PQCS2024夏参加記 2次予選・準決勝

こんにちは、さしみです。少し前にPQCS2024夏の1次予選について参加記を書きました。その後、私は2次予選を1勝1敗で通過し、準決勝で敗退、ベスト4の結果を残すことができました。今回はそこでの全3試合を紹介していきます。前の記事と合わせてご覧ください。

PQCS2024夏参加記 1次予選 - green+の無人島

 

 

対ささらさん

ささらさんは2019年から大会に出ているプレイヤーで、二刀流戦術を大きな武器としています。実際、直前の鼎猫さんとの試合では、KQK、KJQJ、KTQJを切り札とした二刀流で3勝を挙げています。こちらとしては、全出しができるゲームをしっかり取っていきたいところです。

 

さしみ:(4678A3KT938)

ささら:(Q6K9JX44K6J)

さしみ:D(X)96T8X33AK|X=5

ささら:D(2)KKQJ4466J,P(ATJQ9A972)

さしみ:487#

 

第1セットは私の先手でした。全出ししても悪くないところですが、Xを引いて知っている9枚出しが揃ったのでそれで攻めることにしました。無事に通り、まずは1勝です。

 

ささら:(3A87AKQ3A77)

さしみ:(2JKQ8JK4TJQ)

ささら:D(Q)QQ33AAA778K,P(7642556XK24)

さしみ:D(9)JJJQ2Q4K8KT9,P(993XJ2T55T84)

ささら:D(6)24683

さしみ:D(3)84523

ささら:D(6)KQKQX|X=J

さしみ:KKQTJ

ささら:%

さしみ:948TT59

ささら:D(T)%

さしみ:XQJJJ|X=K

ささら:%

さしみ:9=3^2#

 

第2セットは後手です。相手は有効な手がなかったようで全出ししてきました。知っていればKKQJQTJ→842Jと組んで初手から勝負を決めに行っても良い場面でしたが、実戦はこちらも全出しに踏み切りました。

 

すると、こちらは絵札が12枚と、Kが十分にありJが4枚というその内訳も含めてとても有利な手札になりました。5枚出しに対して即座に負けることはありえないと判断できたため、5桁には5桁で返し、KQKQJにはKKQTJと有利を崩すことなく親を取れました。

 

ここで、自分の絵札は7枚、相手の絵札は多くても1枚であることが分かります。そこで、絵札が2枚入った素数を活かしつつ、相手にカマトトの隙を与えずに組み切ることができました。

 

さしみ:(Q35T2K7T62A)

ささら:(8787AJ5T93Q)

さしみ:72A2TQTK,P(352T74X8)

ささら:D(6)57[GC]

ささら:ATQ367889

さしみ:D(Q)867435XTK|X=6

ささら:D(J)%

さしみ:72QQTA23

ささら:%

さしみ:T=2*5#

 

第3セットは再び先手です。72QJTQJと間違えて72QTQTKを出してしまいましたが、これは3の倍数でした。そして、ペナルティを受けた手札は19枚、普段より少ないこともあり知っているoverKJQJがありません。もしKJQJの二刀流を組まれたら負ける、そう思ってひやひやしていました。

 

しかし相手は絵札に恵まれなかったようで、全出し寄りの動きをしてきました。そして9枚出しがHNP。即座に上がりとはならず命拾いしますが、普段よりこちらの手札が少ないこともあってやはり難しい局面にはなりました。

 

結局、時間いっぱい考えて、Xも使い、nishimuraさんの絵札可変型素数の一つである8674356TKを出しました。残りの手札はA222357TTQQと奇数が少なく捌きにくいものになってしまいましたが、四つ子素数の72QQTQXを見つけてTとQを消費でき、結果としては綺麗に勝ち切ることができました。

 

これで3-0のストレート勝ちです。運はかなり良い方でした。

 

対凪さん

2次予選は2つのトーナメントに分かれています。反対側で予選上位のカステラさんが勝ち抜けたことで、私はこの試合で負けても最多連勝の枠で決勝トーナメントに出ることができます。一方、相手の凪さんはここで負ければ即敗退となるため、気持ちとしては向こうの方が必死だったと思います。

 

とはいえ、手を抜くわけにはいきません。凪さんには記事にも書いた1次予選で既に負けており、ここでリベンジしておきたいところです。普通に決勝トーナメントでまた当たるのも怖いですし。

 

凪:(J7Q577823JQ) 

さしみ:(6J824T6K3K8) 

凪:D(T)8QQJTJ 

さしみ:D(X)8KKXTJ|X=Q 

凪:% 

さしみ:D(9)983 

凪:D(J)72J 

さしみ:% 

凪:57[GC] 

凪:73#

 

第1セットは凪さんの先手でした。8QQJTJに対して奇跡的に5枚目の絵札としてXを引くことができたため8KKQTJで応戦、ここまでは最善の動きができました。

 

しかし、残りの手札は234668と微妙な感じです。私は6枚出しはさっぱりですが7枚出しはそこそこ知っています。5を引けば658246X、8を引けば284686Xが出せるなと思いながらドローしました。来たのは9、知っている素数での一発上がりは諦めるしかありません。そこで、相手も絵札を使い切っているだろうと読んで983→64=2^6で組むことにしました。

 

結局、読みは当たったものの相手は運よくJをドロー、72Jから上がられてしまいました。7桁のHNPは1001チェックを通しても1/3程度の確率にしかならないため、山札29枚に8枚しか眠っていない絵札を要求する983は、判断としては間違っていなかったと思います。864623と同レベルの素数を覚える日は来るのでしょうか(とか言いつつ面白い規則がある886243は覚えていますが)。

 

さしみ:(X68K6T5832T)

凪:(JK959Q62J27)

さしみ:D(4)T6T68K82345X|X=7,P(7QQT99375K38)

凪:D(4)24256JJQK799#

 

第2セットは私の先手になりました。特に切り札が見当たらなかったので全出ししたら、相手にHNPされました。はい。お互い24枚でもこちらにJがないことが確定しているのでだいぶ厳しそうですが。こちらの初手で人類が出せそうなのは62648QTTKとか82684QTTKとかでしょうか、覚えたくなってきます。

 

さしみ:(9T52J4957X6)

凪:(658KTQQT7K4)

さしみ:D(A)96TJ95X2A|X=6

凪:864TQTQKK

さしみ:%

凪:57[GC]#

 

第3セットは、勝ちたいなら関係ないものの連続して先手で気合いが入ります。しかし、自信を持って9枚出しをしたところあっさりと返されてしまいました。57で上がられていることから分かりますが、全出ししても負けています。

 

ということで、運にも恵まれず知識も足りずといった感じで今度はストレート負けしてしまいました。

 

対マリンさん

マリンさんは大会、オンラインともに常連で、このPQCSを前にして6回タイトルを獲得しているトッププレイヤーです。1枚出しから10枚出しまでのあらゆる素数を使いこなし、有利な状況での勝ちを絶対に逃さない立ち回りの強さを持っています。

 

この試合は私にとって3回目の大型大会の準決勝、初の決勝進出がかかった戦いになります。とはいえベスト4ともなるとどの相手も強く、今の実力と環境では10回の準決勝に出て1回優勝できるかといったところです。お祈りしつつ最善を尽くしましょう。



マリン:(3AXAKJ284X2)

さしみ:(3747986T57J)

マリン:KX=2*2^4*XA|X=Q|X=4

さしみ:D(K)%

マリン:J8A3#

 

第1セットはマリンさんの先手でした。初手KQから何もできずに組み切られました。これはどうしようもありません。ついでに私でも同じことができます。

 

さしみ:(QKK7A773Q62)

マリン:(58JXQ6A2K43)

さしみ:D(3)Q3Q3K7K7762A,P(Q95T229JT69X)

マリン:D(T)KQ=2^5*4A

さしみ:D(5)KK=TA*X|X=K

マリン:D(9)%

さしみ:D(A)5623

マリン:D(4)9643

さしみ:D(6)QQQJ

マリン:D(7)%

さしみ:D(J)659

マリン:D(K)KXJ|X=K

さしみ:D(A)%

マリン:T87#

 

第2セットはこちらが先手となります。全出しして悪くない手札になったところに、突然KQを出されました。なんとかKKで返すことはできたものの手札は大幅に弱体化、一度は4枚出しを制しますが絵札が足りなくなって組み切れませんでした。悔しい負けです。

 

とはいえ、実戦の状況から勝ち切るのは想像以上に難しいです。実は5623を出した場面で全出ししても相手は上がれなかったそうなのですが、そうしてもちょうどXと後のK3枚が拾えず意外と苦しくなります。途中で相手が都合よくカマトトしてくれればチャンスも回ってくるのですが。

 

いろいろと検討したところ、976231→Q2QQTJ→57→57→99623と組むのが一番人類向けに見えます。ただ、相手の合成数カマトトには全出しでぴったりK3枚まで取れますが、素数でカマトトされると厳しいような気もしますね。知らんけど。我こそはという方はnishimuraさんの数譜再生くんで最強の組み切りを考えてみてください。

https://searial.web.fc2.com/tools/sosusaisei.html

 

マリン:(T934KK935TJ)

さしみ:(AKQ94J76QA4)

マリン:D(5)55343

さしみ:D(3)96443

マリン:9JTKK

さしみ:D(K)KQKQJ

マリン:%

さしみ:7

マリン:D(8)9=8^T,P(AT7)

さしみ:AA#

 

第3セットは後手でした。相手の5枚出しに対して、ドロー次第では5枚10桁を返せるようにと、しっかり5桁の素数で返せたのは個人的には嬉しいポイントです。黒しじみ。相手の切り札は9JTKKとそこそこ強いですが、Tを引けばQJQTK、KまたはXを引けばKQKQJを返すことができます。運命のドローは……。

 

30枚中5枚の当たりを引きました。KQKQJで返します。とはいえ、残りの手札はAA7となっていて意外ときついです。理想を言えば、初手は76441のような素数を返してKQKQJ→139と即座に上がれるようにすべきでした。こちらならJドローでも9QKJJ→QA3で勝てますし。この辺りは突き詰めるとキリがありません。

 

ともかく、私には2つの選択肢がありました。返されないことに賭けて7を出すか、引いてみるか。これには悩みました。

 

ここで、出された札について考えてみましょう。Jは2枚、Kに至っては4枚が既に場に出されています。すると、相手は、JかXを持っていなければ素数で7に返すことはできません。しかし、今手札にそれを持っている可能性はとても低いです。もしJが手元にあれば切り札はKKJTJだったはずですから。

 

そして、山札29枚のうち、JとXは合わせて4枚。先ほど鬼のようなツモをした後で過信するものではありませんが、ドローに決めて3の倍数になるよりは確率が低いでしょう。そこまで考えて、実戦では7を出しました。

 

ちなみに、その理由として、ドローして知らない組み合わせになるのが怖い、とも思っていましたが、これは杞憂でした。詰まない組は8通り、どれも知っている素数で上がることができたようです。全部そこそこ基本ですね。ただし、やはり実戦の方が勝てそうです。

 

ということで、相手がドローしたのは8、少ない枚数で合成数もなく、無事にAAで上がることができました。

 

さしみ:(2A698J32A9T)

マリン:(5JK73446AK8)

さしみ:D(Q)9Q9A2T8J6A23,P(K877T74JJ559)

マリン:D(Q)JQKKA3445678,P(X5T8T4KAX3Q3)

さしみ:D(6)57[GC]

さしみ:D(2)57[GC]

さしみ:D(9)92692847J9,P(2Q65757)

マリン:57[GC]

マリン:D(5)885564A3A3

さしみ:D(7)987643A2TJ

マリン:KKKQQJXTTX|X=J|X=J

さしみ:%

マリン:443#

 

第4セットは先手となります。全出し後にK1枚絵札7枚と、勝ち筋の見当たらない手札です。数札が比較的均等なので超多枚を出そうと思いましたが、4抜きを十分に覚えていなかったため知っているものはありませんでした。

 

結局、山札の残りを回収して手番を渡し、10枚出しで組み切られてしまいました。手札の差があったので仕方ない面はあります。一応、超多枚を活用するなら998877665532KQTJQTJ→J1497と出せば勝つことができたようです。後ろはHNPを狙っても良いでしょう。

 

これで、1-3で負けが決まりました。第2セットでの綺麗な立ち回りか、第4セットでの超多枚からのHNPができればまだ勝機はあったと思いますが、全体的な運は若干の逆風だったと言えるでしょう。

 

まとめ

2次予選をなんとか通過し、決勝トーナメントに入ることはできましたが、準決勝は敗退、決勝進出はなりませんでした。また、その後の決勝ではカステラさんがマリンさんを破り優勝、タイトルを獲得しました。おめでとうございます。私もこれから優勝を射程圏内にできるよう、地道に知識を増やしていきたいですね。

 

おわりに

PQCS2024夏の参加記としてはこれで終わりになります。最後までお読みいただきありがとうございました。大会主催のマリンさん、対戦相手の皆さんにも深く感謝を申し上げます。それではまた次回!