土星とは (ドセイとは) [単語記事]

土星（Saturn）とは太陽系の第6惑星である。

太陽系 : 太陽 - 水星 - 金星 - 地球（月） - 火星 - 木星 - 土星 - 天王星 - 海王星
 準惑星（ケレス - 冥王星 - ハウメア - マケマケ - エリス）

概要

Saturn
分類	外惑星，木星型惑星
太陽からの平均距離（地球-太陽＝1AU）	9.6AU
赤道での直径（地球比）	120,536Km （9.4）
質量（地球比）	5.69×10²⁶kg （95）
自転周期	約10時間
公転周期	約30年
衛星	タイタンなど146個 (2023年 6月現在)
赤道傾斜角	25.33 度
大気の主な成分	水素、ヘリウム
年齢	46億年

土星は太陽系内で木星に次いで大きな惑星で、大きな輪っかが特徴的。
基本的には木星同様ガスを主成分とし、中心に岩石の核が存在する。
他のガス惑星同様に、内部が高温で、太陽から受けるエネルギー以上を放出している。
タイタンをはじめとした多数の衛星を伴っている(後述)。

水に浮く

土星は太陽系の中で最も密度が低い星。平均密度は水よりも低い0.68g/cm³であり、「もし土星が丸ごと入るサイズの水槽の中にいれれば、水に浮く」のではないかと言われている。ちなみに、太陽系内で一番密度が高い惑星は地球。

太陽系の惑星で一番つぶれた形

その流動的な性質と高速な自転のために、土星は明らかに上下につぶれた形をしている。赤道方向と極方向の直径が約10%も異なる。風速も500m/sに達し、これは海王星に次ぐ。

土星の環

土星最大の特徴といえば、あの大きな輪だろう。
土星は約25度傾いて公転しているため、地球からは15年に一度消失して見え、2009年がちょうどその15年目にあたる。しかし残念ながら完全に消失するタイミングには土星は太陽側（昼間）に位置するので、今回は輪の消失は見ることは出来ない。残念。
環は肉眼で見えるのはA～Cまでだったが、無人探査機の観測などによって、数千もの細い環の集まりで岩石片、氷、酸化鉄などから構成され、その大きさは塵状のものから自動車サイズまで様々。
土星の環は内側から順にD環,C環,B環,A環,F環,G環,E環（土星から6,63 0 ～120,700kmの位置にまで広がっている）で、特にF環,G環はよじれた構造になっている。環の厚さはその巨大さに比べて非常に薄く、特に内側ほど薄い。
また、ボイジャー 2号の観測により、B環内に暗い放射状の構造（スポーク）を発見した。これはカッシーニでも確認された。スポークは、土星の夏・冬には消失し、春・秋に再び姿を現すのではと考えられている。現在のところそのメカニズムについては不明。
※A環とB環の間にある有名な「カッシーニの間隙」にも実は環を構成する物質が公転している。

2009年 10月、NASAの赤外線天文衛星スピッツァーによる観測で、巨大な環が発見された。
土星から約600万km離れた位置に環の内側があり、そこから約1200万kmの距離にまで広がって土星の他の環より約27度傾いている。地球から直接見ることはできないが「もしも、直接見ることができれば、満月の2倍ほどに広がった環が土星のわきに見えるはずです」とのこと。この環とその中にある衛星フェーベの公転軌道は逆行しており、フェーベがこの環に物質を供給しているらしい。衛星イアペタスのはっきりとした明暗差は、イアペタスが常に土星に対して同じ側を向けているので、常に進行方向に降り積もった環の粒子かもしれない。

土星の衛星

土星は非常に多くの衛星を持ち、太陽系で2番目に大きい衛星であるタイタンから、天体の破片などが土星の重力に捉えられたものと推測されている不規則衛星と呼ばれるものまで多種多様な衛星が存在する。その中でもタイタンは太陽系の衛星の中で最も濃い大気とメタン循環を持つ。
21世紀に入ってからは、木星型惑星の不規則衛星や小型衛星が大量に発見されている。2023年 5月には確認されている土星の衛星数は146個となった(「合計145個」と公表された1週間後に146個目の発見が公表された^[1])。これは木星を抜いて太陽系最多。そのうち63個には名前が付けられている^[2]。

詳細はwikipediaの土星の衛星を参照のこと。

土星探査

1979年 9月、NASAの探査機パイオニア11号が初めて土星に接近。
1980年 11月にNASAのボイジャー 1号が土星に接近し、多くの衛星についての画像が得られた。
当初、この探査機は冥王星向けだったが、衛星タイタンに変更。これによりタイタンの大気について多くの情報を得た。その後、役目を終えて太陽系の果てを目指して現在も航行中。
1981年、ボイジャー 2号が土星に接近。フライバイ直後にカメラ架台のトラブルが発生したが何とか復旧に成功、ボイジャー 2号は天王星探査へと旅立っていった。
2004年 6月、NASAと欧州宇宙機関（ESA）共同の探査機カッシーニが土星に接近し、同年7月より土星の周回軌道に乗り長期間探査を開始。
衛星タイタンに2回接近した後、12月25日にホイヘンスを分離。翌2005年 1月25日、ホイヘンスはタイタンの大気圏へ突入した。
カッシーニは2008年にミッションを終了する予定だったが、2年延長後、2017年頃までの再延長が決まった。