金子真人(かねこ まこと)とは、株式会社図研の代表取締役社長であり、日本を代表する個人馬主である。
1945年生まれ。早稲田大学教育学部数学科を卒業後、設計製図機械メーカーである武藤工業に入社し、営業職を務めた後、入社時の希望だったコンピュータ開発部門に転属となる。当時コンピュータと言えばハードウェアこそが中心であり、ソフトウェアはハードウェアを動かすための添え物にすぎないという認識が一般的である中、1975年の段階でCAD/CAMシステム(コンピュータ支援設計・製造システム)の将来性に気づき、ソフトウェアとシステムの開発に注力するよう会社に訴えるが、元来が純粋な製造業である会社にその訴えが理解されるのは難しく、1976年に退職して「図形処理技術研究所」(後に社名を「図研」と略す)を創業する。
創業当初は世間の無理解もあり苦しい経営だったものの、ほどなくしてこの分野の可能性に賭けた判断の正しさと技術力の高さから急成長急拡大を続け日本を代表する大企業との契約を立て続けに成約させ、1994年には東証一部上場を果たした。創業以来一貫して代表取締役社長を務めた後、2020年に同社代表取締役会長。
彼が馬主業を始めたのは1995年である。3年後にブラックホークでダービー卿チャレンジトロフィーにて重賞初制覇すると、同年に同馬でスプリンターズステークスを制覇。以降彼の快進撃が始まる。世紀のスターホースディープインパクトや牝馬三冠馬アパパネ、不屈のダートホースカネヒキリ、大王キングカメハメハ、ダートの伝説クロフネなどのスーパーホースを多数所有。2005年の途中に馬主名義は法人扱いの金子真人ホールディングスとしている。
彼が所有(馬主名義は法人扱いとなる金子真人ホールディングスの所有馬も含めると)したGⅠ・JpnⅠ馬というと、
何と2023年までの28年で日本ダービー4勝含む中央GⅠ33勝、地方交流GⅠ9勝。ラブリーデイの天皇賞(秋)制覇で馬主開業21年目で八大競走全制覇を果たした。八大競走制覇は(実質的ではあるが)個人馬主としては初の快挙である。2021年にはJRA重賞通算100勝を達成。2023年10月現在、中央GⅠ完全制覇まで残り4つ(高松宮記念・マイルCS・朝日杯FS・ホープフルS)である。
単に強い馬だけでなく、種牡馬としてもディープインパクト、キングカメハメハ、クロフネという日本競馬史に特大の文字で特記される大種牡馬を3頭所有する。2024年4月時点では、産駒JRA通算勝利数ランキング1位・3位・8位が金子氏の馬である。ありえん。
更に珍しい馬も所有していて、白毛の馬として有名なシラユキヒメやシラユキヒメの仔(白毛初の中央競馬勝ち馬ホワイトベッセル・白毛初の重賞馬ユキチャン・白毛初の中央重賞馬ハヤヤッコ・斑模様で話題のブチコ)はすべて彼の所有馬である。またシラユキヒメ系の子孫も多数所有し、ブチコの娘・ソダシがついに白毛馬世界初のGⅠ馬に輝いた。
他にも、抽せん馬として史上最多の賞金を稼いだホットシークレット、ダートの追い込み馬として名を馳せたブロードアピール、ディープインパクトの兄でキタサンブラックの父としても知られるブラックタイド、京成杯で大暴走をかましたブルーイレヴンなど特筆すべき馬を所有。
前述の通りレジェンド級の種牡馬を複数抱えているため、自らの所有馬同士を交配した馬を所有してそれがまた大活躍したりもする。例えば
・ワグネリアンは父ディープインパクト・母ミスアンコール・母の父キングカメハメハ・母の母ブロードアピール
・ソダシとママコチャは父クロフネ・母ブチコ・母の父キングカメハメハ・母の母シラユキヒメ
・アカイトリノムスメは父ディープインパクト・母アパパネ・母の父キングカメハメハ・母の母ソルティビッド
がすべて氏の所有馬である。(主にネット上で)「リアルダビスタ」「リアルウイポ」などといわれる所以でもある。
競走馬の名付けに冠名は用いないが、キングカメハメハ(カメハメハ大王)・カネヒキリ(ハワイ語で雷の精)・アパパネ(ハワイに生息する鳥の名前)など、ハワイにちなんだ名前を付けることが多い。ハワイ語由来のおかげで時々ウリウリ(由来はハワイアンズで踊ってる人が持ってるマラカスみたいなもの)とかモクレレ(ハワイ語で飛行機)とか珍名馬のようなのも出てくる。ウィキウィキ(ハワイ語で「速い」の意味)は、(ニコニコ大百科のライバルでもある)WikipediaでおなじみのCMSであるWikiの語源でもある。ハワイ語由来じゃなくてもジナンボー(アパパネの次男坊)やアカイトリノムスメ(赤い鳥(アパパネ)にとって初めての娘)みたいな珍名馬も出たりするが…。
ハワイ・マウイ島にあったゴルフ場を購入して改修し、ハワイと愛馬の名前にちなんだ『キングカメハメハ・ゴルフ・クラブ』と命名してオープンし、オーナーも務めている。
レース名 | 勝利馬 |
---|---|
フェブラリーステークス | カネヒキリ(2006) |
高松宮記念 | 未勝利 |
大阪杯 | ポタジェ(2022) |
桜花賞 | アパパネ(2010) ソダシ(2021) |
皐月賞 | ディープインパクト(2005) |
天皇賞(春) | ディープインパクト(2006) |
NHKマイルカップ | クロフネ(2001) キングカメハメハ(2004) ピンクカメオ(2007) |
ヴィクトリアマイル | アパパネ(2011) ソダシ(2022) |
優駿牝馬 | アパパネ(2010) |
東京優駿 | キングカメハメハ(2004) ディープインパクト(2005) マカヒキ(2016) ワグネリアン(2018) |
安田記念 | ブラックホーク(2001) |
宝塚記念 | ディープインパクト(2006) ラブリーデイ(2015) |
スプリンターズステークス | ブラックホーク(1999) ママコチャ(2023) |
秋華賞 | アパパネ(2010) アカイトリノムスメ(2021) |
菊花賞 | ディープインパクト(2005) |
天皇賞(秋) | ラブリーデイ(2015) |
エリザベス女王杯 | トゥザヴィクトリー(2001) |
マイルチャンピオンシップ | 未勝利 |
ジャパンカップ | ディープインパクト(2006) |
ジャパンカップダート チャンピオンズカップ |
クロフネ(2001) カネヒキリ(2005・2008) |
阪神ジュベナイルフィリーズ | アパパネ(2009) ソダシ(2020) |
朝日杯フューチュリティステークス | 未勝利 |
有馬記念 | ディープインパクト(2006) |
ホープフルステークス | 未勝利 |
15:25~あたりで手前に歩いてくる中年男性が金子氏である。
所有馬の勇姿など。
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最終更新:2025/01/10(金) 15:00
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