水はガブガブ飲めば良い?(前編)

水自らがヒトにメッセージを送ることは無いが、水は人体にとって欠かすことの出来ない基本的な構成要素であることは間違いない。水分摂取が適切に行われないと、時には重篤な症状を引き起こしかねないし、最悪命を落とすことになる。
そんな大切な水だから、適切な水分摂取の重要性を訴えていくコトはとても良いことだと思う。ただちょっと、そんな情報の幾つかには拡大解釈があったり、健康効果を痩せることと結びつけたりと、どらねこにとってはちょっと危うい記載が見られるコトもある。(10の9乗級雑誌とか)
結論が妥当なもので有ったとしても、説明内容が妥当で無かったりすると第一目標を達成した後、次の段階に進む為のコストが嵩んでしまう虞があると思う。そこら辺をもうちょっと配慮して欲しいなぁ、と思うことがあるけど、自分が細かいだけだろうか。まぁ、いいや。
前編では水の大切さの復習を、後編では水分摂取で注意したいことをオハナシしようと思っております。

【水分不足で怖いこと】
水分不足でコワイのは勿論脱水状態ですね。熱中症はこの脱水が原因となって発症する事が多いのですが、脱水はこのほかに脳梗塞や心筋梗塞などの原因にもなりますので、十分な注意が必要ですね。
水分減少割合と引き起こされる症状

やっぱり水は大切だから、ガブガブ飲んだ方が良いんじゃないの、どうなの。
ところで、成人では一日どれくらいの水分を必要としているのでしょう。再確認がてら、水分出納図を作ってみました*1。

水は飲むだけではなくて、食事にも含まれて居るんですね。代謝水は食べた物を燃焼させる際に発生する水のコトで、コレを併せれば半分以上は食事由来の水分なんですね。
随意尿は体内に入ってくる水分量により変動する尿のコトです。沢山飲み過ぎた場合にはこの随意尿として排泄される水分が増えることで、水分の出入りは一定に保たれる訳なんです。

初めに脱水の症状を図で示しましたが、実は脱水のタイプは一つじゃないんです。

■汗かいた(下痢をした)→水分補給→低張性脱水
■汗かいた→飲まない→高張性脱水
だいたいこんな感じかなぁ?
脱水のタイプによって自覚症状も異なるし、水分補給の仕方が変わってくるのですね。だから、ただ単に水をがぶがぶ飲めば健康になれるというわけじゃあないんです。

次回は水分摂取の注意点みたいなことを書きます。(おそらく)

*1:3つの図はどらねこが作成したものです。作成にあたっては医学書院の臨床検査データブックを参考にさせていただきました