基礎データ
全国図鑑 | No.0201 |
---|---|
ジョウト図鑑 | No.061 |
シンオウ図鑑 | No.114 |
ヒスイ図鑑 | No.142 |
ローマ字表記 | Unknown |
分類 | シンボルポケモン |
タイプ | エスパー |
高さ | 0.5m |
重さ | 5.0kg |
性別 | 不明 |
特性 | ふゆう |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | アンノーン | unknown(英語で未知の) |
英語・スペイン語・イタリア語 | Unown | unknown(未知の) |
ドイツ語 | Icognito | inkognito(匿名で) |
フランス語 | Zarbi | bizarre(奇妙な)の倒語 |
韓国語 | 안농 | 日本語名の音写 |
中国語(簡体字) | 未知图腾 | 未知(wèizhī、未知、分からない)+图腾(túténg、トーテム) |
中国語(繁体字) | 未知圖騰 | 未知(wèizhī、未知、分からない)+圖騰(túténg、トーテム) |
デンマーク語 | Ukendt・Ukendte | Ukendt・Ukendte(未知の) |
フィンランド語 | Tuntemattomat | Tuntemattomat(未知のもの) |
ヘブライ語 | אנון | 英語名の音写 |
ヒンズー語 | नामालूम | ना मालूम(Naa Maaloom、未知のもの) |
ハンガリー語 | Öntudatlan | Öntudatlan(無意識) |
ノルウェー語 | De ukjente・Ukjent | De ukjente(未知のもの)・Ukjent(未知の) |
ロシア語 | Аноун | 英語名の音写 |
スウェーデン語 | Okänd | Okänd(未知の) |
タイ語 | อันโนน | 日本語名の音写 |
概要
『ポケットモンスター 金・銀』(第2世代)より登場した、ラテン・アルファベットの1文字を変形させたような姿のポケモン。
英単語の「unknown(アンノウン):不明な、謎の」と同じ発音の名前が示す通り、非常に謎が多い存在である。
全アンノーンは1つの丸い大きな目玉から、手足とも角ともつかない棒状のものを何本か枝のように生やしており、身体全体で文字を表している。
『金・銀』当初はA - Zの26種類であったが、『ルビー・サファイア』(第3世代)より「!」と「?」が加わり計28種となった。「!」「?」の2種は他と表情が異なり、目玉の上半分が黒いまぶたのような物で覆われジト目となっている。
アンノーン28種にそれぞれ対応した文字があるが、元々アンノーンが存在しそれを模して文字が作られたのか、あるいは文字が出来てからアンノーンが誕生したのかは未だ謎に包まれており、世界七不思議の1つにまで数えられているという。
ゲーム作中には、アンノーンと酷似した文字が壁面に書かれた遺跡がいくつも登場し(※)、地理的に大きく離れたこれらの遺跡から同一の文字・言語が発見されたことは驚愕に値しよう。
アンノーン達自身も、ポケモン中最も薄い身体を常に壁などに張付け、それらの文字へ擬態している。
生態はまるで判明しておらず、食物を取らない、タマゴより生まれないなど、ポケモンどころか生命体として怪しいところである。
形がそれぞれ異なるのも発揮可能な能力が異なるからとされているが、ステータスに差異はない。
曰く、1匹のみであると何の力もないらしいが、2匹以上が何かしらの法則で並ぶと、他ポケモンでは成し得ない未知の力を芽生えさせるという。
このためため、同族や住処より離れて単独行動することはまずなく、基本的に複数の群れで行動し、互いに固有のテレパシーで意思疎通を行なっている群体生物としての側面も強い。
ゲームや劇場版を見ると、伝説ポケモン達と密接な関係があることが示唆されている。
劇場版においては第3作目ではエンテイの姿と力を正確に再現した分身ともいえる存在を生み出し、第11作目ではディアルガとパルキアが対決した彼らの拠点である時空間にも多数生息しており、ゲーム『ハートゴールド・ソウルシルバー』では、アルセウスが真の力を発揮するとその場所へ集まって来る様子などが見られる。
ズイの遺跡最奥部では「FRIEND すべてのいのちはべつのいのちとであいなにかをうみだす」という古代文字が記されており、シンオウ時空伝説にも何らかの形で関わっているものと思われる。
なお、元ネタはアルファベットなのに、どういう訳か日本をモデルとした地方にしか出現していないのが興味深い所。
日本国外をモデルとしたイッシュ地方以降の地方にも遺跡は点在しているのであるが、そこには一切登場しないという奇妙な立ち位置にある。
(※)ジョウト地方のアルフの遺跡やシンオウ地方のズイの遺跡、ナナシマのアスカナ遺跡がそれである。ジョウトやシンオウではアンノーンを模した古代文字を使用していたが、これは『HGSS』で古代ジョウト地方の人々がシンオウ地方と交流を持っていたためであるということが示唆されている。
ただし、アンノーンが出現する地方でアスカナ遺跡があるナナシマのみ、アンノーンを模した古代文字ではなく、ホウエン地方と同じ点字の文化圏となっている。
ゲームでの特徴
- ジョウトではアルフの遺跡でパズルを解くことで出現するようになる。『HGSS』では、研究所で「アンノーンノート」という捕まえたアンノーンの姿とそのアンノーンが意味する単語が記録されるノートが貰える。
- 遺跡内でラジオをかけると不気味な音が聴ける。この音を流している間はアンノーンの出現率が倍増。『HGSS』ではこの音は「なぞのでんぱ」と呼ばれており、その正体はアンノーンが通信に用いる電波であることが判明。
- シンオウでは、ズイの遺跡に出現。ズイタウンの遺跡近くの民家にいる男の子から捕獲したアンノーンをそれぞれ見せるとアルファベットのボールシールが貰える。
- 214ばんどうろにいせきマニアが掘り続けている「いせきマニアのあな」があり、主人公がアンノーンA - Zを全て捕獲するとズイの遺跡上層へと繋がり、名前も「マニアトンネル」と名称が変わる。遺跡上層には「!」「?」が出現する。
- LEGENDSアルセウスでは、図鑑を完成させるには「紅蓮の湿地」でのイベント後に各地にいるアンノーンを全て見つけて捕獲しなければならない。…のであるが、物干し竿に引っ掛かっていたり、ポケモン像の目となってたり、地面に突き刺さったり、花畑に紛れてたり…と突っ込みどころ満載である。また、低確率で大大大発生で捕まえることが出来るが、この時はズイの遺跡内部に出現する。他ポケモンと異なり外部ではない点に注意。大大大発生時は上記と異なり普通に戦闘となり、色違い個体も出現する。ちなみに野生個体レベルは60台と、過去作と比べて最も高い上、下記の性能の通り本作の「めざめるパワー」仕様によりこちらの弱点を突いて来やすいため、長期戦は危険。
性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
48 | 72 | 48 | 72 | 48 | 48 | 336 |
- 覚える技は「めざめるパワー(以下めざパ)」だけ。遺伝で覚える技がなければ、技マシンで覚えられる技もなく、何と教え技で覚えられる技すらない。そのため「特攻」と並んでアンノーン最大の「攻撃」種族値72が全く意味を成さない残念なポケモンである。
- ただし、第2 - 3世代までではめざパタイプで物理か特殊かが変化したため、めざパタイプ次第ではアンノーンの攻撃種族値が生かされていた。今となっては過去の話であるが……
ポケモンXY
- めざパ威力が60固定となった。元々最大威力70の技であったため、厨ポケですらないのにアンノーン自体がここに来てまさかの弱体化。他のポケモンはめざパ以外にも他の技を覚えられるのでまだ救済されているのだが、アンノーンはこれしか覚えられないため、仕様変更によるある意味一番の被害者となってしまっている。まあ、実際のところは威力60すら出なかった全国の75%のアンノーンが歓喜の声を上げているのであるが……どうでも良い話か。
- もっとも、アンノーンは存在自体がアイデンティティなのでバトルは度外視しても構わないといえばその通りではある。
第7世代
- Zワザ習得により、「ウルトラダッシュアタック」という「めざめるパワー」と「わるあがき」以外の技も手に入れた。
第8世代以降
- 『ソード・シールド』にアンノーンは直接登場しないが、何と「めざめるパワー」廃止という重大事件が起こる。
- その後2020年2月からはポケモンホームで過去作からのポケモンを一部連れて行けるようになったが、「めざめるパワー」は誰がどうやっても使用することも出来ず忘れるように勧められる廃止技になってしまっていたのである。剣盾ではアンノーンを連れてくることは出来ないが、このままだとわるあがきしか出来ないお飾りになってしまうことは確実。
- その後、発売された『BDSP』では「めざめるパワー」は復活はしたが、わざマシン(当時のわざマシン10)はふるいたてるへ変更され、他ポケモン(ミノムッチやトリトドンなど)は習得しなくなったことから、実質アンノーン専用技となった。また、ポケモンホームから連れて来る際に技がソフトごとに管理される仕様となり、本作のようにアンノーンのみ「めざめパ」を実装した上で他ポケモンから「めざめるパワー」を没収する、という措置を取ることで今後の作品でも再登場が叶う可能性が出て来た。
- LEGENDSアルセウスではめざめるパワーが相手に有利なタイプのどれかにランダムへ変化するようになった。
番外作品
『ポケモンGO』
- 2017年2月の金銀本格実装より登場した。当初は伝説ポケモン同様除外されていたものと思われていたが、後に野生で出現することが判明した。しかし問題はその出現率であり、あのラプラスより桁1つ小さい確率である。
- どれくらいかというと実装開始から10日間の日本全国での平均出現数が24.4匹/日であり、これは単純計算して約120km四方の範囲に1日1匹出現する程度。しかも出現場所の傾向が一切分かっていない。
- さらに、金銀での26タイプの姿が存在しており、図鑑にはタイプごとにマークが記録される他、アンノーンの規定数収集が対象となるメダルがある。1匹見付けるだけでも相当な運ゲーなのに26種全部集めるとなるとどれだけの時間とお金がかかるのか……さらに2018年夏以降「!」と「?」も追加されさらに難易度が上がってしまった。
- いくら何でもこのままでは無理ゲーなので、開発側からもイベント等では救済措置が取られることがある。2017年夏に米国シカゴと神奈川県横浜市で行われたイベントでは、アンノーン出現率に大幅な上方補正が掛けられ、対象区域を歩き回るだけで結構な数のアンノーンと出会うことが出来た。ちなみに、出現するタイプは開催地にちなんだものとなっており、シカゴの場合はC, H, I, A, G, O、横浜の場合はY, O, K, H, A, M個体がそれぞれ出現した。
- これ以降、大小様々なイベントでアンノーンがピックアップされており、また交換機能実装で複数手に入れていた場合お裾分けを貰うことも出来るようになっている。後は全種類均等に出てくれればコンプリートもしやすいのであるが。
『ポケモンカードゲーム』
- 世代ごとにデッキに組込める枚数が異なるという違いがある。第3世代までと第5世代以降は「アンノーン」という名前のカードだったため、アンノーンの形状に関わらず1デッキに4枚までしか入れられない。一方で第4世代では「アンノーン+形状名」名義となったため、各形状につき4枚までデッキへ入れられるようになっている。
- また、第7世代以降、特殊勝利の効果を持つ特性がいくつか登場し、アンノーンにもそういった特性を与えられたカードが「超絶インパクト」で数枚登場したが、アンノーンに与えられた特性の発動条件は癖の強いものが多く、それ故に独特作戦が次々と考案されることとなった。特に、以下に示す2つのカードは考案された作戦が余りに反則級であったため、使用禁止となってしまった。
- ①特性「DAMAGE」のカード
- 特性の効果:自分がバトル場にいる際に、気絶していない味方ポケモンの被ダメージ合計が660以上になると特殊勝利
- <考案された作戦>
- ①手札に「爆熱の闘士」収録のクレッフィを用意する。
- ②バトル場に当該アンノーンを出した上で、「ダブルクライシス」収録のスタジアム「マグマ団秘密基地」(互いのたねポケモンはベンチ入りする度に20ダメージ)を展開する。
- ③ベンチを、以下の条件を満たすように組織する。
- 「冷酷の反逆者」収録のマニューラと「マスターデッキビルドBOX EX」収録のランクルスを含む4枚以下(つまり、空きが1個以上ある状態)
- 自分の場に出ている全カードのHPの和が660+(ベンチの枚数+1)×10よりも高い2つ目の条件は一見難しそうに見えるが、HPが300もある「タッグボルト」収録のコイキング&ホエルオーGXを1枚でも使えば意外と簡単に満たすことが可能。
- ④手札よりクレッフィ召喚(スタジアム効果でクレッフィへ20ダメージ)。
- ⑤ランクルスの特性「ダメージスワップ」(味方のダメカンを付替)を発動し、他ポケモンへダメージを付替える。
- ⑥クレッフィの特性「ワンダーロック」(このカード(クレッフィ)自体を「ポケモンの道具」扱いにして他ポケモンに持たせる。この状態のクレッフィを持っているポケモンはメガシンカ済みの相手カードからの攻撃を無効化する)を発動、適当なポケモンに持たせる。
- ⑦マニューラの特性「ひっぺがす」(味方カードが持っている道具1つを手札へリターン)を発動してクレッフィを手札にリターンする。
- ⑧再びクレッフィ召喚。
- ⑨以下、⑤ - ⑧を33回繰返し、味方の被ダメージ量が660となったらアンノーンの特性「DAMAGE」を発動して特殊勝利。
- 当該カード達はいずれも発売時期・方式共にバラバラであり、それらの歯車が偶発的に嚙み合ってしまった恐ろしい例である。
- ②特性が「HAND」のカード
- 特性の効果:自分がバトル場にいる際に自分の手札が35枚以上あると特殊勝利
- <考案された作戦>
- 先ほどの作戦と比べるとバリエーションが多く、手札を加速する様々なカードと組合わせることができる。特筆すべき作戦として、「DPt」収録のカードが使える大会で考案された以下のものがある。
- ①バトル場に当該アンノーンを出し、ベンチに「コールドフレア」収録のカメックスと「ポケモンチャレンジひろば2010/6」の特典として手に入れられるツボツボを用意する。
- ②カメックスの特性「ばくりゅう」(水エネルギーであれば1ターンに何枚でも付けることが可能)を利用してツボツボに水エネルギーを付け、ツボツボのポケボディー「はっこうえき」(エネルギーを得るたびに山札1枚ドロー)を使って山札を引く。
- ③以下、②を手札が35枚になるまで繰返し、アンノーンの特性「HAND」を発動して特殊勝利。
- 手札に「タイダルストーム」収録の「アオギリの切り札」(手札がこのカード以外になければトラッシュから水ポケモン1体を無償召喚。「水ポケモン」の表記のため進化カードでもOK)などがあれば1ターン目から成立してしまうため、非常に凶悪な戦法であった。
- 先ほどの作戦と比べるとバリエーションが多く、手札を加速する様々なカードと組合わせることができる。特筆すべき作戦として、「DPt」収録のカードが使える大会で考案された以下のものがある。
『ポケモン不思議のダンジョン』
- 『探検隊』では「ばんにんのどうくつ」に出現するだけでなく、このダンジョンの謎解き要素にもなっている。それぞれの間の石碑に書かれたアンノーン文字と同じアンノーンの石をトレジャーバッグに入れておき、石碑を調べることでその間のボス(レジ系)と戦うことで先に進めるようになる。
- 『超』ではアンノーンを連れて冒険すると経験値にボーナスが掛かるようになった。
『大乱闘スマッシュブラザーズDX』
- モンスターボールから登場。仲間を呼んだ後、(原作では覚えない)「とっしん」で地形を無視して集団で襲い掛かって来る。
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
前述の通り劇場版ではキーポケモンを務めた。更にED曲「ポケッターリモンスターリ」では『P』の個体が登場した。
- 無印263話
- 体調を崩した『G』の個体がヨーギラスと交流する。こちらでは「人やポケモンの心に触れられるらしい」というオリジナル設定が加えられ、実際に心情風景を具現化させるなどそれを裏付ける展開がなされた。
- DP60話
- ズイの遺跡で謎のキューブを守護していたが、ギンガ団が持ち込んだ3枚のプレートをはめ込んで謎のキューブを取出した際に現れ、ギンガ団によって混乱させられてしまい、時を同じくして遺跡に閉じ込められたサトシ達に対し無差別に襲いかかって来るが、サトシ達の攻撃を受けて正気に戻り、ヒカリのポッチャマの説得でサトシ達を解放した。
- XY112話
観客のシャツのマークがアンノーンG。
- 新無印83話
- 「お星さまになったピィ」を参照。
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- 各地の遺跡奥深くに潜んでるポケモン。5章では7の島・アスカナ遺跡で、ロケット団三獣士・サキに解放・使役される。
『トライアドベンチャー』
- こちらも本来は遺跡に棲息するポケモンといわれている。
余談
- 公式イラストにおいては、登場当初は「G」の形態が単体で使用されることが多かったが、『FRLG』発売に合わせて新しく書き起こされて以降は「F」の形態が単体で使用されるようになった。これは「GAME FREAK」の頭文字に合わせたものであると思われる。
- ちなみに「G」「V」に相当するアンノーンは、元となったアルファベットと似ていない(大文字・小文字共に)。
- 『金・銀』当時の制作陣曰く「最初は適当にデザインしていたが、段々文字に見えて来たのでアルファベットと対応させた」とのこと。
- 「W」のアンノーンは『金銀』とその後でデザインが変更されている。現在は真っ直ぐになっている真ん中の棒が、『金銀』ではくの字に曲がっていたのである。誰が読んだか「フジテレビ」。
- なお、コナミの『beatmania 4thMIX』並びに『5thMIX』の「MODE SELECT」「SOUND SELECT」の文字がアンノーンと物凄くソックリであったりする。
関連イラスト
関連タグ
0200.ムウマ→0201.アンノーン→0202.ソーナンス
関連ポケモン等
- アルセウス・ディアルガ・パルキア・ギラティナ:密接な関係が示唆されている。
- シンボラー:目の部分が「アンノーンのI」とネタとされてるが、こちらも遺跡に関するエスパータイプのポケモンであり、何かしら関係があるかもしれない。