ゴジラ(GODZILLA)とは、アメリカ合衆国のSFX映画『Godzilla』及びその関連作品に登場する巨大怪獣である。
南太平洋でフランスによる核実験が行われた少し後、日本の漁船が沈没する事故が発生。たった一人の生存者はうわ言のように「ゴジラゴジラ……」と繰り返しつぶやいていた。
その頃チェルノブイリでは、現地のミミズが他の地域に比べ大きいことを放射性物質によるものか研究を続ける「ミミズ博士」ニック・タトプロスが今日も元気に雨の中、地面に電極を突き刺してミミズを捕獲していた。しかしそこへアメリカ国防総省の職員が訪れ、わけの分からぬままタヒチへ連れて行かれると、巨大な生物と思しき足跡を目撃する。その後も船舶の被害が相次ぎ、ニックはフランス領で長年行われた核実験により、巨大生物が誕生したのではないかと推測する。その予感は的中し、ニューヨークに突如として現れた巨大生物によって街は大きな被害を受ける。巨大生物の陽動作戦が開始される中、ニックは報道機関に勤める元恋人のオードリーと再会。さらにフランス当局から派遣されたエージェントも現れる。陽動作戦によって姿を表したゴジラは高い知能で人類を翻弄、ニックもスクープを取りたいオードリーのせいでトラブルに巻き込まれるが、ゴジラが餌を集めて繁殖しようとしていると考え、フランス人エージェントたちと独自調査に乗り出す。そこで彼らは信じられないものを目撃するのだった……。
であった。
日本国内での配給収入約30億円と興行成績としては平成vsシリーズトップであった「ゴジラvsモスラ」の配収約22億円を上回る成功を収めたものの、観客の期待を大きく裏切るような従来と異なるゴジラ像であったことや、登場人物の多くが非常にステレオタイプな描かれ方で魅力に乏しいことなどが原因で、ゴジラ作品としての評価は低い。東宝側ものちの作品の登場人物に「アメリカにゴジラと酷似した生物が出現したが、学者は同類とは認めていない」「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」との台詞を言わせるなど、やはり思う所はあるらしい(スーツアクターや監督の辛辣なコメントも残っているがここでは割愛)
“ゴジラとして見ずモンスターパニック映画として見れば”という条件下で高評価を下す声もあるが、それでも尚オリジナリティに乏しいストーリーやステレオタイプなキャラクター像などに不満の声は大きく、やはりゴジラシリーズとしては黒歴史の烙印を押されている。
第19回ゴールデンラズベリー賞で最低リメイク賞(この年限定の部門)でアベンジャーズ、サイコと並び同率首位受賞となった。
また、本作の評価面での低迷がきっかけでハリウッドは怪獣映画を敬遠することとなり、結果としてキングコング(2005年版)やクローバーフィールドなど後年の怪獣映画は制作に支障が生じることになるなど、ファンの心のみならず業界そのものに残した傷跡も大きい。
従来の東宝特撮で描かれてきたゴジラとは大きく異なり、既存の生物を超えるモンスターとしての怪獣ではなく、あくまで巨大生物として描かれている。
このためデザイナーのパトリック・タトプロス(彼の苗字は映画の主人公に使われた)は、中途半端にアレンジを加えず、完全に別の生物であるということを意識して従来と全く異なるデザインで作成した。
初めて見せられたときは東宝関係者も強いショックを受けたが、ハリウッドでの映画化に期待を込めてGOサインを出し、初期デザインでは2列だった背びれを、本家と同じ3列にして欲しいと注文を出している。
体躯の設定は、ハリウッドまたは監督の感性からかはっきりしておらず、噂では日本側の記者に質問されて考え始めた程度らしい。
またゴジラの最大の特徴である熱線を吐かず、パワーブレスと呼ばれる高圧の息を吐き出し、燃焼を増大させるという設定になっている(当映画の徹底した「初代へのリスペクト」というスタンス同様、放射熱線ではなくあくまでも初代ゴジラの白熱光のオマージュである)。一応だが熱線の生成器官は映画時から存在することは存在する。
ミサイル攻撃など怯みもしない従来のゴジラと異なり、本作ではミサイルを回避する、機関銃で出血するなど生物的な側面が強調されている。体温が低いため赤外線誘導ミサイルに感知されず、ヘリコプターの追撃に対し待ち伏せや先回りをし、ハドソン川に飛び込んだ際は潜水艦の魚雷攻撃に対して、逆に回避した魚雷を別の潜水艦に当てるなど非常に高い知能を見せる一方、魚雷に被弾した際の負傷は最期まで治らず、最終的には対艦ミサイル12発を浴びて死亡するなど、従来のゴジラの魅力からあまりにかけ離れたキャラクター性は多くのファンに失望された。
なお、余談ではあるが身体のパーツまたは能力の一部を東宝版に近づけようとしたのだが、東宝側が拒否したというエピソードも残っている(何の能力だったかは不明)。
あまり知られていない事だが、本作品はもともとはシリーズ化する予定であり、第二作と三作が作られる計画があった。しかし、ご存知の通り興行的には十分成功したもののファンのバッシングが途絶えず、計画は延期のまま作品の所有権利が東宝に戻ったので事実上のお蔵入りとなってしまった。それを惜しんだスタッフによって、設定のいくつかを引き継いでアニメシリーズ作成の運びとなったのである。
第二作目のプロットは完成されており、下リンクを含め一部ネット上で閲覧可能となっている。
http://the-american-godzilla.wikia.com/wiki/Godzilla_2
↑(英語、エメリッヒ版以前の北米版ゴジラの情報も閲覧できる)
構成は、ディズニー映画『タ-ザン』等の有名作品も担当した人。厳密な説明は省くが、以下の点が特徴である。
・劇中のゴジラは新種の生物であり、まだまだ進化途上の存在だった。→第二作、三作と進む事に強化されていく。
・第二作の時点では既に放射能火炎を吐くが、戦闘に使う以外にも用途がある(子供の為に餌の魚を集める際に威力を弱めて魚を追い込む)。
・ゴジラの産卵は一生に一度のみで、環境や餌の量に合わせて産卵数や成長できる大きさを調整する為に地球環境を圧迫する事なく適応していける (人間を含める実在の生物でも確認されている現象) 。
・ゴジラは人間同様に情豊かで繊細な生物であり、人間との共存も可能。
・アニメシリーズ同様、二代目ゴジラはタトプロスによって救出されたので彼になつく。その為、二代目ゴジラとその子供たちは人間を襲わない。
・二代目ゴジラの子供は4~5頭、その内20m位のジュニアサイズが3~4頭。残る一頭はベビーサイズで、東宝のベビーゴジラにあたる RUNT という名の個体。発育不良の未熟児だが、人間に騙し討ちにされることになる二代目ゴジラの子供たちの中では唯一生き残る。
・核実験の影響でゴジラ以外にも様々な生物が怪獣化、新たな生態系を形成し人間社会を圧迫し始める。eg.無害だが、体長100mのシロナガスクジラ等が確認されている。
・第二作の敵は蜘蛛や蜂等の昆虫系の怪獣達で、モスラへのオマージュが強く入ったものもいる。
・メインの舞台はオーストラリアで、最終決戦はシドニー(FWのジラはこの設定を受け継いだからこそ シドニーに現れた)。
・タトプロスは初代ゴジラと共存できなかった事を強く悔やみ、初代ゴジラの死体で文字通りに弄ぶ(目玉の上に登って遊ぶ等の冒涜行為をする)他の科学者達や軍関係者にぶちギレて決別&ゴジラの卵の救出を決意する。
・東宝版のゴジラとは異なる角度で核の恐ろしさ・人間の愚かさ・生命の尊厳の尊さにアプローチする 感動系のストーリーで、アメリカ版ゴジラを毛嫌いする海外のゴジラファンからもプロットの閲覧後には高い評価を得た。自然保護など時代に沿った要素も取り入れる。
本作は1992年に制作発表されてから1998年に公開されるまで実に6年の歳月を要している。
1992年当時の配給元のトライスターピクチャーズはヒット作に恵まれず、手っ取り早い人気シリーズを探し求めていた。
そこで東宝の人気シリーズだったゴジラに目をつけ、それまで昭和ゴジラシリーズの配給交渉などを手がけていたヘンリー・G・サパースタインを間において交渉を開始したものの、その条件は「制作権はすべてトライスターが買い取り、今後東宝は一切ゴジラ映画の制作を行わない」という高圧的なもので交渉は難航した。
この高圧的な態度の背景には1980年代から始まった、自動車を始めとする日本製工業製品の輸出に絡んだ米国との貿易摩擦に端を発する、ジャパン・バッシングと呼ばれる大規模な反日キャンペーンがあった。
特にトライスターは親会社のコロムビアピクチャーズともども、1989年にバブル景気の波に乗ったソニー・ピクチャーズによって買収されており、87年の東芝機械ココム違反事件と共に、収まりかけていたジャパン・バッシングが再加熱した渦中のど真ん中にいた。
また一方で、交渉仲介を行ったサパースタインは「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」などで東宝と深い関わりがあり、以前からゴジラ映画が持つメタファーに対して、ややこしく、オタク受けはしても一般受けはしづらいと考えていた。しかしその一方で、昭和ゴジラシリーズ後半のコミカルなゴジラ像に対しても強い失望を感じており、ヒット作としてどのような方向性を取るべきかで制作は非常に難航していた(サパースタインは本作公開の翌年に亡くなった)。
そのためハリウッド版公開に合わせて一度シリーズ終了を予定していた東宝ゴジラシリーズは急遽続投が決まり、「この戦いで、すべてが終わる」とキャッチコピーを打ったゴジラvsメカゴジラの後にvsスペースゴジラの制作が発表された。そしてスペースゴジラの製作発表の中で、ゴジラファンで知られるヤン・デ・ボンを監督に据え、宇宙から来た怪獣グリフィンとゴジラが戦うというストーリー形式で一旦は話がまとまったものの、当時ヤン・デ・ボンはまだ監督経験がなく(1994年公開のスピードが初監督作品)、また予算がかかることを理由にこの案はなしになり、監督も降板してしまった。
その後、ゴジラのデザインなどを詰めつつローランド・エメリッヒにあらためて声をかけ、制作が再開された。それに合わせ、東宝も今度こそシリーズ終了のためにゴジラvsデストロイアを制作。ゴジラの死という大きなフィナーレを持って、シリーズは一旦円満に終了した。
1996年にフランスが突如世界的な反対を押し切って太平洋で核実験を強行、これに対する揶揄を込めて、東宝版ではアメリカの核実験がゴジラ誕生の原因であったのに対し、本作のゴジラ誕生の原因はフランスの核実験が原因ということになっている。
アメリカ国内では封切り前に大々的なキャンペーンが展開され、視聴者の期待を大きく煽っていた。
このことは第19回ゴールデンラズベリー賞において、アルマゲドンと並んで資金力にモノを言わせた過剰なメディアミックスであると批判され、最低作品傾向賞の一項目としてノミネートされるほどであった。
日本では衛星放送やケーブルテレビの有料チャンネルで放送された。
その際なぜか、日本映画専門チャンネルでやったことがある。日本映画……?
(日本映画専門チャンネルは東宝が株主)
映画のラストでゴジラが死亡したシーンから始まり、残った卵から復活した2代目ジラと共に、映画で一生分は怖い思いをしてもう何も怖くなくなった主人公ニック・タトプロスが、ジラと一緒に怪獣を保護する怪獣アイランドを作って、世界各地の怪獣を保護したり、バイオ工学の暴走で生まれた怪獣を退治して回ったり、宇宙人に襲われたりしつつ、共に戦う。
やたらと日本特撮へのリスペクトやオマージュが多く、制作スタッフの愛を感じずにはいられない。
ネッシーと戦うときは戦闘シーンの構図がウルトラマンのジラース戦そのまんまだったり、サイバーゴジラの胸に反射板がついてたり、ロボイエティの中身がどっかで見たことあるメカゴリラだったり、そのロボイエティ開発者の名前が伊福部博士だったりする。
ニックがマジソンスクエアガーデンに残った卵を調査中、生き残った卵から孵化した。
刷り込み効果と親の体液を浴びていたせいでニックを親と思い込むが、驚いた彼に攻撃されてしまい、一度海に逃げてしまう。
しかしその後明らかにマグロ以外の何かを食って、数週間で体格は親と同じに、体重は親の40倍の2万トンになってしまった。何を食べたのかは不明である。
体重以外にも単体での生殖能力がなく、パワーブレスも威力が上がり、これで止めを刺した敵も多い。冷気のブレスを持つ敵と撃ち合った際には、周囲に数多くの竜巻とハリケーンを発生させた。ブレス使用時には目も発光し、三色のパターンで威力も変化する。
その他、ミサイルやレーザー攻撃でも死ななくなり、怪我をしても泥風呂に3分浸かっただけで回復するなど明らかに親と別物になっている。
普段はHEAT本部付近の海底洞窟、またはHEATと米軍によって作られた怪獣島で暮らしている。
途中でニックが親ではないことに気付いても健気に変わらぬ愛情を持ち続けたり、巨大イグアナのメスと子供ができたと思ったらめちゃくちゃ強い怪獣(ガメラとアンギラスとカメーバを足して割った感じの亀型怪獣) に妻子をまとめて殺されたり、親の死体にロボパーツくっつけて作られたサイバーゴジラ(東宝版のメカゴジラに該当)と戦ったりと、割と不幸。
地球侵略の尖兵として怪獣を利用するX星人に対抗するため、人類の手によって南極に封印されていたゴジラが復活。
そのゴジラと戦うためX星人がGodzillaからGodを抜いた「zilla」としてオーストラリアで出撃させるものの、1分にも満たないうちに撃破されてしまい、X星人からも「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」と言われてしまった。
完全にバカにする目的でブラックジョークの一つとして登場したと思われる。
公式サイト等の設定では「1998年にニューヨークを襲った怪獣と酷似しているが詳細は不明」とのことだが、明らかにアメリカ版を意識した造形であり、監督の北村龍平はオーディオコメンタリーにおいて上記のマグロ~の台詞を「ローランド・エメリッヒ監督に当てたメッセージだった」としている。
またローランド・エメリッヒも映画「スパイダーパニック!」のコメンタリーにおいて、「前作(Godzilla)がファンの期待を裏切る結果になったことを残念に思う。スパイダーパニックはお詫びの気持ちも込めて製作した」と発言している。
なお本作におけるゴジラは非常に強く、他にもエビラ・ヘドラ・クモンガ・カマキラスなどが秒殺されているほか、ラドン・アンギラス・キングシーサーが連携しても勝てなかった。
ちなみに、アメコミのIDW版「Godzilla: Rulers of Earth」の issue 1~2では、つい最近ジラと東宝版の再戦が行われた(結果は形上の引き分け、というか再戦決定)。
なお、このジラもFWのジラ同様にエメリッヒ版ゴジラとは別種だそうで、エメリッヒ版とは違いやはり凶暴。オーストラリアミズトカゲのミュータントらしい...かもしれないとのこと。
IDWジラの紹介 http://the-american-godzilla.wikia.com/wiki/IDW_Zilla
動画 http://www.youtube.com/watch?v=21DgTTAjuVI
『ゴジラ FINAL WARS』以降、音沙汰のなかったゴジラシリーズであるが、2010年になんとアメリカの映画制作プロダクション“ワーナー・マイカルブラザーズ”と“レジェンダリー・ピクチャーズ”がゴジラの製作権を取得、再びハリウッド版ゴジラの製作に取り掛かると発表した。
98年版の続編ではなく完全な新作としての製作であり、監督には新人ながらも『モンスターズ/地球外生命体』で評価され話題となったイギリス人監督のギャレス・エドワーズ、脚本も紆余曲折の末にマックス・ボレスタインやフランク・ダラボンが執筆する事に決まり、発表から三年後の2013年よりアーロン・テイラー=ジョンソンやブライアン・クランストン、さらに渡辺謙などの名優を主演に据えての撮影も開始され、そして2014年5月16日より全米を始めとする世界各国で、日本ではそれから約2ヶ月後の7月25日より劇場公開された。
詳細は『GODZILLA(2014)』を参照。
掲示板
1004 ななしのよっしん
2024/05/07(火) 18:56:10 ID: Xs4lTwVi3P
>>1000
ただまぁそれも「映画全体の評価を下げるほどの要素か?」
と言われたら全然そんな事は無いって範疇かな
ゴジラというキャラその物への解釈違いに比べたら些細な事
1005 ななしのよっしん
2024/05/07(火) 19:03:13 ID: KLloaoXah4
いま見返してみると、出来そのものは悪くないんだよな
いきなり漁船が怪獣に襲われ、時を置かずしてNYに上陸、体の一部しか見せないことで適度に焦らされる演出が飽きさせない
とくに市長の演説中に足音の地響きで車が揺れて驚いた警官が“Hey!”と叫んでアラームが鳴るなか辺りを見渡すシーンはワクワクする
だが26年経ってもヒロインの「オフレコだって言った?」にはムカつく
1006 ななしのよっしん
2024/05/08(水) 14:22:21 ID: Xs4lTwVi3P
>>1003
やっぱあの雑誌が誤訳でテキトーぶっこいてたって話になるのか…
そりゃそうだよな
海外の掲示板とかでもエメゴジが原子怪獣現るのリメイクって話見たためしがない
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/11(土) 11:00
最終更新:2025/01/11(土) 10:00
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