リエノテソーロ 単語

リエノテソーロ（Rieno Tesoro）とは、2014年生まれの日本の競走馬。栗毛の牝馬。

全日本2歳優駿を勝ったテソーロ軍団の初GⅠ馬で、NHKマイルカップでも2着に入った二刀流牝馬。

主な勝ち鞍
2016年：全日本2歳優駿（JpnⅠ）、エーデルワイス賞（JpnⅢ）
2018年：スパーキングレディーカップ（JpnⅢ）

概要

父Speightstown、母Akilina、母父Langfuhrという血統のアメリカ産馬。
父スパイツタウンは2004年のBCスプリントの勝ち馬。種牡馬としても短距離を中心に活躍馬を出し、日本では*モズスーパーフレアや*マテラスカイの父として知られる。
母はアメリカで26戦6勝。産駒は3頭しかいないようで、リエノテソーロは第2仔。
母父ラングフールはカナダのDanzig産駒で、アメリカでGⅠ3勝。日本では*アポロケンタッキーの父として知られる。
いとこに2018年のフロリダダービー馬Audibleがいる。

2014年2月24日、アメリカのOak Bluff Stablesで誕生。オーナーは今やウシュバテソーロやウィルソンテソーロでおなじみ、「テソーロ」冠名の了徳寺健二（2018年から法人名義の「了徳寺健二ホールディングス」に変更）。2015年のファシグティプトン・サラトガセールにて、了徳寺オーナーに25万ドルで落札された。
了徳寺オーナーが馬主になったのは2015年からで、彼女は了徳寺オーナーの所有馬では2世代目にあたる。

馬名意味は「人名より+冠名」。2014年産のテソーロ軍団は人名シリーズだったらしい。

リエの宝物

2歳（2016年）

開業3年目の美浦・武井亮厩舎に入厩し、2016年8月27日、札幌・芝1200mの新馬戦にて吉田隼人を鞍上にデビュー。4.1倍の2番人気に支持されると、3番手からレースを進め、直線で逃げ粘る11番人気の伏兵タカミツサクラをきっちりとかわして1馬身半差で勝利。以降も吉田隼人が主戦となる。

続いて、なんと連闘で同条件のすずらん賞（OP）へ。ここも4.0倍の2番人気だったが、ここでも3番手からレースを進めると、前で逃げ馬をかわした断然人気のタイムトリップをゴール前から一気に加速して抜き去り快勝。

デビューから芝1200mで連勝したリエノテソーロだが、陣営はもともとダート向きだと考えており、続いて門別のエーデルワイス賞（JpnⅢ）へ。武井師はリエノテソーロが落札されたセリにオーナーと一緒に参加、オーナーに任されて選んだのが彼女で、会場から「エーデルワイス賞を目指せる馬を買ってもらった」と厩舎スタッフにメールを送っていた。デビュー前からこのレースを目標に定め、有言実行の参戦となった。中央馬4頭では唯一の2勝馬で、初ダートながら単勝1.7倍の断然人気に支持される。
レースは外枠から枠なりに4番手あたりに構えると、そのまま楽々の手応えで外を捲って進出、直線であっさりと抜け出すとあとは独走、思うまま後続をぶっちぎり5馬身差で圧勝。
武井師・吉田隼人のコンビは前年のこのレースにて、了徳寺オーナーのチェストケリリーで1番人気に支持されながら5着に敗れており、見事そのリベンジを達成。武井師と了徳寺オーナーはともにこれが嬉しい重賞初制覇となった。

陣営は「マイルくらいまでは距離も持って欲しい」と、続いて全日本2歳優駿（JpnⅠ）へ。牡馬相手となったが、牡馬にこれといった馬がおらず、リエノテソーロは牝馬ながら2.0倍の1番人気に支持される。
不良馬場となったレースは最内枠から4番手あたりの好位につける。キックバックを食らったが動じることなく折り合いを付けて進めると、4角で外に出して抜群の手応えのまま前を捕まえに行き、直線抜け出すとあとは独走、3馬身差で圧勝。
武井師・了徳寺オーナーともGⅠ級初勝利。4戦4勝でダート2歳王者に輝いた。

3歳（2017年）

明けて3歳、陣営は全日本2歳優駿のときから「ドバイか桜花賞」と言っており、ドバイからUAEダービーの招待状が届いたが、1900mはちょっと距離が長いと思ったか、桜花賞を目指すことになった。

というわけで芝に戻ってトライアルのアネモネステークス（OP）に参戦したのだが、中山マイルではかなり不利な大外枠を引いてしまう。先行集団の後ろで進め、4角で前に進出していったが、直線伸びきれず4着に敗れ初黒星。しかも目標の桜花賞はソエと疲労のため結局回避になってしまう。

そんなわけで切り替えて向かったのはNHKマイルカップ（GⅠ）。前走の敗北もあってあくまでダート馬と見られた彼女は37.5倍の13番人気に留まった。しかしレースは中団馬群の中から進めると、直線大外に出して鋭く末脚を伸ばす。先行押し切りを図る牝馬アエロリットに追いすがったものの、並びかけようとしたところで再び突き放され、1馬身半差の2着。敗れはしたものの上がり最速34秒0をマークし、収得賞金をゲットして芝適性も見せるという、今後に大きな期待のできる内容だった。

……のだが、ここからリエノテソーロはスランプに陥ってしまう。ダートに戻り、吉田隼人が函館に行っていたので内田博幸がテン乗りしたユニコーンステークス（GⅢ）は並み居る牡馬たちを抑えて1番人気に支持されたが、好位から直線伸びきれず7着。
夏休みを挟み、9月のオーバルスプリント（JpnⅢ）にて距離短縮で古馬に初挑戦したが、吉田隼人が戻ったここも1番人気に支持されながら4角の勝負どころで手応え悪く5着。
この連敗で陣営はまた芝に戻したが、信越ステークス（OP）は好位から伸びず7着、ターコイズステークス（GⅢ）は初めての逃げの手を打ち、残り50mまで粘ったものの後続に呑まれて6着に終わる。

4歳～5歳（2018年～2019年）

明けて4歳となっても、リエノテソーロの入り込んだトンネルは出口が見えるどころかますます暗く深くなっていた。デビュー2戦を勝った1200mに短縮を図るも、オーシャンステークス（GⅢ）は後方のまま10着、高松宮記念（GⅠ）は先行したものの直線沈んで14着。ヴィクトリアマイル（GⅠ）も好スタートから2番手で先行したが、残り300mで力尽きて沈み15着。
どうもリエノテソーロは狭いところが苦手だったようで、地下馬道が嫌いだったり、レースでも外から被せられたりするのが嫌だったらしい。

そんな中、陣営は彼女を久しぶりにダートに戻し、全日本2歳優駿を勝った川崎マイルのスパーキングレディーカップ（JpnⅢ）へ送り出す。当時の牝馬ダート2強だったアンジュデジールとクイーンマンボは不在で混戦ムードとなり、リエノテソーロは4.4倍の3番人気となった。
レースは五分のスタートから押して2番手を確保すると、3角で逃げたオルキスリアンを捕まえて早めの先頭へ。外から1番人気オウケンビリーヴに被せられたが、そこから二枚腰でオウケンビリーヴを振り切り、半馬身凌ぎきってゴール。1年半前に栄冠を手にした舞台で復活の重賞3勝目を挙げた。

が、これで完全復活……とはならなかった。JBCレディスクラシックを目指し、レディスプレリュード（JpnⅡ）に向かったが、前目から4角で後退してしまい9着。JRAの京都競馬場での開始となったJBCレディスクラシック（JpnⅠ）はスタートで出負けしてしまい、終始後方のままあえなく13着撃沈。1600でギリギリの彼女には、やはり1800mはちょっと長すぎたようである。

その後は田辺裕信を迎えてターコイズステークス（GⅢ）でまた芝に挑むも、あえなく最下位16着に撃沈。明けて5歳は新たに大野拓弥を迎えてマリーンカップ（JpnⅢ）に向かい、先行して3着に粘ったものの、続いて向かったかきつばた記念（JpnⅢ）はレース終盤でほとんど走るのをやめてしまい最下位12着に終わり、8月に現役引退、繁殖入りが発表された。通算19戦5勝 [5-1-1-12]。

引退後

引退後は了徳寺オーナーが開業したリョーケンファームで繁殖入り。初年度はドゥラメンテの牝馬が生まれたが（モービルテソーロ、6戦1勝で引退）、フィエールマンをつけた2年目は生後直死、エピファネイアをつけた3年目は流産。4年目の2024年に第2仔となるキタサンブラックの牝馬が生まれている。
ウィルソンテソーロの活躍に了徳寺オーナーはだいぶ脳を焼かれているようなので、同年も2年連続でキタサンブラックをつけているが、今後はウシュバテソーロが種牡馬入りするであろうから、いずれはオーナーブリーダーの本懐であるテソーロGⅠ馬配合が見られることだろう。血統的にも問題ないし。

繁殖としても、リョーケンファームの基幹牝馬となるような活躍を期待したいところである。

血統表

クロス：Mr. Prospector 3×4(18.75%)、Northern Dancer 5×4(9.38%)、Secretariat 4×5(9.38%)、Nearctic 5×5(6.25%)、Bold Ruler 5×5(6.25%)

関連動画

関連リンク

• リエノテソーロ | 競走馬データ - netkeiba.com
• エーデルワイス賞(Jpn3)はリエノテソーロが5馬身差の圧勝 - 競走馬のふるさと案内所

関連項目

• 競馬
• 競走馬の一覧
• 2017年クラシック世代