貞本義行
さだもとよしゆき
東京造形大学卒業。
株式会社カラー相談役。妻は漫画家のたかはまこで、現在の居住地である高浜市は妻のたかはの出身地でもある。
特徴的な描線や人体のラインは貞本タッチとも呼ばれ、その画風は90年代以降の日本のオタクシーンに多大な影響を残している。高い画力で十代の頃から作画監督を務め、アニメーターとして高い評価を得てきた。
エリック・クラプトンのアルバムのジャケットを手がけたこともある。また宇多田ヒカルの「桜流し」などのジャケットも担当している。
多くのアニメ作品でキャラクターデザインを務める。
貞本が描く男性キャラは細身で女性的な顔立ちのキャラが多い。キャラの顔の描き分けは乏しく、髪型や服装による違いくらいでしか見分けることができないことが多い。この点は本人も自認している。
略歴
大学在学中の1981年、「第16回週刊少年チャンピオン新人まんが賞」に応募し、入選。漫画家デビューを果たす。
その後、後輩の前田真宏の誘いで『超時空要塞マクロス』の原画にアルバイトで参加した際に庵野秀明・山賀博之らと知り合う。このことをきっかけにガイナックスの前身となる同人グループDAICON FILMに所属し、大学生活の傍ら東京と大阪をバイクで行き来して活動を行う。
大学卒業後、テレコム・アニメーションフィルムにアニメーターとして入社。3ヶ月ほど勤めたあと、『王立宇宙軍 オネアミスの翼』の製作のため立ち上げられたガイナックスに移籍する。
以降80年代から90年代にかけて、ガイナックスの中核メンバーとして多数の作品でキャラクターデザインを担当した。
また、90年代前半から漫画家としても少しずつ活動を再開し、1994年には『新世紀エヴァンゲリオン』漫画版(いわゆる『貞本エヴァ』)の執筆を開始。本作はテレビアニメ版に先行する形でスタートしており『Q』の放映後となる2013年に無事完結した。
2021年現在は漫画家、イラストレーターとしての活動が中心となっている。
趣味は映画、バイク、車、アイドルなど。バイクは漫画の題材としても度々取り上げている。
影響を受けた漫画家に松本零士、永井豪、福山庸治を挙げている。
アニメーターとしてはテレコム時代に大塚康生に師事した。大塚からはアニメーション技術だけではなく、考え方や趣味などにも大きな影響を受けたという。
小林治と親交があり、2021年4月には小林の訃報を受けてFacebookに追悼のコメントを掲載している。
『.hack』へは、プロデューサーの松山洋が半年がかりで口説き落としてやっと参加することになったという。当初参加を渋っていた理由については完全設定資料集の販売イベントにおいて松山が振り返る形で言及しており、「なぜガイナックス(当時)の社員なのに、別の会社のゲームのキャラを描かなければいけないのか」「ゲームが好きではない」「キャラクターデザインだけではなく、企画の段階から関わりたい」というものであった。また、自身のイラストの3Dモデル上での再現度などにもこだわりを持っていたことが明かされている。→当時の記事
テレビアニメ
- 超時空要塞マクロス(第9話原画)
- ふしぎの海のナディア(キャラクターデザイン)
- 新世紀エヴァンゲリオン(キャラクターデザイン)
- 彼氏彼女の事情(声の出演・原画)
- 忘却の旋律(アイバーマシンコンセプト)
- .hackシリーズ(キャラクター原案)
- 天元突破グレンラガン(最終話原画)
- グレンダイザーU(キャラクターデザイン)
OVA
映画
- 王立宇宙軍オネアミスの翼(キャラクターデザイン・作画監督・原画)
- 天使のたまご(原画)
- 新世紀エヴァンゲリオン(キャラクターデザイン)
- 時をかける少女(キャラクターデザイン)
- ヱヴァンゲリヲン新劇場版(キャラクターデザイン)
- サマーウォーズ(キャラクターデザイン)
- おおかみこどもの雨と雪(キャラクターデザイン)
ゲーム
- 餓狼伝説(メガドライブ版パッケージイラスト)
- .hack(キャラクターデザイン)
- .hack//G.U.(デザイン監修・パッケージデザイン)