1979年に放映されたアニメ、機動戦士ガンダムに登場するロボット(広義)であるガンダムは全長18mと設定され、劇中でもその通り人間と対比すると巨大な立ち振る舞いというものが描写された。
鉄人28号、アストロガンガー、マジンガーZから続く巨大ロボットの系譜はこの作品にも受け継がれて来た。
しかしあくまでフィクション。人間と同じサイズのロボットでさえ歩かせるのに四苦八苦しているのでこれらのロボットはあくまでフィクションという認識で合っただろう。
しかしロマンは止まらない。スペインでは1990年代頃に1/2程度の10mマジンガーZを実現させていたりと、日本で生み出された数々のアニメによって、実在する巨大ロボットを世界中が求めていたのである。
ほかならぬガンダムシリーズにおいても1/1スケールのガンダムが大地に立つ事をファンは渇望していたが、時は西暦2009年、ついにRX-78-2ガンダム…一番最初のガンダムが大地に立つのであった。
2000年代に入り日本はオリンピックの誘致を目指し、財団法人東京都公園協会らは都市の緑化推進及び公園の活性化、各種の文化発信を図る事で植物あふれる「緑のオリンピック」を目指していた。そしてそのメッセージを発信していくため、「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト実行委員会」を組織。これにバンダイナムコグループも賛同。ちょうど「機動戦士ガンダム」放映30周年であったこともあり、世界初の1/1ガンダム像が建造される事が決定した。
RX-78-2 ガンダム ver.G30thと題されたこの立像は緑あふれるお台場・潮風公園に1ヵ月半設置された。
ただ立ってるだけではなく首が左右と上方向に稼働した。
そのディティールは最近では定番となった左右識別ランプや、各所注意書きなど「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム」を思わせるようなモノになっており、現実にガンダムがいたらどうなるかというのを想像してデザインされた事が伺える。
(※RGガンダムは2010年発売であり、立像の方が先である。)
ガンダムが初めて立ってから一年後、静岡市主催の「模型の世界首都 静岡ホビーフェア」において、今度は静岡は東静岡駅前に登場。
こちらの機体はRG1/1 RX-78-2 ガンダムと題される。こちらはだいたい半年、年明けのホビーフェア期間終了まで展示されていた。イベント終了後も8月までは遠方から見えた。
名称が変わっているが新造かどうかは不明。
首の稼働に加え排気ダクトからの排煙、ビームサーベルの装備などの追加要素がある。ビームサーベルはランドセル右側から取り出されたのかランドセルに刺さってる柄は一本だけとなっている。
ビームサーベルの刀身は一見真っ白だが、夜間展示においてはプロジェクションマッピングの演出が行われる。
装甲の縁を取る用な装飾が追加されたりとさらにディティールが追加されている。
その一年後、「TOKYO ガンダムプロジェクト 2012」が開催。ガンダムはついにダイバーシティ東京に登場。またもガンダムが東京都の緑の施策を推進しにやってきた。ちなみにフラワーガンダムという花で出来たガンダムが最初の機動戦士ガンダムの絵柄で描かれたり、実物大ガンダムの横に本当に花で出来たガンダムの胸像がいたりした。
仕様は去年とほぼ同じ。ビームサーベルが収納された。
こちらはほぼ5年間ずっと大地に立ち続けた。
5年と言う長い月日、RG1/1としては7年も存在し続けたRX-78-2であったが流石にもう限界だったのか3月に撤去され多くのファンが1/1ガンダムロスに恐怖していた。(史実のガンダムが数か月で破壊された事を考えると随分長寿であった。)
しかし半年後にはなんとその"変身"機構から多くの者を魅了していたユニコーンガンダムが建造された。
RX-0 ユニコーンガンダムVer.TWC。装甲板が展開し発光する内部のサイコフレームが露出するようになるギミックを見事に再現。首だけ動いていた先代に比べると画期的進化をしたように感じる。
登頂高も史実に合わせ約20mと大型化。NT-Dと覚醒NT-Dどちらの色も再現出来る。
唯一再現出来ていない点と言えば史実のユニコーンガンダムは変身時に登頂高も変わるのだがこれは実装されていない。技術的に出来ない事は無いはずだが、建築法的なアレに引っかかるので残念ながら再現されなかった。
初出が2007年ということでメカのディティール表現が最高潮に達した時代。ここからさらに史実製造元のアナハイムエレクトロニクスのロゴがあしらわれたりとディティールが詰められている。
難点として史実ではいついかなる時もお構いなしで光っていたサイコフレームがVer.TWCでは昼間だとちょっと光量が足りず物足りなさを感じる。そこでおススメするのが昼間は変身ギミックを楽しみ夜中にサイコフレーム発光を楽しむというプランである。夜中は特別ライトアップもあるので是非見に行くべき。
ちなみにこのユニコーンガンダムがあるダイバーシティ東京が存在するお台場が舞台の「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」に背景として登場。
しかも最終回の展開に合わせてギミックが変わったりと凝った演出がされている。
お台場のユニコーンガンダムは素晴らしいものであったが、やはりRX-78-2に慣れ親しんでいたファンは多く1/1RX-78-2ロスに恐怖していた。
しかし2018年に全身が動くガンダムが建造されると発表され界隈に激震が走った。
そして2020年12月19日、ついに公開されたのであった。
ちなみに、遠くからなら数か月前から動いてる様が見えた。
RX-78F00。ガンダムが放映され40年、初めて大地に立ってから11年の月日を経てついに全身が動くガンダムが建造された。
名称から察せられる通り先代のRX-78-2再現立像とは異なる新たな設定が付与されている。
舞台は地獄の宇宙世紀終焉を迎えず割と平和になった時代、どうやら横浜の山下ふ頭近郊にガンダムと思われるパーツが眠っており、それを復元したのがRX-78F00という事である。オリジナルではなく、サナリィとかが関係してるかもしれないらしい。
しかし内蔵AIはどっかで聞いたことあるような特徴的な声でしゃべったりする。
高機動型プランというのが存在しており、ドックのタワー乗り場近くの壁面に図面が書いてある。
フルアーマーガンダムのような意匠をしており、プラモ販売もされている他、機動戦士ガンダムU.C. ENGAGEにてプレイアブル化がされている。
RX-78-2の特徴を捉えているが割とデザインが違う。腕の回転軸の箇所が変更されていたり、頭のツバがちょっと出っ張ってる・胸部上面にライトが付いていたりする。よく見るとちょっと痩せてる。
かなり自由にポーズが取れる為、2022年の水星の魔女放映時にはタイアップとしてガンダム・エアリアルの片膝を着いて手を足に置くポーズを取っていたりもした。
ここで水を差すようで悪いのだが、実はこのRX-78F00は立っていない。地にちょっぴり足が付いていないのである。
じゃあどうやって存在してるのかと言うと腰部背面の目立たない箇所が後ろのドックにガッチリ繋がっていて、そこから突き出されるようになっているのである。
何故こうなったかと言うと、完全自立を目指したところ建築法のアレやソレに抵触しまくり転倒でもした日には日本中どころか世界中のお茶の間が凍る事が予想されてしまったからである。
これは原作者であり本プロジェクトの監修もした富野由悠季も気にしており、ベース入って横の方に富野の謝罪文が書かれていたりとよっぽど気にしていた。
しかし、全身が動くガンダムを見ればそんな些細な事がクソどうでもよくなってくるほどカッコイイので是非、映像などを観てみてほしい。
富野氏も未来に託すと言っていた。
ちなみに、RX-78F00の建造試作の為にRG1/1RX-78-2の資材が使われたらしい。
去年の全身稼働1/1ガンダムの衝撃は全世界に轟き、次はどんなモビルスーツが建てられるのかとファンから期待の眼差しが凄い事になってた中、なんと上海で機動戦士ガンダムSEEDのフリーダムガンダムが建造されると発表された。初の外国で初のアナザーガンダム、しかも背中がえらい事になっててプラモもそのままだと腰が曲がってしまうフリーダムガンダムをどうするのかという心配をよそに2021年5月28日に公開された。
自由の無い国中国に自由の名を冠したガンダムが建つとは日本側中国側双方のお偉いさん方がどうかしてると話題に
ZGMF-X10A フリーダムガンダム Ver.GCP。上海にあるららぽーと金橋前にドカンと建造された。
流石に羽は展開せず、浮いてる部分は支柱で支えるという形式になった。しかしフリーダムガンダムは羽を広げてなくてもかっこいいので問題は無かった。
首が動く他、手首が動き前方に手を差し伸べるようなポーズが取れる。
演出用の新規アニメが用意されている。フリーダムがアークエンジェルを襲うザフト軍を退け上海に入港するというストーリーとなっており、最後はキラとラクスがイチャコラ(広義)してた。
世の中がコロナウイルスで混迷を極めていた中、新たなガンダム建造が計画された。それは何とνガンダムである。あのフィンファンネルは半ば宙に浮いているがどうするのかという懸念を他所に2021年4月25日に公開された。
RX-93ff。不可能とされていた1/1νガンダムを新兵装と新アニメを引っ提げるという思い切った発想で建造したのであった。ガンダム立像とは建築法と闘争を繰り広げる歴史の一幕でもあるのだろう。
この新兵装「ロング・レンジ・フィンファンネル」はνガンダムの兵装プランの一つであり、ハイパーメガバズーカランチャーとフィンファンネルと巨大ビームサーベルを合体した複合兵装であり、νガンダム唯一の弱点であった瞬間火力を補う兵装となっている。残念ながら本編では間に合わなくて良かったが、間に合ってしまった世界線の新規アニメがららぽーと福岡では公開されている。これでサザビー相手に無双!…とはいかずサザビーも似たような複合兵装ファンネルを引っ提げてきたので互角の戦いを予告で繰り広げていた。
ちなみにららぽーとに建ってるのは間に合わなかったので後にサイドFで復元されたものらしい。
ロング・レンジ・フィンファンネルはその全長が22mと大柄のνガンダム本体よりも大きい24m。基部部分が設置しており安定感が段違いである。もし史実のフィンファンネルだった場合数年立たせる必要上ポロっと落ちてお茶の間が凍ったかもしれないので英断である。
他にもカラーリングが富野由悠季監修による「平和を象徴したトリコロール」となっており、主に元となったνガンダムの黒部分が青く塗装されている他デザインが各所アレンジされている。
首が動き各部ライトが光る他、右腕部がそれなりに稼働するようになっている。これはロング・レンジ・フィンファンネルが本体より少し大きい分自由度が高い為か。
同じ再現コンセプト機体でもF00と違って具体的な戦闘を描写した新規アニメがあったからかゲーム出演が多め。機動戦士ガンダムU.C. ENGAGEの他、機動戦士ガンダム EXTREME VS.2、機動戦士ガンダムバトルオペレーション2に出演している。
横浜ガンダムがついに公開終了となった現在、バンダイグループでは「モビルスーツの社会実装に向けた新しい操縦ロボットのプロトタイピングプロジェクト」が進行中である。詳細は該当記事を参照。
掲示板
5 ななしのよっしん
2024/04/03(水) 19:57:17 ID: KalrNyGFD4
結局F00は2回見に行ったな
あと港の見える丘公園からも見たりした
6 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 18:17:43 ID: B95oc1xhZD
横浜ガンダムの腰で固定してるというやり方については富野氏が妥協点と認めてるとこではあるけど、おかげで足を地面から離して飛んでるポーズとかも出来たのは画期だったな
ただ地に立てるロボットであったら逆にできなかった。
7 ななしのよっしん
2024/10/15(火) 20:18:44 ID: B95oc1xhZD
横浜ちゃん解体されるも手だけで働いてるw
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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