道教(どうきょう、ダオジャオ)、とは中国の伝統的な宗教である。
道(タオ、ダオ)とも呼ばれ、宗教学上は多神教、民族宗教に分類される。
宇宙の心理、道を元にした宗教で、太極とか仙人とか陰陽とか風水とか易とかは、だいたいこの辺。
狭義では孔子の儒教に対し老子・荘子などの道家が広めた老荘思想を指すが、彼らの存在が中国の神仙思想と結びついて非常にややこしいことになっている(欧米では同一のものとして扱われるらしい)。
道教を学ぶ修行者は道士と呼ばれる。日本では香港映画での殭屍(キョンシー)使いとして有名。また、道教の寺院に当たる建物を道観という。仏教の寺院に比べて原色チックでかなり派手。
日本には埼玉県坂戸市に聖天宮という道観がある。その他、日本の宗教などにも影響を与え、陰陽や風水にも道教の思想は受け継がれている。
本場中国では文化大革命の際にその他の宗教と同じく批判・弾圧を受け大きく衰退したが、その文革の嵐が過ぎ去るとともに徐々に息を吹き返している。
中国の伝統的宗教・思想であるため、東洋系のファンタジーなどで広く見ることができる。
記事冒頭のよみがなで書いたように、日本語では「タオ」と書く・発音されることが多いが、「ダオ」と書く・発音されることもある。
英語でも同じく、「taoism」「daoism」両方の表記が混在しており発音も「タオイズム」「ダオイズム」両方が使用され、辞書や事典などですら本によって表記が異なる。どちらが正しい表記なのか論争もあると言う。
中国語での正確な発音はどうかと言うと、中国語発音記号であるピンインではdàoと表記し、tàoではない。
しかし、ピンインの「t」や「d」は「タチツテト」や「ダヂヅデド」の区別を表すものではない。
単に有気音(呼気の量が多い)と無気音(呼気の量が少ない)の区別をあらわすもので、有気音がt、無気音がd、という決まりになっている。これは、中国語では有気音か無気音かで意味が異なるため、発音を明確に区別する必要があるからである。
つまりtàoは「大きく空気を送りつつタオと発音する」、dàoは「あまり空気を送らずにタオと発音する」ということを意味する。
しかし日本人が無気音で「タオ」と発音しようとしても、つい有気音となってしまいがちだという。すると本来のdàoではなくtàoと発音していることになり、中国人相手に意味が通らなくなる。
逆に「ダオ」と発音すると無気音となるので、こちらの方がdàoとして通じやすいという。また、中国人がdàoと発音した場合、日本人には「ダオ」と聞こえることも多いという。
実は現代の中国語(普通話)では有気・無気はしっかりと区別するのだが、有声音(ダヂヅデドやバビブベボやガギグゲゴ)と無声音(タチツテトやパピプペポやカキクケコ)はあまり区別しない。日本人が中国人の話す日本語を聴いたとき、「た」「だ」の発音の使い分けが苦手なように感じられるのはこのためである(例:「わたし」を「わだし」のように発音する、「ダメ」を「タメ」のように発音する、など)。
一応、有声音は方言以外では廃れており無声音が基本とされる。だからtàoもdàoも基本的には「タオ」と発音する記号のはず……なのだが、聞くほうも区別していないので半分有声音のように発音しても通じるという。
ぶっちゃけどっちでもいいかもしれない。中国人相手に話すときには「ダオ」と発音した方が通じやすいかも知れない、という程度だろう。
掲示板
51 ななしのよっしん
2024/04/28(日) 10:31:49 ID: vEOd7FOhRf
ところで記事が言語学的な議論だけで、老荘思想や道教の神々についてほぼ何も書いてないのはどうかと思う
52 ななしのよっしん
2024/05/24(金) 11:24:31 ID: mV3MSmJGaN
台湾とか福建の道教の動画を見るのが好き。
信仰が生きてるって、感じで素晴らしい。
普段感じる中国人は台湾を恫喝したり処理水の問題でイタ電かけたり、転売したりろくでもないのでこういう動画を見てリスペクトする心を養っている。
53 ななしのよっしん
2024/09/29(日) 22:49:28 ID: LRvAj+DB7x
自由放任主義の用語が誕生したのはフランスだったけど
シノワズリの影響で道教の「無為」概念を翻訳した結果だったらしくて
西洋での初期自由主義の確立に道教がかかわってるの面白い
権威主義的西洋にアナーキー的自由さの概念を提供したのは中国思想だと言われると色々思い当たる節があるなぁ
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最終更新:2024/12/23(月) 07:00
最終更新:2024/12/23(月) 07:00
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