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月光仮面

げっこうかめん

どこの誰かは知らないけれど 誰もがみんな知っている。
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概要編集

1958年2月24日から1959年7月5日までKRテレビ(後のTBS)で放送されていた川内康範原作の連続テレビ番組。ならびに作品に登場する覆面ヒーロー名前。日本の特撮ヒーロー番組の元祖でもある。


日本で正義の味方という言葉が初めて作られた作品。


一人の人間が「自分は正しくあろう」と決意する。

それが権力暴力などによってくじかれようとした時に月光仮面はあらわれて助けてくれる。

すなわち月光仮面自身は正義ではない

正しくあろうとする者の支援者にすぎない。

一人一人の視聴者に「まず自分が正しくあれ」と呼びかけた作品である。


テレビ放送が始まった当初、KRテレビ(後のTBS)では圧倒的なコンテンツ不足であった。輸入して放送されていた海外ドラマには人気が高まっていた為、国内で人気番組を作る必要性が出て来たのである。

本作は当時人気が高かった「テレビ版スーパーマン」を手本にしている。戦前映画の「鞍馬天狗」も参考にされた。覆面ヒーローになったのは、(当時の)有名な映画俳優を小さなテレビ画面には呼べなかったという事情もあった。


長年にわたって「日本初のフィルム収録によるテレビ映画」と言われていたが、本作品以前の1957年に放送を開始していた『ぽんぽこ物語』のフィルムが2019年に発見されたため、現在はそちらが日本初とされている。


登場人物編集

  • 祝十郎(いわい じゅうろう)

私立探偵。彼が姿を消すと入れ違いに月光仮面が現れる。そのため「月光仮面の正体では」と目されるが、作中登場人物が全く疑問に思わないのが全編のお約束である。

視聴者目線であれば毎週、月光仮面の登場するタイミングが予測出来てしまう。


  • 月光仮面

全身タイツに白い手袋ブーツターバンマフラー(あるいはマント)を身につけ、サングラスで顔を隠している。

悪事のある所に主題歌「月光仮面の歌」と共にオートバイで現れ、悪を退け正しい人々を救う。

生身の人間であるが、少なくとも4M~5M以上は跳べるジャンプ力や瞬間的に他の場所に姿を表したりなど普通なのか超人なのか曖昧な所はあるが、決して強い超能力などを持っているわけでは無い。ハッキリした設定は存在しない。


憎むな!殺すな!赦しましょう!※ という理念を持ち、悪人といえども懲らしめるだけで命は奪わない。

※ 所謂「おふくろさん騒動」の勃発後、小説版の再版が行われた際に「憎むな、殺すな、真贋(まこと)(ただ)すべし」と改められている。

超絶的な二丁拳銃の技量を持つが、威嚇や相手の武器を撃ち落とすのみに使う。


モチーフは月光菩薩であり、モデルは極真空手の大山倍達である。

使用拳銃はFNブローニングM1910

アニメ版ではなぜか拳銃をほとんど使用せず、変幻自在のムチ、青い手裏剣「ブルースター」、バックルに仕込んだ三日月ブーメラン等を活用する。


  • どくろ仮面

実写版第1部の敵。10分番組であった第1部のフィルムは断片的にしか現存していない為、後の時代で知名度は低い。

  • サタンの爪

第2部(アニメ版第1部)の敵。パラダイ王国の秘宝を狙う、悪魔の仮面を付けた人物。「けっこう仮面」の「サタンの足の爪」のモチーフになった。

  • マンモスコング

第3部(アニメ版第2部)で物語の中心になる巨大怪獣で、マンモスのように大きいキングコング。後にはマンモスコングに対抗する為のロボット、「人工コング」も建造される。

  • ドラゴンの牙

アニメ版第3部の敵。水質汚染を浄化するHO結晶体を開発した、柳木博士を狙う。


作品解説編集

白黒のテレビ版からアニメ版、映画版と様々な媒体がある。


初代編集

1958年~1959年まで白黒テレビ放送された。

平均視聴率は40%、最高視聴率は67.8%(東京地区)を記録し、放送時間に銭湯から子どもの姿が消えたという。


映画編集

白黒テレビ版放映当時、その人気を受けて、東映によって実写映画化された。モノクロで6作品ある。

演じる俳優はテレビと異なる。


テレビアニメ編集

「正義を愛する者 月光仮面」のタイトルで1972年に全39話が放送された。カラー。

製作は後に『チャージマン研!』を作ることになるナック

月光仮面もターバンではなくヘルメットに変更することでオートバイに乗るのに適したものへとデザインしなおしたが、川内はそのデザインを気に入っていたという。

1999年~2000年にはギャグテイストの「ごぞんじ!月光仮面くん」(全25話)が放送される。


再度の実写映画編集

1981年に作られた。当然カラーである。敵は「ニューラブカントリー」と名乗るカルト宗教団体。

設定が一部変更され、月光仮面の肩書きも「愛の助っ人」に変わっている。

ジョージ小原という科学者が月光仮面に扮装して悪事と戦い、取り戻された大金のテン・パーセント(10%)を手数料として徴収してしまう、一種のクライムファイターである。


主題歌編集

近藤よし子の歌う『月光仮面は誰でしょう』は元々挿入歌として作曲されたもので、上の動画にある、『月光仮面の歌』が当初の主題歌であった。

『正義を愛する者~』では歌詞こそ同じものの、メロディーは実写版と異なる。これは作曲した三沢郷が実写版の存在を知らなかったことが原因。


関連作品編集

川内三部作:レインボーマン ダイヤモンド・アイ コンドールマン

永井豪によるパロディマンガけっこう仮面

SPEEDWAYTM NETWORKの前身にあたるバンド)による楽曲:Rockin' on the 月光仮面

ドラえもん:「ガッコー仮面」というパロディキャラが登場する。その正体は……


関連タグ編集

川内康範

正義の味方 特撮 ヒーロー

こうもり男:アニメ版第一話の敵。デザインがどう見ても裏切り者の名を受けて全てを捨てて闘う男であるが、初出はこちらが先。

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