
「第三章」の幕開けは、ギターが3本くらい不気味なユニゾンを弾き、空気をガラリと変えてしまいます。
後半からは、エレクトロニカの香りも立つ暗いビートが絡み、否が応でも緊張感を高めてきます。・・・こう、ぞわぞわあっと。
2分半のインスト曲。
10) Imperfect Quarters Pt.6 サイレン
Tr.9から連続して再生されます。ボーカルは雪歌ユフ。
これまでのハイテンション・激しさはなりを潜め、ただただ重く、(だいたい)6拍子のロックバラードを奏でます。
サビ前に(だいたい)4拍子に転換し(ここも何度か聴いただけではどこで変わったか気づけなかったです)、
サビが終わった辺りから少しずつ、少しずつボルテージを上げていく様は圧巻の一言。
11) Imperfect Quarters Pt.7 ライブラ
Tr.10からまったく途切れること無く連続で再生されます。ボーカルはUTAUの波音リツ。
・・・いや、本当にどこで切り替わったんだろうってくらいで、同じ曲かと思ったら違った、って感じでした。
この曲では、第一章の超ヘヴィなギターサウンドが回帰しており、重く美しく響いていきます。
そのまま、アルバムはクライマックスへ。
12) Imperfect Quarters Pt.8 Spirituallow
シリーズ「Imparfect Quarters」を締め括るに相応しい、縦ノリのハイテンション・クサメロ・ハードロック!!!!!
ボーカルも重音テト・初音ミク・雪歌ユフ・波音リツと、これまで出てきた全員が総出演のまさにクライマックス・シーンです。
そしてギターソロではあの曲のメロディがっ。
大サビの美しさ!!!!!鼓動がバスドラ並に連打される開放感!!!!!!!
大舞台は最後の最後までが魅せ所。手を抜く瞬間なんて1ミリもありはしません。
音のひとつひとつを味わい尽くして、カーテンコール。
13) ダブルアンコール
ImperfectなシリーズはTr.12で終わったけど、このアルバムはもう少しだけ続くんだぜ。
ボーカルは初音ミク。アンコールはとてもゴキゲンで軽いノリ、かと思ったらとっても深い事言ってたりします。
さながらTr.12までが映画本編で、Tr.13がエンディング&スタッフロールみたいな感じでしょうか。
拍手喝采、Bravo!!!のコール、あちらこちらから一斉にどわあっと聴こえてくるようです。
大作にどっぷり浸った後、現実に引き戻される感覚にも似ていますね。
幕を閉じた名作に、そして制作者たちの努力に、ひいては自分たち観客に、そしてこの作品を生み出した
すべてのきっかけであるこの世界に。めでたし、めでたし。この嵐は何千、何万回唱えられようと、
もはや止めるすべはないのでしょう。
……
……………総評。
冒頭でも述べましたが、「Imperfect Quarters」シリーズの一体感が半端じゃない。雰囲気も、曲順も。
そして、それ以外の「シングル曲 」パートも含め、全体を通した曲順が完璧なんですね。
とてつもなく練りこまれているのが伝わってきます。
もうひとつの聴きどころは、とても自然な変拍子。無理やり押し込んだわけでも、自己満足で次から次へと
詰め込んだわけでもなく、やりたいときにスッ…と違和感なく忍び込ませるのが本当に上手いのです。
シメサバツイスターズさん自身のお家芸と銘打っているだけあって、その拘りは本物です。
そして、さっきちらっと雰囲気について触れましたが、アルバム全体の雰囲気もかなり統一されているのが分かります。
ジャンルははっきり言ってバラバラです。プログレ風味のロックやメタルだけでなく、エモさも感じ取れるギターロックや、
すこしジャズが入った小洒落たナンバー、果てにはギターすら使わない曲まで。
それでも散漫にならない、させないだけのスキルを持っているPは、ボカロ界隈広しとは言えそこまで多くはないでしょう。
そうそう、そのギターを使わない曲、具体的にはTr.7「日常鎖飯事」なんですが、ギターあるいはギターに類似した音を
一切用いていないにも関わらず、どこかしらロックな香りを感じるんですよね。
これは一体どこから来るんだろう・・・。まだまだ聴き込む余地がたくさんありそうです。
……困ったことに。
音。音質。歌の質。演奏の質。歌詞の質。再生時間。アルバム構成。
そのどれをとっても、これといった不満が見当たらないんです。
こ、これもまだ聴き込みが足りないということなのかっ。
シメサバさんのCDは、これまで2ndと「ひよこEP」を聴いて来ましたが、(1stは存在を知った時には既に完売でした。。)
この3rd「Progrematica」が全体の完成度で群を抜いていました。
名盤の誕生にリアルタイムで出逢えたことを、心から誇りに思います。
……最後になりましたが。
委託販売はとらのあなで行われているそうですので、お求めの方は下記リンクを、こう、ポチッとな。
それと、3月下旬に京都で開催される「VOCALOID PARADISE 関西」でも頒布されるそうなので、
そちらで作者さんから直接ゲットするのも手ですぞ。
値段に見合った、いやむしろそれ以上の手応えを得られることは、少なくともこの私が保証いたします。ぞ。
【とらのあなWebSite】Progrematica
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/02/48/040030024898.html
……
……………総評。
冒頭でも述べましたが、「Imperfect Quarters」シリーズの一体感が半端じゃない。雰囲気も、曲順も。
そして、それ以外の「シングル曲 」パートも含め、全体を通した曲順が完璧なんですね。
とてつもなく練りこまれているのが伝わってきます。
もうひとつの聴きどころは、とても自然な変拍子。無理やり押し込んだわけでも、自己満足で次から次へと
詰め込んだわけでもなく、やりたいときにスッ…と違和感なく忍び込ませるのが本当に上手いのです。
シメサバツイスターズさん自身のお家芸と銘打っているだけあって、その拘りは本物です。
そして、さっきちらっと雰囲気について触れましたが、アルバム全体の雰囲気もかなり統一されているのが分かります。
ジャンルははっきり言ってバラバラです。プログレ風味のロックやメタルだけでなく、エモさも感じ取れるギターロックや、
すこしジャズが入った小洒落たナンバー、果てにはギターすら使わない曲まで。
それでも散漫にならない、させないだけのスキルを持っているPは、ボカロ界隈広しとは言えそこまで多くはないでしょう。
そうそう、そのギターを使わない曲、具体的にはTr.7「日常鎖飯事」なんですが、ギターあるいはギターに類似した音を
一切用いていないにも関わらず、どこかしらロックな香りを感じるんですよね。
これは一体どこから来るんだろう・・・。まだまだ聴き込む余地がたくさんありそうです。
……困ったことに。
音。音質。歌の質。演奏の質。歌詞の質。再生時間。アルバム構成。
そのどれをとっても、これといった不満が見当たらないんです。
こ、これもまだ聴き込みが足りないということなのかっ。
シメサバさんのCDは、これまで2ndと「ひよこEP」を聴いて来ましたが、(1stは存在を知った時には既に完売でした。。)
この3rd「Progrematica」が全体の完成度で群を抜いていました。
名盤の誕生にリアルタイムで出逢えたことを、心から誇りに思います。
……最後になりましたが。
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