トピック一覧

技術

ソフトウェアが成功する仕組み

この記事は、ソフトウェア工学が専門のMITのDaniel Jackson教授が書いたブログ記事 "How software succeeds"を、本人の許可の元翻訳するものです。 なおこの記事と同じトピックを扱っている、彼のTEDx Talkもあります。 ソフトウェアが成功する仕組み 優れたソフトウェアへの第一歩は「成功のシナリオ」である ソフトウェアの成功を診断する 成功するソフトウェアを作りたいなら、まず成功例を調べることから始めるとよい。この記事では、よく知られた1つの事例を取り上げ、それ…

Go 1.24で入ったGo製ツールの管理機能が便利だったのでおすすめしたい

Go 1.24の新機能で、Go製ツールのバージョンをGo Modulesで管理できるようになったので、その概要と便利なポイントを紹介していきます。 これまでのGo製ツールのバージョン管理について これまで、Go製ツールのバージョンを管理する方法として標準的なものはありませんでした。 そのため、仕方なく直接 go install github.com/XXX/cmd/ツール名@バージョン をコマンドとして打たざるを得ないシーンが多々ありました。(過去の方法については今回あまり深堀りしません) これ…

Rust で作る Step Functions が何でこけたかわかる君

こんにちは、AI・機械学習チームの苅野です。エムスリーに転職してそろそろ一ヶ月、今日も楽しくコードを書いています。 この記事では仕事の合間に作った Rust 製の CLI を紹介します。AWS Step Functions のステートマシンが途中で実行に失敗した時に何が原因で何回失敗したかを数えることができます。

生成AIについて考えていること

生成AIが爆速で実用的になっている最近、考えていることを記録しておきます。 この記事のすべては2025年2月27日時点での個人の見解です。

ウォーターフォールとアジャイルをマネジメント手法としてフェアに評価してみる

ウォーターフォールとアジャイルは、それぞれ異なる前提と目的を持つマネジメント手法です。ウォーターフォールは全体計画の精度を前提に効率的な開発を目指し、アジャイルは変化に適応しながら試行錯誤を重ねることに重点を置きます。しかし、世の中ではマネジメント手法としてフェアな評価ができていないようにも感じます。その要因は、アジャイルの説明が精神論や感情論に寄りすぎている点にあると思っています。そこで、そういった要素を排除し、双方をマネジメント手法として整理してみました。

PSIRTを立ち上げました!プロダクトセキュリティを組織的に強化する仕組みづくりに向けて

こんにちは。テクノロジーマネジメント本部でプロダクトセキュリティエンジニアをしているsasakki-です。 2025年1月から、プロダクト全体のセキュリティ向上に責任を持つチームとして、PSIRT(Product Security Incident Response Team)を立ち上げました。 PSIRTの立ち上げ背景、目指している姿、そして具体的な取り組みについて紹介します。 立ち上げたばかりのチームですが、SmartHRのPSIRTについて知っていただけたら幸いです。 PSIRTとは はじ…

ミドルエンジニアの「基礎体力」を養いたい。リクルートグループのニジボックスが研修プログラムに込めた熱き思い

データ領域でリクルートとともにプロダクトを「共創」できる専門家集団の立ち上げを進めるニジボックスでは、現在「データ人材」の採用・育成に注力しています。その象徴が、業務水準の知識やスキルをスピーディーに身に付けてもらうための、新人向け「インプットプログラム」。リクルートグループに溜まったノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ、ハイクオリティな教材です。前回の記事では、そのインプットプログラムがジュニアエンジニアの成長をどのようにバックアップしているのか、という点にフォーカスしました。hatenanews.…

UnJS製のライブラリ・cittyを使ってNode.jsでさくっとCLIを作る

cittyを使ってみたところめっちゃ良かったのでメモがてらエントリを書く。 citty unjs.io Nitroとかh3とかいろいろいい感じのライブラリを作ってるUnJSのライブラリの一つ。いい感じにCLIツールを作れる。 準備 npm install citty 公式のサンプルソースを拝借。 import { defineCommand, runMain } from "citty"; const main = defineCommand({ meta: { name: "hello", v…

検索結果に表示させない技術 robots.txt と X-Robots-Tag を正しく組み合わせよう

はじめに robots.txt robots.txt の基本 robots.txt の限界 X-Robots-Tag X-Robots-Tag の仕様 X-Robots-Tag と robots.txt の組み合わせに注意 X-Robots-Tag の限界 さいごに 参照 はじめに こんにちは。SRE マネージャーの izzii です。最近会社でオフィスの引越しがありました。前のオフィスはコワーキングスペースで複数社で空間を分割するようなオフィスだったのですが、フロア丸々テックタッチというのが新…

営業組織出身の私が社内ダブルワークで、アナリスト業務(RATファミリー調査)に挑戦してみた話

こんにちは、ソリューションサービス部の田中です。 約半年間、イノベーションセンターのNetwork Analytics for Security(以下、NA4Sec)プロジェクトに、社内ダブルワーク制度を通して、参画していました。 今日は、タイトルにもある通り、営業系キャリアを歩んできた私がアナリスト/エンジニア業務をして学べたことや感じたことについて紹介します。 営業系出身の方で、アナリスト業務に興味がある方向けに、今後のキャリア参考になればと思います。 RemcosというRATファミリーにつ…

音声認識モデルWhisperを投機的デコーディングで高速化する

こんにちは、イノベーションセンターの加藤です。この記事では、Transformerベースの言語モデルで利用可能な高速化技術である投機的デコーディング(speculative decoding)を用いて、音声認識モデルのWhisperの高速化を検証したのでその結果を紹介します。 投機的デコーディングとは Whisperとは 実験 英語音声 (LibriSpeech) の結果 日本語音声 (Common Voice 17.0 日本語サブセット) の結果 まとめ 投機的デコーディングとは 大規模言語モ…

フロントエンドエンジニアがCursorを使ってバックエンド開発にキャッチアップしている話

はじめに クラウドサインでフロントエンドエンジニアのツノ(𝕏@2nofa11)です。 私の作業領域は主にクラウドサインのフロントエンドですが、今回の機能開発ではバックエンドが中心となる案件でした。 案件の特性を鑑みてフロントエンドエンジニアもバックエンド開発する方針になり、バックエンドのキャッチアップが必須になりました。 Tour of Go などの基本的な学習は自己学習で補える部分ではありますが、既存プロダクトのコードリーディングを行い、開発できる状態になるまでには課題を感じていました。 この…

Oisix「あなたにおすすめ」を支える機械学習システム

はじめに こんにちは、Data Management Office、データサイエンスセクションの横山です。データサイエンスセクションでは、AIや機械学習などの技術を用いて、サービスを改善する施策を推進しています。 Oisixに「あなたにおすすめ」機能を開発し、実際のパイプラインとしてリリースし、サービス全体の売上向上を確認できました。 本記事では、「あなたにおすすめ」機能の内容とそれを支える機械学習システムについて解説します。 「あなたにおすすめ」とは 「あなたにおすすめ」は、過去の購入履歴から…

AIエージェントで前から欲しかったツールを作ってみた

はじめに プロジェクト背景 プロジェクト概要 主な機能 基本的な使い方 開発プロセスと学び バグ修正のTips デバッグメッセージを出力させる いくつか自分が思いついたことも伝える 命令を与え直す 変更範囲を限定する うまくいった箇所までコミットしておく 数回試して解決できなければ諦める 型のある言語のほうが良さそう その他 おわりに はじめに コンテナ関連の開発において、コンテナイメージの中身を確認する必要性はしばしば発生します。 特にシェルが含まれていないイメージの場合、ファイルの確認が面倒…

全員開発時代のaquaで実現するローカル環境爆速セットアップ

バクラク事業部エンジニアの id:upamune です。最近、ローカル開発環境構築に対して人より熱意があるということに気がつきました。 ということで、この記事ではバクラク事業部での、ローカル開発環境構築の今について書きます。 はじめに 近頃、AIの発展により開発、特にコーディングのハードルは大きく下がりました。弊社でもプロダクトマネージャーやデザイナーがエンジニアに混じってPRを出しています。 詳しくはバクラクビジネスカードでプロダクトマネージャーをしている原山がnoteを書いているのでご覧くだ…

40代後半戦のキャリアとしてSREを選んだ理由と学び直していること.

自社プロダクトのSRE意外と初めてなので学び直してるの巻 先月の真ん中ぐらいから新天地のLayerX AI・LLM事業部*1でSRE(Site Reliability Engineering)を主とするエンジニアとして新たなキャリアを歩み始めました(報告したブログはこちら). 「野球エンジニアやってた人」「バックエンドからインフラから機械学習まで割となんでもやってるマン」が大筋な自分のPublic Image(=多くの方の認知)であり, 自分から見てもそれは事実かなぁー, なのですが. 「何故S…

エンジニアの目標設定で意識していること

はじめに マネージャーにとって目標は組織の成果を大きくするための強力なツールです。しかしジュニアなマネージャーにとって、目標設定をどのように行うかは、なかなかまとまった知見を得づらく不安を感じやすいようです。本エントリでは私がエンジニアリングマネージャーとして目標設定で考えていることをまとめてみます。 まず前提として、私は自社でWebサービスを開発している事業会社のエンジニアリングマネージャーで、ソフトウェアエンジニアの目標管理を行なっています。組織全体の制度としてはMBOに近く、組織の目標があ…

時間がかかっていた git status を Trace2 で計測しながら10倍速くした話

環境 改善前 改善前計測 untrackedcacheを使った高速化 file system monitorを使った高速化 サブモジュールをオフにして高速化 Appendix: Gitバージョンアップ実験結果 まとめ We are hiring! こんにちは。バックエンドエンジニアのshirakawaxです。 Mirrativのバックエンドリポジトリのgit statusが遅かったので1.941秒 → 0.173秒に改善した話を書きます。 環境 Apple M1 Max メモリ 64 GB ma…

もしもいま、Goをイチから学ぶならどうしたい? 松木雅幸 / Songmuさんが考える学習ロードマップ

めまぐるしく変化するテックの世界。技術を身に着けるうえで学ぶべきポイントや学習環境なども年々変わっています。 そこで「もしもいまの環境で、テックのことをイチから学び直すことになったら、自分はどんな風に勉強したいか」というIFストーリーを通じて、技術との向き合い方を考え直してみる企画「テック転生」。 今回は、株式会社ヘンリー VPoE・松木雅幸(Songmu)さんに“自分だったらこう進めたい、Goの学習ロードマップ”を伺いました。 学び始める前に Songmuです。今ではGoが得意なエンジニアとし…

アジャイルで品質とスピードを両立するには構造とプロセスが必要

デブサミ2025で品質に関するパネルディスカッションに参加してきました。アジャイル開発において「価値提供のスピードを落とさずに品質を維持するためにどうするか」というテーマにおいて、僕はアーキテクトという立場から「構造」の側面、ブロッコリーさんはQAエンジニアという立場から「プロセス」の側面から話をしました。アジャイル開発で品質とスピードを両立するには、構造とプロセスの両面からのアプローチが必須です。

GitHub Actionsを可視化するGitHub Actions OpenTelemetryの紹介

GitHub Actionsはワークフロー全体の実行時間や各ステップの詳細な可視化、変更による効果測定を行うには工夫が必要となります。この記事では、OpenTelemetryを活用してGitHub Actionsの実行結果をトレースとメトリクスの形で収集するGitHub Actions OpenTelemetryを紹介します。どのステップに時間がかかっているのか、改善施策の効果がどの程度あったのかを把握しやすくなるため、ワークフローの継続的な改善を目指す方に役立ちます。 Trace Sample…

DBマイグレーションの安全性を高めるガードレールの実践

こんにちは!バクラク事業部 Platform Engineering 部 SRE チームの id:sadayoshi_tadaです。趣味で筋トレをやっていてこれまでほぼ1人でやっていたのですが、最近社内の人達とトレーニングすることが増えて楽しい今日このごろです。 この記事ではSREチームで行っている、DBマイグレーションにおけるガードレールの取り組みについて紹介します。 DBマイグレーションにまつわる課題について SREチームによるDBマイグレーション時のレビュー ALTER TABLE実行時に…

Devinを導入して1ヶ月経ったので、人間とAIとでどのような開発の役割分担をするべきか振り返ってみる

こんにちは、ジェネラティブエージェンツの西見です。 「完全自律型AIエンジニア」という触れ込みと、その印象的なティザー動画で一躍有名になったDevinが、2024年12月10日にGAしました。 www.cognition.ai それからしばらく経ったこともあって、X上でもチラホラと日本企業におけるDevin採用報告が聞こえてくるようになり、「こんなタスクには使えた😆」「簡単なタスクにハマり続けて使えない、金もったいない😭」といったポストがよく見られるようになりました。 正直なところ、月500ドル…

Remix (React Router v7) の思想が受け入れられなかった話

最近、Remix ……いつの間にか統合されて React Router v7 を触っている。最初はなかなかいい感じと思っていたのだけど、実際に使ってみるとなかなかに厳しい。 Remix の哲学と言えばどちらかと言えばSSG (Static Site Generation)はやめてエッジで動的に生成しましょうという部分が強調されていたように記憶しているが、Pre-Renderingの機能も搭載されており、そこはすでに微妙な話なのかもしれない。 むしろ特徴的なのが「UI を永続的なサーバー状態と自動…

複雑な状態遷移😭: クラスではなく関数とDiscriminated Unionで状態の定義と遷移を表現する

補足: 2025/02/25 本記事でほとんど紹介されなかった「Stateパターン」を含めて再構成した記事を公開しましたので、今後は下記の記事をご覧ください。 kosui.me 補足: 2025/02/21 クラスベースでも、Stateパターンを適用し、StateをDiscriminated Unionとして表現することで今回の問題を解決できます。つまり、クラスを利用することに問題があるわけではありません。この記事では、TypeScriptではあえてクラスを利用しなくても状態遷移を表現できること…

マークダウンパーサを作ろう

デジカル開発メンバーの末永(@asmsuechan)です。電子カルテの開発を通して医師や医療事務の方の「書く」をサポートしています。 みなさん、マークダウンでテキストを書いていますか?私はマークダウンで書くことが好きで、プレーンテキストでもほとんどのメモをマークダウン記法で書いてしまいます。この記事もはてなのマークダウンを使って書いています。*1 マークダウンを使えるサービスを挙げていくとGitHubやStackOverflowなど開発者ならば誰しも知るサービスが多く出てきます。このことからもわ…

OSSは決して遠い世界じゃない。2年前までコントリビューション未経験だった、PHPコア開発者からのメッセージ

高町咲衣さんは、PHPコア開発者でありPHP8.4にて日本人として歴史上初めてのリリースマネージャーを務めた人物です。ほんの2年前まで、高町さんはOSSへのコントリビューション経験がゼロでした。「OSS開発は超人たちがするもので、自分とは遠い世界の出来事」だと、ハードルの高さを感じていたといいます。しかし、一歩を踏み出す勇気と日々の小さな積み重ねが、キャリアを大きく変えたのです。高町さんのこれまでの歩みには、エンジニアがOSSに挑戦する意義や成長のヒントが詰まっています。 BC Break修正か…

開発組織のためのセキュアコーディング研修の始め方を紹介したスライド(全32ページ)を無償公開しました

はじめに こんにちは、GMO Flatt Security の小島です。弊社では、KENRO byGMO(ケンロー)という脆弱性への攻撃と修正で学ぶハンズオン演習に特化した、開発者向けのセキュアコーディング学習サービスを開発しています。 flatt.tech 本日はこのサービスに関連して、セキュアコーディング研修を始める上でどのような項目を検討すべきか、そしてその中で最も悩みのタネである外部の学習コンテンツの活用方法についてまとめたスライドを公開しました。 スライドは下記のSpeakerdeck…

macOSでもサクッと使える!Colimaで開発環境構築がカンタンになった話

こんにちは フロントエンドエンジニアの どじねこです。 今回はミラティブのバックエンド開発環境の 2025 年上半期の現状を皆様にご紹介します。 なお 2021 年 12 月 時点での情報が別記事にまとまっておりますので、ここからのアップデート情報と言う形でご覧いただけるとより楽しめると思います。よろしければ併せてご覧ください。 tech.mirrativ.stream Multipass での運用と課題 2021 年 12 月 時点ではミラティブのバックエンド開発では Multipass を活…

日本十進分類法を意味ネットワーク図にしてみる

ここ数日、今までの人生でないくらい、日本十進分類法(NDC)に触れてます。(今までも毎日目にはしてましたが) 今、作っているNDCカルタのテストプレイを何十回と繰り返しているうちに、自然とNDCが頭に馴染んできて、やっぱりちゃんと意味が近い言葉は近い番号になっているんだなぁと、当たり前のことを今更ながら深く実感する毎日です。 そんなことを感じるなか、そういえばPythonで言葉の意味の近さを計測できるとどこかに書いてあったことを思い出し、NDCの分類でやってみて近い分類は関係性が強く出たりしたら…

開放閉鎖原則(open-closed-principle)ってもはや意味ない

SOLID原則というのがあるのだけど、原則といつつ やりすぎに注意なみたいなことを言われ、自分で塩梅を探らないといけないなら全然原則じゃないやんということであまり好きではないのだけど、その中でもここではOにあてはまる開放閉鎖原則って意味ないよねって話を。 開放閉鎖原則の原典はメイヤーの「オブジェクト指向入門」で、第2版には次のような記述があります。(初版も書いてることはだいたい同じで、2版のほうが整理されて記述も多くなってます) モジュールは開いていると同時に閉じているべきである ただ、このメイ…

様々なマンガアプリを素早く開発できる「GigaViewer for Apps」のしくみ iOS 編

こんにちは。iOS アプリエンジニアの id:gurrium です。『Inside GigaViewer for Apps』連載2回目は、同じく iOS エンジニアの id:fxwx23 と一緒に出版社向けマンガビューワのアプリ版である「GigaViewer for Apps」(以下 GigaApps)の iOS アプリを実現するしくみについて紹介します。 GigaApps とは アーキテクチャ (id:fxwx23) マルチモジュール 画面構築と遷移 アプリに合わせたカスタマイズ (id:gu…

ZOZOTOWNホーム画面のパーソナライズ最新アップデート ─ Two-Towerモデルで目指す多様性と受注系指標の向上

はじめに こんにちは。データシステム部推薦基盤ブロックの新卒1年目の上國料(@Kamiko20174481)と、5年目の宮本(@tm73rst)です。私たちのチームでは、ZOZOTOWNの推薦システムを開発しています。2024年7月のテックブログでは、ZOZOTOWNのホーム画面に表示される「モジュール」の並び順をパーソナライズする取り組みを紹介しました。 techblog.zozo.com モジュールとは、トレンドやキャンペーンなど特定のテーマに基づき商品群を表示する枠のことです。 モジュール…

時系列基盤モデルChronos-Boltでお手軽に時系列予測を試してみた

皆さんこんにちは Acroquestのデータサイエンスチーム「YAMALEX」のチームリーダ、@tereka114です。 YAMALEXチームでは、コンペティションへの参加や自社製品開発、技術研究などに日々取り組んでいます。 (詳細はこちらをご覧ください。)LLMやVLMをはじめとした基盤モデルが近年、多く公開されています。 画像や自然言語処理といったものとは異なりますが、時系列モデリングでも基盤モデルが利用されようとしています。本記事では、時系列基盤モデルの一つである「Chronos-Bolt…

GitHub Copilotの活用はプルリク数・コードレビューの速さ・開発者体験・協働レベルを引き上げる

GitHub Copilotの活用は、開発者の作業手間を軽減するだけではない。実際に、プルリク数が約26%増えたと言う1。これは、生成AIをソフトウェア開発に活用することで具体的にどのような効果があるのかを数値化した調査結果の1つだ。 "The Effects of Generative AI on High Skilled Work: Evidence from Three Field Experiments with Software Developers" と題された論文がその出典元である…

Cyan、ヘンリーやめるってよ

恐縮ですが、タイトルは好きな映画「桐島、部活やめるってよ」をリスペクトしています。 実は株式会社ヘンリーのVPoEを3年あまり勤めましたが、ついに卒業することにしました。当たり障りのない話はあまり好きではないので、退職エントリーを長々と書くつもりはありません。退職理由は3行にまとめます。全部本音なので、これ以上でもこれ以下でもありません。 やはり0→1が一番好きで自ら課題解決をしたくなった 生成AIの波を一人称視点で体験したくなった 医療基幹システムを中長期のキャリア主戦場にする意欲がまだ足りな…

テスト自動化への心理的障壁がエベレストなSET1年生が記述レベルMAXな自動テストスクリプトを書けるわけがない

はじめに 課金戦士は恐怖した。必ず、テスト自動化の実装をできるようにならなければならぬと決意した。課金戦士にはコードがわからぬ。課金戦士は、QAエンジニアである。テストケースを作成し、テスト環境に弄ばれて暮して来た。けれどもテスト自動化という未知に対しては、人一倍に敏感であった。 テスト自動化への心理的障壁がエベレストなあなたも、日和山なあなたも、はじめまして。 食べログの品質管理室、SETチームに生息している課金戦士と申します(課金機能を担当している戦士ではなく、アプリゲーム課金を趣味として赤…

「Tidy First?」から紐解くファインディの生産性向上への姿勢と考え方

こんにちは。こんばんは。 開発生産性の可視化・分析をサポートする Findy Team+ 開発のフロントエンドリードをしている @shoota です。 ファインディではチームの 小さな開発サイクルを高速に回し、 価値を創りだすまでの開発生産性を高く維持するための開発環境を整えています。これまでもこのテックブログにてその実情やテクニックをご紹介してきました。私自身もこの開発環境の恩恵を十分に受けるとともに、Findy Team+の組織拡大と高水準な開発生産性の維持を両立させるために、リファクタリン…

LINEヤフーを卒業しました

2021年1月にLINEに入社してから4年1ヶ月勤めてきましたが、2025/2/14をもって卒業しました。この4年を総評すると「最高に楽しく、かけがえのない財産となる4年間」でした。 在職期間については感謝しかなく、この会社はこんなに良い機会に恵まれている(N=1)ということを知ってほしくて初めて退職エントリを書いています。 LINEに入社したきっかけ 元々私はインフラ・バックエンド開発のフリーランスとして活動していましたが、フリーランスを続けていくことにキャリアリスクを感じて会社員に戻ることを…

Githubのプルリクエスト単位で動作確認用のURLを発行する

2月から急に寒くなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 先般、皆様ご存知不朽の名作、Kingdom Come: Deliveranceの続編が遂に発売されましたね。私は今始めると人間性を失ってしまいかねないため、もう少し人生が落ち着いた頃合いに手を付けようと何とか我慢しています。早く無力な凡夫ヘンリーを最強の男にしたいし、ひたすら野に咲く薬草を摘んで錬金術師としての人生も送りたい。 さて、みなさんはこう考えた事はありませんか? 手元の作業ブランチをstagingブランチにマージする前に、検…

さくらのクラウド AppRun β を触ってみた

ほんと触るとこまでです。 きっかけ。 該当スレ 「さくらのクラウド」の存在は知っていたものの、触ってはいなかった私です。 でmattnさんが「そういえば」から15分で「いいやん」と言っていたので、実にクラウド感(AWSの昔のステッカーに「I built my cluster in 5 minits」とかあった。今もある?)あるなぁと思って、やってみました。 やったこと さくらのクラウドにアクセス アカウント作成 メール認証&電話認証 クレジットカード登録 3Dセキュア 200円の請求がきて、すぐ…

アーキテクチャの変更をどうやって完遂するか

既存のアーキテクチャの問題が見えると、アーキテクチャを変更して解決すると思います。 それ自体は素晴らしいことなのですが、変更が全体に浸透し切らず古いアーキテクチャと新しいアーキテクチャが混在したままになってしまうと、状況はさらに悪化します。そのため、アーキテクチャを変更する時には、「どうやって完遂するか」もセットで考えるべきでしょう。 10Xの現状は? 混在しています。 自然と移行を完遂できる日は来なかったので、完遂する努力をしています。 完遂するための取り組み アーキテクチャの限界を漸進的に押…

golangのcontextのcancel伝播の仕組みを学ぶために自作してみた

並行プログラミングを学ぶ一環で、「Contextを完全に理解する」というテーマでGo Conference 2021 Autumnに登壇しました の記事を見つけ、contextのcancel伝播の実装方法が気になった。そこで自分でcontextのcancel部分だけを自作することで伝播の理解を深めてみた。 実装はこちらで、context.WithCancel的なものとcontext.WithDeadline的なものを実装している。またテストコードも用意している。 実装してみて面白いなと思ったのは…

自宅環境監視への入門

どうも自分は監視についての知識や技術が乏しい、ということに気付いた。 そもそも何かを監視するという習慣を持っていないのがまず良くないと反省し、まずは自宅の環境を監視する練習から始めてみることにした。 監視とは役割ではなくスキルであり、チーム内の全員がある程度のレベルに至っておくべきです。 入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン 環境 Ansible from macOS Ansible Galaxy VictoriaMetricsによる監視 Metricsの取得、収集 Nod…

緊急時の規律

DevLOVE関西 200回目で紹介した、私の個人指針。迂闊に採用すると大怪我する取扱注意なものだとは思います。 出典はClean Coderで、訳書は2012年。薄い本ですが、今回取り上げるのその中でもさらに一部です。 Clean Coder プロフェッショナルプログラマへの道 (アスキードワンゴ)作者:Robert C.Martin,角 征典ドワンゴAmazon "緊急時の規律"(CleanCoder)にはいろいろ納得した。— irof (@irof) 2012年8月28日 「本番は練習のよ…

アナリスト出身の人にバッチ処理を書いてもらう際にレクチャー & サポートしたことメモ

あまりよくある話ではないと思うんですが、アナリスト/Analytics Engineerの人にバッチ処理を書いてもらう機会がありました。基本的にはSQLを普段書かれていて*1、場合によってはTerraformを少し書くこともあるというバックグラウンドの方です。これに対して私はレクチャーやサポートする形になったので、メンター的でどういうことを考えていたかをこのエントリでは書こうと思います。 対象のタスク レクチャーしたこと Step by Stepで実装する APIやjqに慣れる Dockerfi…

C言語のbitfieldの仕様と実装を調査した話

C言語にはbitfieldという機能がありますが、この機能にはさまざまな落とし穴があり、注意深く利用しても予期せぬバグや移植性の問題を引き起こす可能性があるとよく言われています。 実際、jpcertを確認すると複数の勧告が出ています。 EXP11-C. ビットフィールド構造体のレイアウトについて勝手な想定をしない INT12-C. 式中で使用される単なるintのビットフィールドの型について勝手な想定をしない CON32-C. 複数スレッドによる隣接データへのアクセスが必要な場合データ競合を防止す…

今、プロダクトマネージャーの成長に必要なのはtoCプロダクト経験

こんにちは。スマートバンクでプロダクトマネージャーをやっているinagakiです。 最近プロダクトマネージャー(PM)のイベントに参加させていただく機会が増えてきているのですが、そのたびにtoCプロダクトのPMの方に出会わないな…と感じます。 どうやらtoCスタートアップへの投資総額が10年で下がり続けている話もあるそうです。個人の感覚的にも、もしやtoCプロダクトスタートアップの数が減っているのでは?と感じています(統計的にどうかは知りません)。 トップVCのC向けスタートアップへの投資額はこ…