痛風 単語

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医学記事 ニコニコ大百科 : 医学記事
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

痛風とは、高尿酸血症を原因とする関節炎である。
が吹くように手から足までそぞろに痛むのでその名がついたが、「に当っても痛くなるから」という俗解もある。

概要

痛風のメカニズム

人間血液中には色々なものが流れているが、痛風の原因となるのは血液中の尿酸尿酸自体は老物であり、普通ならおしっこに混ぜられて排出されるものだが、何らかの原因で血液中の尿酸が多すぎたり排出が上手くいかなくなると、体温が低めの足関節部分などで尿酸が結晶化する。

結晶自体すっごい痛そうな形をしているが(Google画像検索リンク)exitこの結晶が関節に刺さって大痛…という訳ではない。この結晶を好中球などの血球が攻撃し、その過程で血管神経ダメージを与えてしまうのだ。これが「身体の内部からの耐え難い痛」「骨折より酷い痛み」「太い針をゆっくり差し込まれ、ぐりぐりと抉られた後にゆっくり抜かれる…の絶え間ない繰り返し」とまで言われる痛風である。

しかもこれは繰り返すたび重症化し、発作時間が延長する。

原因は?

痛のメカニズムは上記のように解明されているのだが、意外なことに、9割が原因を特定できない「原発性痛風」とされている。尿酸値が高い人でも発症しない人はしないし、逆に急尿酸値が低下すると発症することもある。残りの1割は白血病や腎不全などの病気や、による二次性のものである。

病因は様々な説があり、列挙すると「贅沢な(体の)食事」「ビールの暴飲」「砂糖の多い飲料などの暴飲」「精神的ストレス」「分不足による排尿量低下」の他、遺伝的疾患による説も提唱されている。腎臓の低下のほか、最近では「大腸からの尿酸排出機が低下しているからでは」と言う説も提唱されており、様々な原因が絡み合って発症するようだ。

とくに遺伝的疾患による痛風の発症リスクは最大26倍前後まで変動するとされており、食事による尿酸の上昇量は微量であることから、むしろ尿酸分解する代謝経路に問題が発生して発症する…という病因説が支持されている。

治療や予防について

発症してしまったら、しばらく(数週間数ヶ)は痛とのお付き合いが始まる。「ぱぱっと飲んで、終わりっ!」という訳にはいかないのだ。

基本的には投尿酸値などをコントロールし、患部の消炎・鎮痛・冷却、食べ物は「プリン体(旨味成分のもと)」の多いものは避け、もちろん禁。なお入浴も症状が悪化するのでダメです分をいっぱい摂りながら安静にしてやり過ごす…しかない。マジ苦行

予防方法

発症した時のことを考えるだけでテンションが下がる痛風だが、予防法はシンプル

要は規則正しく健康的な生活を送っていればOK。ね、簡単でしょう? (もっとも、このような生活をしていても体質的に尿酸が高くなるためが必要な人も少なくないのだが)

ちなみにを食べるとプリン体が多く含まれるため痛風になりやすくなると言われるが、実際にはに含まれるプリン体は他の食材とべて多くはない。むしろ多いのはレバー白子などの内臓系の干物である。ただ、イクラ数の子などは塩分含有量が多いため痛風と関係なく食べすぎは禁物である。

「贅沢病」

余談になるが、痛風は「贅沢病」「帝王病」と現代でも呼ばれることが多い。痛風になると「いいもんばっか食ってるからだろー(笑)」と言うからかいのを聞いた人もいるのではないだろうか。

これは野菜が少なくが多い食事(≒プリン体が多い食事)は、昔は贅沢食であったためである。また、かつてヨーロッパでは紅茶緑茶(の利尿作用)が経験的に痛風の特効として知られていたが、葉もやはり高級嗜好品。いいもんばっか食ってる人が、いいもん飲んで治療していた訳で、「金持ち病」と言われるのも納得である。

原因遺伝子や他の様々な要因が発見され、様々な要因が絡み合って発症するのが痛風である…と現代では理解されつつあるものの、やっぱり暴飲暴食トリガーの一つであることには変わりない。発症を防ぐためにも、健康的な生活を心がけたい。

痛風の薬

痛風は、発作が出かけている前兆期、発作が出ている極期、症状がおさまっている緩解期それぞれで用いるが違う。

発作の初期から極期では鈍痛、消炎にバファリンアスピリン)と同じ、インドメタシンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)を第一選択として用いる。基性のNSAIDsもあるが、作用が性のものとべて弱く、とても追っつかないため用いられない。

前兆期にはコルヒチンという、血球の移動を阻して痛みを抑えるを使う。性が強く、悪心、嘔吐や下痢など抗剤にも似た副作用が出る。

これらは対症療法として痛みを抑えるために用いるのだが、実際は高尿酸血症も用いて治療を行う。ただし、発作が起きているときに尿酸の値が変化すると発作がひどくなるため、発作が治まってきてから開始する必要がある。

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