ノースヒルズとは (ノースヒルズとは) [単語記事]

ノースヒルズとは、北海道にある牧場および馬主など競馬の事業を行っている会社である。

概要

1983年に馬主になった前田幸治は、大阪にある本業のインフラ整備事業のアイテックの代表を務めながら、1984年に北海道の新冠町に「マエコウファーム」を開設した。
その後1993年に(有)ノースヒルズマネジメントに名称を変更したのち、2009年に株式会社ノースヒルズと現在の名称になった。

新冠町の生産牧場は当初は60ヘクタールだったが、現在は120 ヘクタールまで拡張されている。
これ以外に2003年に鳥取県の伯耆町に調教トレーニング施設の大山ヒルズを、2017年に北海道の日高町に育成牧場のノースヒルズ清畠を100 ヘクタールでそれぞれ開場した。また2025年に豊郷に新たに別の育成牧場も60ヘクタールの土地に開場予定である。
大山ヒルズは当初は約30ヘクタールの敷地に800mの周回コースと800mの坂路コース(最大30mの高低差)等があり、約180頭が入厩できる厩舎だったが、2022年の4月から250頭まで入厩できるようになる。また従業員の騎乗技術のアドバイザーは元騎手の佐藤哲三が関わっている。

引退した牝馬をアメリカやイギリス、アイルランドなど海外の牧場に預託して現地の種牡馬と交配することもある(アウォーディーなどはこれで産まれた馬である)。なお、海外での生産者名義は母馬の所有者名が使われるのでこの場合でも生産者名は「North Hills Co. Limi ted」、または略した「North Hills Co. Ltd」である。

競走馬は自家生産馬だけではなくセリ等で購入し所有もしている。その一方で2021年までは生産した馬はセリには出さずファミリーで所有がほとんどだったが、将来的にはセリに上場させるプランもある事をインタビューで前田代表は語っている。
馬主資格を取得した当初は「マエコウ」といった冠名を使うこともあったが、現在は使うことは無い状況である。

生産については代表の前田幸治がある程度の意向は伝えるものの、実際の配合は現場のスタッフが意見をまとめて交配している。傾向として何年も連続して同じ配合になる事はならないようにしているとの事である。

馬主の名義はノースヒルズ名義や前田幸治代表の個人名義のほか、妻の前田葉子、弟の前田晋二、長男の前田幸貴、次男の前田幸大の名義がある。

またチームノースヒルズと言うこともあるのだろうか、家族間で所有馬が移ることがあったりする。例えばラニは夫人の前田葉子から→前田幸治→再び前田葉子名義になっていたりする。

名義は違うものの、牡馬三冠(コントレイル)と牝馬三冠(スティルインラブ)の両方を実質的な生産所有馬で達成している。
馬主の名義は日本だけでなく海外のアメリカやイギリスなどでも所有していて、サンデーブレイクがアメリカのピーターパンS（GⅡ)、ビリーブオンラブがイギリスのスタネーラS（G3)等を勝っていたりする。

東日本大震災のあと、5年にわたりノースヒルズ名義で毎年福島県に1000万円、前田幸治名義で福島市に1000万円寄付をしていた。また2020年から流行した、新型コロナの対策費用にはノースヒルズ関連から複数寄付がなされており、大山ヒルズからは施設が所在する鳥取県伯耆町に1000万円が寄付されている。

主な生産馬

馬名	主な勝ち鞍
ファレノプシス	桜花賞　秋華賞　エリザベス女王杯、ローズステークス ※自家生産初GⅠ 勝利
ノーリーズン	皐月賞
ヘヴンリーロマンス	天皇賞(秋)、札幌記念、阪神牝馬ステークス
トランセンド	ジャパンカップダート×2、フェブラリーステークス、マイルチャンピオンシップ南部杯　(他GⅢ1勝)
アーネストリー	宝塚記念、金鯱賞、札幌記念、オールカマー、(他GⅢ1勝)
ビートブラック	天皇賞(春)
キズナ	東京優駿、京都新聞杯、ニエル賞、産経大阪杯、(他GⅢ1勝)
ワンアンドオンリー	東京優駿、神戸新聞杯
アップトゥデイト	中山大障害、中山グランドジャンプ、阪神スプリングジャンプ (他J・GⅢ3勝)
グレイスフルリープ	JBCスプリント、(他JpnⅢ3勝)
コントレイル	クラシック三冠、ジャパンカップ、ホープフルステークス、神戸新聞杯、(他GⅢ1勝)
ラムジェット	東京ダービー(他GⅢ1勝)
ゴールデンアワー	新潟大賞典、※自家生産初重賞勝利（マエコウファーム時代）
ヒットザターゲット	京都大賞典、目黒記念、(他GⅢ2勝)
トレイルブレイザー	京都記念、アルゼンチン共和国杯、
リディル	スワンステークス、デイリー杯２歳ステークス、
スカーレットカラー	府中牝馬ステークス、
Sun dae Break (サンデーブレイク)	ピーターパンステークス ※(アメリカで所有)
アウォーディー	JBCクラシック、日本テレビ盃、(他GⅢ3勝) ※アメリカで生産
ジャンダルム	スプリンターズステークス、デイリー杯2歳ステークス、(他GⅢ1勝) ※アメリカで生産
ラヴェリータ	関東オークス、エンプレス杯、(他JpnⅢ4勝) ※アメリカで生産
アムールブリエ	エンプレス杯、名古屋グランプリ×2、(他jpn Ⅲ2勝) ※アメリカで生産
ラニ	UAEダービー ※アメリカで生産

所有馬

ノースヒルズ名義の主な馬

勝負服は水色、赤十字襷、赤袖　

馬名	主な勝ち鞍
ハッピールイス	中山大障害(秋)、京都大障害(秋)
ファレノプシス	桜花賞　秋華賞　エリザベス女王杯、ローズステークス
レギュラーメンバー	川崎記念　 JBCクラシック　ダービーグランプリ
ギルデッドエージ	中山大障害
ヘヴンリーロマンス	天皇賞(秋)、札幌記念、阪神牝馬ステークス
スティルインラブ	牝馬三冠
ボディーガード	デイリー杯3歳ステークス、(他GⅢ1勝)
ゼネラリスト	金鯱賞、(他GⅢ1勝)
ブレイクタイム	京成杯オータムハンデキャップ×2
ブライトライン	ファルコンステークス、みやこステークス
ベルカント	フィリーズレビュー、(他GⅢ4勝)
トゥルボー	新潟ジャンプステークス、阪神ジャンプステークス

前田幸治名義の主な馬

勝負服は水色、赤十字襷、赤袖水色一本輪

馬名	主な勝ち鞍
ビリーヴ	スプリンターズステークス、高松宮記念、(他GⅢ2勝)
ロジック	NHKマイルカップ
ローブデコルテ	優駿牝馬
アーネストリー	宝塚記念、金鯱賞、札幌記念、オールカマー、(他GⅢ1勝)(新馬戦は別名義）
ビートブラック	天皇賞(春)
オーブルチェフ	全日本2歳優駿　(他GⅢ1勝)
アップトゥデイト	中山大障害、中山グランドジャンプ、阪神スプリングジャンプ (他J・GⅢ3勝)　※名義変更で一時所有
トランセンド	ジャパンカップダート×2、フェブラリーステークス、マイルチャンピオンシップ南部杯　(他GⅢ1勝)
アウォーディー	JBCクラシック、日本テレビ盃、(他GⅢ3勝)
ジャンダルム	スプリンターズステークス、デイリー杯2歳ステークス、(他GⅢ1勝)
ラムジェット	東京ダービー、(他GⅢ1勝) ※新馬戦のみノースヒルズ名義
トレイルブレイザー	京都記念、アルゼンチン共和国杯、
ラヴェリータ	関東オークス、エンプレス杯、(他JpnⅢ4勝)
リディル	スワンステークス、デイリー杯2歳ステークス、
スカーレットカラー	府中牝馬ステークス
アムールブリエ	エンプレス杯、名古屋グランプリ×2、(他JpnⅢ2勝)
クリンチャー	京都記念、(他GⅢ1勝)、(他Jpn Ⅲ3勝)
カデナ	弥生賞、(他GⅢ2勝)
ガストリック	東京スポーツ杯2歳ステークス
Sun dae Break (サンデーブレイク)	ピーターパンステークス ※(アメリカで所有)
Believe In Love (ビリーブインラヴ)	ベルドゥニュイ賞、スタネーラステークス、ブロンテCフィリーズステークス ※(イギリスで所有)

前田晋二名義の主な馬

勝負服は水色、赤十字襷、赤袖水色三本輪

馬名	主な勝ち鞍
グレイスフルリープ	JBCスプリント、(他Jpn Ⅲ3勝)
ノーリーズン	皐月賞
キズナ	東京優駿、京都新聞杯、ニエル賞、産経大阪杯、(他GⅢ1勝)
コントレイル	クラシック三冠、ジャパンカップ、ホープフルステークス、神戸新聞杯、(他GⅢ1勝) ※新馬戦のみノースヒルズ名義
クラレント	デイリー杯2歳ステークス(他GⅢ5勝)
ヒットザターゲット	京都大賞典、目黒記念、(他GⅢ2勝)
ディープボンド	京都新聞杯、阪神大賞典×２、フォワ賞
レーヌブランシュ	関東オークス、レディスプレリュード

前田葉子名義の主な馬

勝負服は水色、赤十字襷、赤袖水色二本輪

馬名	主な勝ち鞍
ラニ	UAEダービー　（幸治氏名義の時もあった)
レーザーバレット	オーバルスプリント×2、兵庫ゴールドトロフィー
ブランボヌール	キーンランドカップ

前田幸貴名義の主な馬

勝負服は水色、赤十字襷、袖赤一本輪

馬名	主な勝ち鞍
ブレイキングドーン	ラジオNIKKEI賞
ビアンフェ	函館2歳ステークス、葵ステークス、函館スプリントステークス
アブレイズ	フラワーカップ