すらいむがあらわれた

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希望のニート

希望のニート 現場からのメッセージ

希望のニート 現場からのメッセージ

「NPO法人 ニュースタート事務局」代表 二神能基氏のニート論。
「ニュースタート」は以前はひきこもりのサポート団体として有名だったところ。なのでこの本で語られているニートたちは不真面目な若者たちではなく、逆にあまりに几帳面すぎるあまり社会に出て行けなくなってしまうようなタイプです。
彼らはあまりに生真面目なため、親から聞いた
「自立しなさい」「他人に迷惑をかけてはいけない」「人生の目標を持ちなさい」
という言葉にがんじがらめになっているため、二神氏は
「自立なんかする必要はない」「他人ともたれあって生きろ」「人生に目標なんか必要ない。ただの人として楽しく生きろ」
と即座に否定するのだそうです。
彼らの親もまた生真面目で、世間の風潮を真に受けて子供に「好きなことをみつけて自由に行きなさい」というものの、いざ子供が進路に迷い「良い学校良い会社」のレールからドロップアウトしそうになるとあっさりパニックになってしまうのだそうです。親自体にドロップアウトの経験がないので口では物わかりの良いことをいっても実際には受け入れられないのです。
こういった親たちのおもしろいエピソード。

だから、講演会の最後に、私は子どものことでお悩みのご両親に、いつもこのようにお話ししています。
「今日はこのままご自宅に戻られて、親子で今後の対策を話し合うなんてことは絶対にしないでください。できればこのあとは、ご夫婦だけで久しぶりに小粋なレストランにでも行かれて、おいしいお酒と食事を満喫してください。心地よく酔われたら、今度はカラオケでも行って、それぞれお好きな歌でも仲良く歌って、ストレスを一度解消してからご帰宅してください。
そして翌朝はすっきりと目覚めて、おいしい朝食でも食べたあとに、ところで昨日聞いた二神というやつの話だけど……と少し考えてみてください」
すると大半のご両親が、深くうなずかれます。そして、
「では早速、レストランとカラオケに行ってきます」
とふたたび真面目な表情で言われる方々も多いのです。
いや、それはひとつの例で、必ずしもレストランとカラオケがセットでなくてもいいのですけど……、と私は一人、心の中でつぶやいてしまいます。

救いようがないよ・゜・(ノД`)・゜・
こういうニートたち、その親たちが私自身とその親にすごくかぶります(w


先日読んだBlog「目に映る21世紀」を読んで気がついたんですが、こういった生真面目な人たちは以前の工業中心の社会では、決まった仕事を忠実にこなしていく人としてそれなりに需要があったんだと思います。
しかし、今の社会ではそういった仕事は皆賃金の安い外国に行ってしまい、日本国内では営業、接客、介護、教育など対人コミュニケーションが必要な仕事が増えるようになりました。そうなると生真面目な人は使えない。変に真面目なのよりも容量が良くて機転が利く人が求められるようになり、生真面目な人たちは行き場を失っているのかもしれません。


ニート問題については、専門家の議論だの研究だのよりも「ニュースタート」のように実際にいろんな人と出会い、様々な経験ができる場が必要なのだと思います。