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デビルマン

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でびるまん

永井豪原作の漫画・アニメ。人類を滅ぼさんとする異形の種族デーモン軍団と、彼らを裏切り人間に味方するデビルマンとの熾烈な戦いを描いた作品。バイオレンスな作風とおどろおどろしい雰囲気から根強い人気を誇っている。

概要

永井豪の漫画作品。または東映のTVアニメシリーズ。

永井豪の打ち切り漫画『魔王ダンテ』を気に入った東映が、悪魔を主人公にしたヒーローものを多媒体で展開したいと考え、漫画アニメが同時進行で制作されたため、厳密に言えば漫画版がアニメの原作にあたるというわけではなく、別作品と言っても過言ではない。

だがアニメ版もデビルマンデーモン族のデザインは永井豪が担当しており、東映サイドの「飛鳥了をアニメ版にも出したい」という要望に応じヒムラーを別個にデザインするなど、アニメ版でも原作者のポジションにあたるのは永井豪である。

このあたりの細かい事情は、永井豪の自伝漫画「激マン!」に非常に詳しく描かれている。

基本ストーリーは、悪魔デーモン族)の力を手に入れ「デビルマン」となった主人公不動明」が、地上侵略を目論むデーモン軍団と熾烈な戦いを繰り広げるというもの。

漫画版とアニメ版とは作品の性質が正反対と言ってよく、アニメ版がその特異な設定を活かしつつもあくまで子供向けの勧善懲悪路線を貫いたのに対し、漫画版は黙示録をモチーフにした、極めてヘビーでハードな内容になっている。

漫画版、アニメ版双方に熱狂的なファンが存在する。

漫画版

1972年25号~1973年27号に『週刊少年マガジン』で連載された漫画。全5巻。

終始ハードでダークな内容で、壮大なスケールから世界中でカルト的な人気を誇る伝説的な名作。

「デビルマンとデーモン軍団との対決」という根幹はアニメと一緒だが、物語後半にデーモン軍団の一斉攻撃が始まってからは、これでもかと言わんばかりのみんなのトラウマ展開が続く。

デーモンの脅威に怯える人類は、疑心暗鬼のあまり中世の魔女狩りさながらの「悪魔狩り」を行い、同胞である人間たちを次々と虐殺していく。その結果、不動明(※原作版・不動明(ふどうあきら)参照のこと)は愛する者をすべて失ってしまう。

信じていた正義、愛する人間、守るべき世界、生きる意味の全てを失い、人間に絶望したデビルマン=不動明だったが、最後に残った唯一の拠り所として、人類を滅亡に追い込んだ大魔神サタンを倒すべく、同じ境遇の仲間であるデビルマン軍団を率いてデーモン軍団黙示録さながらの最終決戦に身を投じる。

そして・・・・。

終盤は永井豪自身も殆ど自動書記状態で描いていたらしく、衝撃の事実とどんでん返しの連続、人間の弱さと醜さを徹底して描き尽くした神がかりな筆致、そして神話さながらの壮大なラストは、後の作家や各種創作物に多大な影響を及ぼした。

ライブアライブ」「新世紀エヴァンゲリオン」などが、特に影響が顕著なことで有名。

新房昭之は自身の監督作を「何を作ってもデビルマンになってしまう」と語っている。

なお、後年に永井が箸休め的に描いた、本編とほぼ無関係な歴史モノの番外編「新デビルマン」が、現在発売されている新装版や文庫版などには、何故か必ず本編に組み込まれることになっている。連載当時の状態のままで読める単行本は「復刻版」だけとなっていたが、これも絶版になってしまった。

永井本人はどうしても書き直し・書き足しを加えた状態で読んで欲しいようだが、そこまでこだわる理由は不明である。推測すると、恐らく歴史中の人間の「悪」や、飛鳥了の不動明に対する感情が読者に伝わるためだろう。

アニメ版

TVアニメ版・デビルマンは特異な設定を活かした正統派ヒーロー作品である。設定としてはデーモン族最強勇者デビルマン」が殺害した不動明の体を乗っ取るも、人間の愛に目覚めデーモン族を裏切り人間を守るために戦い続けるというものである。漫画版のデビルマンが「デーモンの体を乗っ取った人間」であるのに対しアニメ版デビルマンは「人間の体を乗っ取ったデーモン」なので、ある意味好対照な存在と言えるだろう。

正統派ヒーロー作品とはいえ随所に永井豪テイストがちりばめられており、脚本家辻真先が永井豪のファンであったためか勧善懲悪に終わらない一種毒のあるストーリーも多々存在する。

また、スタッフはアニメ版のデビルマンもいずれはデーモン族との戦いの末に散ることを仄めかしている。

ユーモアと深みのある完成度の高い脚本、宿敵デーモン族が奏でる怪奇でおどろおどろしい雰囲気、そして何より決して軸のぶれない男気あふれるデビルマンの格好良さと愛のために戦い続ける生き様から、根強い人気を誇る不朽の名作である。

漫画版のデビルマンが「人間の弱さや醜さ、潜在的な悪」を描いたのに対しアニメ版は「それらを超え、悪魔をも変える人間の愛」を描いているともいえる。

因みにシレーヌは原作に先駆けて登場しており、それを見て気に入った永井豪が原作にも出している

1987年には漫画版をベースにしたOVAが展開され「誕生編」、その三年後の1990年に「妖鳥シレーヌ編」が発売された。詳しくはデビルマン(OVA)を参照。

後厳密に言うならアニメ版デビルマンに対して漫画版のデビルマンは原作ではなくメディアミックス的な同時展開であり言うならばなかよし版地獄少女や冒険王で連載してた仮面ライダーみたいな立ち位置である。

2018年には湯浅政明監督による新作『DEVILMAN crybaby』がNetflixにて2018年1月5日から配信された(全10話、R18)。内容は漫画版の展開を主軸としつつ、オリジナルキャラの登場、原作とは多少違った展開が存在する。アニメ作品として、初めて物語の始まりから最終戦争(アーマゲドン)まで描かれた。また、スマートフォン、SNS、動画配信、フリースタイルラップなど、現代の要素が多く盛り込まれている。

映画版

ある意味伝説と化している実写映画版も存在する。実写版デビルマンの項目を参照されたし。

続編とスピンオフ

「デビルマン」の名を冠した作品は、異なる作家によるスピンオフを含め多数存在するが、永井豪自身の筆による正統な続編に位置付けられるのは、実はバイオレンスジャックである。ただし、最終章になるまで全くわからない構成になっている。

また、その後に書かれたデビルマンレディーも、「バイオレンスジャック」とは違う分岐を辿ったデビルマンのパラレルワールドとでも言うべき作品である反面、ジャックと同一の現象が発生している事等から多少ジャックとの世界線の一致も考えられるが、原作と多少食い違う点はあれど、最終的に「デビルマン」の続きという位置に収まった。

デビルマン最終章と位置付けられている「デビルマンサーガ」は「デビルマン」の世界とは繋がりの無いままで、リメイク作品ととれる形で完結を迎えた。

令和の奇跡!細野不二彦とのコラボ「デビルマン人間戦記」がある。

派生作品一覧

以下、永井豪本人の筆によるものは太字

漫画版デビルマン関連

  • バイオレンスジャック
    • まず週刊少年マガジン(講談社)で1973年7月22日号から1974年9月30日号まで、その後月刊少年マガジン(講談社)に移り1977年1月号から1978年12月号まで、さらに週刊漫画ゴラク(日本文芸社)で1983年8月5日号から1990年3月23日号まで連載。
    • 上記の通り事実上の「続編」にあたる。詳細は項目を参照のこと。
  • デビルマンレディー
    • モーニング(講談社)1997年7号から2000年30号まで連載。
    • 当初は「デビルマンという漫画が存在する世界」と説明されていたが、話が進むと明確に「不動明の戦いの歴史が漫画として描き起こされている」ことが明らかとなる。
    • 文庫版で結末部分が加筆されている。
    • アニメ版は設定やストーリーが大きく違い、漫画版デビルマンの世界との関係は無い。
  • デビルマンサーガ
    • ビッグコミック(小学館)2015年1号から2020年3月まで連載。
    • 連載開始時点からデビルマンの最終章である事が明言されている。年齢的にも最後に挑むデビルマンとなるか?
  • ネオデビルマン
  • 激マン!
    • 『激マン! デビルマンの章』が週刊漫画ゴラク(日本文芸社)で2010年6月4日号から2012年9月21日号まで連載。
    • 一応は架空のキャラクターである「ながい激」を主人公にした永井の自伝的漫画。現在の筆による完全な描き直しページが大量に挿入されつつ進行する。
  • AMON デビルマン黙示録(原作永井豪、作画衣谷遊
    • マガジンZ(講談社)に連載。
    • 原作の美樹の死により、「もし明が暴走し、アモンに人格を食い尽くされたら?」というIFで始まる漫画。
    • OVA化もされたが、こちらは漫画とは一部設定に差異がある。
  • デビルマン対闇の帝王(原作永井豪、漫画TEAM MOON)
    • 月刊ヤングマガジン(講談社)に連載。
    • デビルマンとマジンガーの生誕40周年記念に執筆された「美樹を暴徒に殺された地獄に殴り込み生き返らせろと文句を言う」という凄まじい内容の漫画。グレートマジンガーの世界に飛ばされた明が「グレート」の悪の親玉たる闇の帝王と闘う。
  • サイボーグ009VSデビルマン

アニメ版デビルマン関連

リメイク

  • 闘神デビルマン(原作永井豪、作画岩本佳浩
    • コミックボンボン(講談社)で1998年11月号から1999年5月号まで連載。
    • アニメ版デビルマンに原作の要素を取り入れた内容で、史上初のデビルマンと共闘するシレーヌが見られる。
  • デビルマンG(原作永井豪、漫画高遠るい
    • タイトルは「デビルマングリモワール」と読む。
    • チャンピオンRED(秋田書店)で2012年5月号から2014年2月号まで連載。
    • アニメ版と漫画版のキャラが独自の設定や解釈で入り乱れるマッシュアップの如きパロディ。珍しく美樹が主人公。私は魔女よ!

登場人物

メインキャラ

原作版・不動明(ふどうあきら)…主人公

飛鳥了…明の親友

牧村美樹…ヒロインであると同時に明の幼なじみでもある。

牧村健作…美樹の弟。通称タレちゃん。

牧村耕三…美樹の父親であると同時に明の両親の親友

牧村亜樹子…美樹の母親

不良グループ

木刀政…木刀が得物で不良グループのリーダー。

ドス六…ドスが得物。外伝作品では主人公を務める。

メリケン錠…メリケンサックが得物。

カミソリ鉄…剃刀が得物。グループ内では一番の大男。

チェーン万次郎…が得物。唯一明るめのコートを着用している。

悪魔人間(デビルマン)軍団

ミーコ

プフール

デスプロー

ボンズ・オブ・ヒンズー

デーモン

詳しくはデーモン族を参照

その他

サッちゃん…不動明の恋人と自称する。

ススムくん…タレちゃんの親友。

雷沼教授

パロディ

デビルタカマン・・・とんねるずのみなさんのおかげですのパロディコーナー

ビビルマン・・・漫画『あばしり一家』ゴーモン族の巻に登場したパロディキャラ。オリジナルビデオ『けっこう仮面3』にも登場。

影響

その強烈なストーリーにより多くのフォロワーを生み出し、天使と悪魔との戦いという黙示録的テーマは日本の漫画・アニメでも多数作られた。

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