河童懲罰とは、「河童に対する懲罰」を指す言葉。2016年ごろからTwitterユーザーのうち妖怪や民俗学などを好む集団の一部で広まった。
日本各地には、非常に多数の河童に関する民話や伝説が存在する。その内容には一定の類型が見られるが、「河童が何らかの悪さを行うが、懲らしめられてしまう」と言ったものが少なくない。
「河童が馬を水の中に引き込もうとしたが失敗してしまう」という話が多い事は民俗学者石田英一郎が『河童駒引考』という著作の中でも触れている。失敗した河童は人間に捕まって殴られたり、詫び証文を書かされたり、魚を献上させられたり、秘伝の薬の製法を伝授させられたりする。
また、河童が人間の尻から「尻子玉」を抜こうとしたり、厠で人間の尻を撫でようとするといった伝承が多い事は良く知られている。こういった伝承の中には単純に河童が尻子玉を抜いたり尻を撫でるといった内容で終わっているものもあるが、実は「力や勇気のある人間が河童の腕を斬り落としてしまう(あるいは河童の腕を引っこぬいてしまう)」といった懲らしめが行われる内容のものも少なくない。「切り落とされた河童の腕である」という触れ込みの腕のミイラが現代でも保管されている例もある。
そういった背景の上で、2016年7月にとあるTwitterユーザーが「縛り付けられた河童の画像」とともに「お前また懲罰うけてるのか」とツイート。
さらにその直後に「首に縄を付けられた河童の画像」とともに「前の河童懲罰画像探したけど、加工済みのしかなかった」とツイートした。
これらが「河童懲罰」の風潮の始まりのようだ。
このツイートに呼応して、その他のTwitterユーザーも河童が懲罰を受けている画像を「今日の河童懲罰画像」「古き河童懲罰画像」といったコメントを付けてツイート。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/DoyonoJun/status/751058219766652928
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https://twitter.com/hyousen/status/751059484278198275
こういったやりとりをきっかけとして、その後も河童懲罰の輪が広がっていった。
「河童懲罰」とは要するに何なのか?については、
「ここ一年くらい、twitterの妖怪クラスタ内の一部で、「悪さをする河童を捕まえてこらしめる」民話から「河童懲罰」という概念が生まれて、それで遊んでいるわけです。誰でも河童を懲罰できます」
「河童懲罰ってのは速いはなし、昔話や伝説の中で、どんなかたちで河童が退治されてるのかを観測する行為です。」
「「悪いことをした河童は懲罰される」という話型・モチーフから逆説的に派生した「河童はすべからく懲罰すべし」という過激思想です。」
といった「河童懲罰」に関わる複数のTwitterユーザーの説明が参考になる。それぞれの説明が微妙にずれているが、複数の意味を包含する多義的な言葉、あるいは定義しにくい曖昧な言葉であるといえよう。
ちなみに3つ目の説明は自ら「過激思想」という言葉を使用していることからもわかるようにあくまでネタである。実際には「河童懲罰」を謳うユーザーは「懲罰されない河童」を否定するような過激思想家であったりはしない。世界史クラスタが言う「カルタゴ滅ぶべし」とかニンジャヘッズ(『ニンジャスレイヤー』のファン)が言う「ニンジャ殺すべし」みたいなモンである。
2018年にはTwitter上で「あなたは「河童懲罰」を知っていますか」というアンケート調査が実施されたことがある(→結果を記録しているページ)。
その結果によると、600人余りの回答者のうち約4分の3が「河童懲罰」について「知らない」と回答している。少なくともこの時点においては、認知度が高いとは言いがたい用語であったと言えるだろう。
ただし、「河童懲罰」という用語を認知していたか否かにかかわらず、回答者の圧倒的大多数が「河童は懲罰すべきだ」と思っていることもこのアンケート結果で判明した。よって河童は懲罰されるべきである。
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最終更新:2025/01/05(日) 21:00
最終更新:2025/01/05(日) 20:00
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