去りし過去との対話

あずまと申します。

「エッセイ Advent Calendar 2024」へひとつ記事を登録し終えたときに、なぜか「もうひと枠いただいていこうかなぁ」と思いついて、とくにネタもアイデアもなく勢いで「登録」ボタンをクリックしていました。

adventar.org

枠をいただくときに、ぱっと浮かんだのが「音楽エッセイ」。

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受動型の娯楽、たとえば「ドラマを観る」や「朗読劇を聴く」といっても、様々なスタイルがあります。

「ソファーに座ってドラマを観る」
「ジムで自転車を漕ぎながらドラマを観る」
「寝落ちするまでベッドの中で朗読劇を聴く」
「通勤中に運転をしながら朗読劇を聴く」

…etc

様々なスタイルがあるといえば「音楽」も、たくさんの楽しみ方がありますね。

今年の春頃、『ビルボードジャパンの挑戦 ヒットチャート解体新書』という本のニュースを偶然Xで目にして、その場で本屋さんに予約し、購入しました。
私はどうも、無意識に「音楽」に関する情報を求めているところがあるようです。

この本の主旨は、「アーティストのヒット指標を分析する際、過去からの推移や内訳も踏まえて分析することで、そのアーティストがこれからさらにヒットするための戦略を導き出せる」という内容でした。
本の内容についてはここまでにしておきますが(面白いのでよかったら読んでみてください。)、こちらの「ヒット指標の”内訳”」が、さきほどの「音楽の楽しみ方」にかかってきます。

――あなたの音楽の楽しみ方は?

・CDをレンタルします!
・CDを買います!
・ラジオを聴きます!
・カラオケで歌います!
・インターネットでMP3を買います!
・ストリーミングサービスで聴きます!
・YouTubeでミュージックビデオを観ます!
・ライブに行きます!!

『ビルボードジャパンの挑戦~~』では、ストリーミングサービスやYouTubeの再生数がこれから新規ファンになる可能性をもつ「楽曲に興味がある層」の指標であり、他方、CD売上やMP3売上が「アーティスト自身のファン」の指標であると考えられ、内訳を分析することは「どのファン層に支えられているのか」の理解につながるのだと述べられています。

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私はそれなりに長いこと、CDをレンタルして音楽を聴いていました。
これが過去形なのは、今はストリーミングサービス中心になってしまったからです。

私がストリーミングサービスを完全に受容したのは一体いつごろだったか。2020年前後にLINE MUSICを契約したのが最初だったのではないかと思います。
それまではiTunes Storeで購入するか、CDを購入するか、CDをレンタルする、という選択肢しかありませんでした。

借りたり購入したりした楽曲は、データになってどこかに保存されるわけですが、これがあとになって面白い現象をおこします。

私はかなりの整理整頓下手なので、PCを買い替えるたび、iPodを買い替えるたび(今はiPodも過去のものですね…)、スマートフォンを買い替えるたびに、楽曲の同期をやり直すことはそうそう滅多にありません。あ、すごく思い入れのあるアルバムはちゃんと同期しますけどね。

 

――「すごく思い入れのあるアルバム」の例――
columbia.jp www.jvcmusic.co.jp

 

それが後年、「なぜ取り込んだか分からないアルバムのデータ」になって突然私の目の前に現れます。
「なぜ取り込んだか分からないアルバムのデータ」に出会うのはとても面白いです。
わからない、といいつつ、記憶を少したどれば経緯を思い出せるものもあります。

当時一緒に授業を受けていた同級生の「推し」だったアイドルのアルバム。
カラオケに誘われて、急いでレンタルの10枚1,000円キャンペーンで仕入れたアルバム。
ほんとうに、取り込んだ時期すら吹っ飛んでいるアルバム。
まれに、シングル。なぜ有名楽曲ではないこの1枚だけが。
社会人ではじめて独り暮らしをしてヨレヨレだったとき、ひさびさの何も用事のない休日。何か慰めてくれるものがほしくて借りたアルバム。

眠っていたデジタルデータの楽曲たちと奇跡の対面を果たして、思い出が呼び覚まされるのはとても楽しいですね。記憶の箱にしまい込まれた過去へのタイムトラベル。
今もゲームのBGMはCDで購入することが多いので、また10年くらいしたら驚きの再会が待っているかもしれません。

いやいや。
でもちゃんと整理整頓しなくてはいけないね、と思いました。
なのでこのブログにも「おんがく」カテゴリを追加しました。
この記事が第1号ですね。

整理整頓が下手で、音源があっちゃこっちゃに散らかっている私より断言しますが、「いろいろなアーティストと音楽を知っている人は、整理整頓も得意」説はまちがいないと思います!

(おわり)