マスプライム杯2024参加記

こんにちは、さしみです。私がマスプライム杯2023に参加し、素数大富豪を極め始めてから1年が経ちました。1年に一度といえば、マスプライム杯ですね! ということで、今回は、昨年と全く変わった立場で参加し、それでいて昨年以上に楽しめた、素数大富豪のお祭りについて書いていきます。この記事を通して、その盛り上がりが伝われば嬉しいです。

 

 

直前対策

今回は素数大富豪というゲームについてもその参加者についても熟知していたため、しっかりと対策を立てることができました。と言っても私はこの1年間、素数を覚え、素数大富豪で遊び続けてたわけですから、それが一番の対策になってはいます。ただ、やはり初めて参加した対面の大会ということもあり、直前期は特にモチベーションが上がったように思います。

 

覚えた素数としては、知識不足による負けを減らすための6枚6桁や6枚11桁、絵札を活かすための9枚9桁や9枚18桁が中心となります。直前の2週間で100個くらいは増えたかもしれません。一方で、最近特に対策が必要な超多枚や、サボり続けている4枚5桁などには、あまり手が回りませんでした。

 

また、オンラインの最強プレイヤーmickeyさんと練習をしたことで、かなり立ち回りが鍛えられました。3日間で134ゲームを行い59-75(勝率44%)と、今までになく高い成績が出せたことで自信もつきました。mickeyさんにも「今回の参加者の中で一番素数大富豪を理解ってる」と優勝予想を頂き、誰が相手でも互角以上の戦いをして、本気で優勝を目指そう、と決意が固まりました。

 

ところで、今回は運営から解説を依頼されていました。最初に聞いたときはそんな大役が自分に務まるだろうかと思いましたが、直前にOTTYさんから配信の流れや解説のコツなどについていろいろと教えていただいたおかげで、イメージが固まりました。マスプライム杯のデータについての資料を読むほか、各プレイヤーの出しそうな素数についてメモを取るなどの準備をしました。

 

当日

前日に早寝したおかげで、朝からの大会にも余裕を持って参加できました。嘘です。10時半、開始時間ギリギリに到着しました。ごめんなさい。運営の中にはプレイヤーを兼任しながら5時台に起きた方もいたそうで、本当に頭が上がりません。

 

私は去年ベスト4に入っていたので、他のベスト4と当たらないように別枠で抽選が行われ、キグロさんと一緒にくじを引きました。配置の運は並くらいかなと思っていましたが、結果を見てから言うのであれば、もう片方の山より最近好調なプレイヤーが多く厳しかったのかもしれませんね。

 

1回戦 対コロちゃんぬさん

1回戦は素数判定員とタイムキーパーはいるものの、配信がなく、普通のテーブルで行われました。コロちゃんぬさんは去年の予選でも同卓になったプレイヤーで、2017年から大会に参加し続けています。試合の中では、2枚、3枚出しを中心に出す印象があります。

 

じゃんけんには負けてしまい1セット目は相手の先手から始まりました。3枚出しに対して手札が弱かったためカマトトしましたが、さらに3枚出しと堅実に手札を減らしてきました。この時点でKKQは揃っておらず、KKJを出すと手札が弱体化しそうだったため、相手の切り札がKKJでないことを祈って一度3桁の素数で返しました。

 

ここで相手にKKJを返されるとKKQがなくほぼ負けの場面でしたが、QTKが来たためKJJ(KTJ?)を返してジョーカーを温存しつつ親を取ることができました。相手が切り札を使ったことで手札が少なくなっていることが大きく、その後は上手く知っている5枚以上の素数を出していき、テンポよく勝ち切ることができました。

 

2セット目はこちらの先手で、大きめの8枚出しが揃っていたため相手に何も出させずに上がることができました。これで2-0の勝利、準々決勝に進みます。

 

準々決勝 対3TKさん

準々決勝からは配信が行われました。和室でカメラに囲まれての対戦ですが、本格的な雰囲気の割には落ち着いていられたと思います。むしろ大会前の期間の方が常に気が張っていた気がしますね。

 

それから、カード立てがあるのが地味に嬉しいです。ただでさえ手札を並び替えて考える必要があるゲームですから、24枚にもなると絵札の内容を覚えて脇に置いておくくらいのことをしないと戦略が立てられません。一方、常に見える形で置いておけさえするのであれば、合成数を組み替えて出したいときなどはオンラインよりも楽になります。

 

さて、対戦相手の3TKさんは素数大富豪歴5年以上でありながらこの1年で大きく実力を伸ばしているプレイヤーです。昨年末には第2期梅森(オンラインタイトル戦)を獲得するなど大会にも強いですが、不思議と私から見た相性は悪くありません。大会では8-6(セット)、非公式の記録でも勝ち越しています。今回もなんとか勝ちたいところです。

 

またしてもじゃんけんで負けてしまい1セット目は後手となりました。相手はすぐに勝てる切り札がなかったようで全出しし、安心できたのも一瞬だけ、なんとHNPされてしまいました。これでいきなり1敗、頭を抱えるしかありません。

 

気を取り直して2セット目は先手、初期手札はドローしてA3557799JQQXでした。初手で上がれそうな手札ではありますが、残念ながら99KQQTJのような素数は知りませんでした。理想的には絵札がもう1枚欲しいと思いつつ、57の後ドローして形が崩れるのが怖く、そのまま97JTQQA3と出しました。

 

意図としては、絵札が4枚である上、97で始まるため、相手は絵札が5枚なければ知っている素数を出しにくいだろうというものでした。シミュレーションによると何も出させない確率は56%ほどのようで、思ったよりは低いです。理論上反撃できる場合にしっかりと知っている素数を出せるよう、いろいろ覚えておきたくなりますね。

 

今回はちょうど7の部分が効いてパスさせることができ、1勝1敗とすることができました。

 

交代して3セット目は後手、ここでも相手の初手は全出し、今度は素数ではなく勝負が始まったという感じです。自分も全出しに失敗して24枚、しかし引き終わって見ると絵札がなんと6枚しかありません。

 

AAAXとあったので革命すれば面白いところですが相手は6枚出し。Xを温存して9QKQTJを出すもKKKTTJで返されます。その後に同じ9QKQTJを出されて面くらいましたが当然何もできずパス、そのまま上がられてしまいました。相手は絵札を11枚持っていたということで、こちらが出す数の選択は悪くなかったもののどうあがいても勝てないゲームでした。

 

というわけで、1-2で負け、準決勝進出はなりませんでした。特にミスらしいミスもなかったので敗因がじゃんけんくらいで、悔しいというか仕方ないという気持ちが大きかったです。強いて言うなら3セット目のこちらの全出しは29の倍数だったので、シンキングタイムも合わせてゴリゴリに頭を回せば避けられたかもしれないというのはあります。今後の研究に期待ですね。

 

解説

さて、解説についてもいろいろと面白いことがあったので書いておきます。私が解説を担当したのは準々決勝の2試合、準決勝の1試合、それから決勝でした。配信は常に二人が話す形式で、私はOTTYさんとペアを組み主に解説を担当しました。

 

大まかな流れとしては試合の最初や空き時間にプレイヤーの紹介を行い、試合中はその内容について説明するというものでした。手札の内容から取れる戦略、素数を出した際はその意図などについて、プレイヤーの立場で、できる限り考えられることを語れたかなと思います。

 

最初の方は緊張していましたが、OTTYさんのパスに助けられました。聞かれたことから話を広げていけばよく、全出しや四つ子素数などといった用語も初心者に分かりづらい部分は上手く補足していただけました。

 

準決勝以降の解説は慣れてきたことに加え、自分の試合がなくなったこともあってのびのびと話せたと思います。また、マリンさんと3TKさんの試合は両者ともに高度な立ち回りをしていたため、解説には特に熱が入りました。

 

さて、全く予想していなかったことに、今回の解説は非常に好評でした。強豪プレイヤーだけでなく、普段素数大富豪の大会に出ない方にも分かりやすかったという感想を頂き、この大舞台を盛り上げられたことを嬉しく思いました。mickeyさんからも立ち回りの解説がしっかりしていると言われ、素数大富豪というゲームへの自分なりの「理解」を活かせていたのなら何よりと思いました。また機会があれば同様の解説をしてみたいですね。

 

まとめ

まずは、2023年のベスト4という成績を超えられなかったことは、やはり少し残念でした。ただし、昨年はこれ以上ないくらいの運に恵まれていました。素数の女神がいるとすれば、昨年の私には「素数大富豪の世界においで」ときっかけになる成功体験を与え、一方で今年の私には「これからも頑張ってね」と目標を残しておいてくれたのだと思いました。

 

次のマスプライム杯も今から楽しみなところですが、分かりやすい実力の証明としては他にも梅森戦やPQCSなど定期的なオンラインの大会があります。ひとまずはそちらに向けて練習していきたいです。

 

それから、今回の大会でもまた多くの方と話せました。初参加の方もいれば何年も前から参加している方も。ブログを読んでいただいていることが分かったり、素数についての質問を受けたりして、今後の活動のモチベーションが上がりました。4枚6桁素数の記事とか早く書きたいですね。

 

解説についても、まずは自分が楽しみながらできたかなと思っています。同時に、多くの人に素数大富豪の勝負の面白さを伝えられるものになったのは、本当に嬉しいです。今回の経験を、また解説記事や動画を作る上で役立てていきたい、というように夢も広がりました。

 

最後に、マスプライム杯という大きな大会を中心となって進めてくださった運営の皆様、優勝予想を頂いたmickeyさん・完全数さん、ペアとなって実況を盛り上げてくれたOTTYさん、それから参加者・観戦者の皆さん、ありがとうございました! また、これからも広がり続けるであろう素数大富豪の世界のどこかでお会いしましょう。

 

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!