コンバイン(Combine)とは、英語で「兼ね備える、化合する、連合組織」などを現す言葉である。
この記事では主に刈り取りと脱穀を兼ね備えた農業機械について解説している。
Half-Lifeシリーズに登場する連合組織についてはコンバイン(Half-Life2)を参照。
成熟した穀物を製品化するためには刈り取り、脱穀し、選別する過程が不可欠である。この過程を自走しながら自動的に行う農業機械がコンバインである。
コンバインは先頭の刃で稈(茎)を刈り取り、機体内部の輸送装置で脱穀部へ送って脱穀。食に用いる米や麦など粒の部分を選別して機体内に貯め、脱穀後の穂や稈を機外へ排出する機能を有している。
コンバインは、その機能により「自脱型コンバイン」と「普通型コンバイン」(又は汎用コンバイン、コンバインハーベスター)の二種類に分けることが出来る。
日本の稲作に最適化されたコンバイン。穂先の部分のみを取って脱穀部へ送り、稈は脱穀にかけず、そのまま排出される。
普通型との外見上の違いは、線状に植えられる苗にあわせて刈り取り部が縦の溝状に並んでいること、脱穀にかけないため稈の輸送部が一部露出しているところなどを挙げることができる。また水稲が行われているわが国の田では地面の耐性が低いので、接地圧の低いクローラ(履帯、無限軌道)によって自走するものが主流となっている。脱穀部は昔ながらの人力脱穀機と同じような回転胴があり、それに付いたU字状のこぎ歯で穂と粒を分離する構造となっている。
刈り取り部の幅は、普通「条」という単位であらわされる。例えば「2条刈」と言った場合は、稲を巻き込んで刈り取っていく部分が二列並んでいることを意味する。注意する点は、先述の溝の数ではないと言うこと。2条刈は一つの溝に2列の刈り取り部があり、3条刈と4条刈はどちらも二つの溝があってそこに3列または4列の刈り取り分がある。右図は4条刈の例。
自脱型コンバインで最も大きいのはヰセキの7条刈で、次いでヰセキを含む各メーカーの6条刈。社団法人日本農業機械化協会が発行している「農業機械化広報」メールマガジンによれば、平成16年(2004年)に販売された自脱型コンバインは、4条刈以下のものについては本州以南の地域で、5条刈以上の大型機については北海道において売れ筋と成っている。これは一戸当たりの田畑の平均耕作面積が都府県と北海道で大きな差があるために起きている現象である。
農水省の「農地に関する統計」によると、都府県の一戸当たりの平均耕作面積が約1.4haなのに対し、北海道は約20haとなっており、この北海道とほかの都府県の耕地面積の差からくる農機具の大きさの違いは、トラクターなど他の製品にも概ね当てはまっている。北海道は日本全体の耕作地の25%を有しているのに比べて、メーカーの顧客となる農家の割合は2.5%と極めて少なく、そのことが大出力・大型な農機の開発を国内メーカーに躊躇わせる原因ともなっており、北海道で海外製品が多く利用されている背景ともなっている。
しかし、自脱型コンバインは日本独特のものであり、東北、北陸、九州の米農家においても大型機種の需要は見られることから、国内メーカーも大型製品の開発・生産を維持できるように努力している。
多くの国で使われているコンバイン。自脱型が稲作専用であるのに対して、こちらは麦、トウモロコシなど様々な穀物に対応できるようになっている。
刈り取り部(カッター)には稈を切断する刃と、刈り取った作物を機体へ誘導する為の回転するリールが備えられており、これは作物によって違う構造になっている。また海外メーカー製は乾いた畑で作業するために走行部が車輪になっているのに対して、国内メーカー製(ヰセキやクボタなど)は田んぼでの作業を想定し、自脱型と同様にクローラを装備している。
刈り取られた作物は穂や稈ごと脱穀部へ輸送される。脱穀部にはスクリュー状の刃が付いた回転銅があり、そこを作物が軸方向に通過しながら脱穀、次いでふるいによる選別がされる仕組みになっていて、粒だけが機体内部に貯められる。稈や穂は貯蔵部に落ちずに機外に排出される。
刈り取り部の幅はメートルで表される。普通型コンバインの刈り取り部は容易に脱着と交換が可能であるので、作業内容に応じて変更することが可能。作物に応じてそれに適した様々な刈り取り部を使えるようになっている。刈り取り能力と脱穀能力には密接な関係があり、脱穀能力を超える刈り取り能力を備えても処理しきれない。また刈り取り部や脱穀部に供する動力はエンジンによってまかなわれているが、広い刈り取り部を装着し単位時間当たりの収穫能力を高めると、それに応じた脱穀能力や高出力のエンジンが必要になってくる。そのため、購入する場合にはよく効率を考えて、圃場面積と、必要とする処理能力に応じた規模のエンジンを搭載したコンバインを選ばなければならない。
日本における需要や使われ方は、やはり北海道と都府県で違いがある。前述した「農業機械化広報」によれば、北海道では刈り取り幅1.5m~2.5mが最も多く、次いで3.5m以上、1.5m未満、2.5~3.5mの順に売れているが、都府県ではそもそも普通型自体があまり売れていない。3.5m以上は都府県では全く売れておらず、2.5m~3.5mは都府県全て合わせて北海道と同程度。それ以下の物になるとある程度売れているが、平成16年に売れた普通型コンバイン全体で見ると1/3以上は北海道へ出荷されている。これは面積の違いだけでなく、作付けされている品種の違いも影響しているだろう。特にコンバインを必要とする稲作農家にとっては下記にまとめたような短所もあり、普通型より自脱型の方が利用しやすい。
ただし普通型コンバインにも用途はある。月刊誌「機械化農業」によれば、稲藁のバイオマス需要に対応するために、既存の農機を使ってより少ない手間で稲藁を乾燥させロールベール(円柱状の藁束)化する方法が紹介されているが、これは普通型のコンバインを収穫に使うものである。また同じ作物を生産し続けると土壌の異常「連作障害」がおきてしまうが、それを防ぐ目的で輪作を行う場合、普通型の方がトウモロコシ、麦、大豆、ソバなど様々な作物に対応できることから利用しやすい。
掲示板
9 ななしのよっしん
2012/05/10(木) 20:54:18 ID: UUx0PvLVhq
ハーフライフ2のコンバイン
スマブラXのメタナイトで下スマッシュばっかやる戦法orプレイヤーの呼称もコンバイン
10 ななしのよっしん
2012/09/12(水) 01:37:44 ID: FjlV28NZOa
なにこの詳しすぎる記事w
農機ってあんなにかっこいいのにマニアが少ないんだよなあ
特にコンバインはキャタピラとか脱穀するとこが丸見えなところとか
すごくかっこいいと思うんだけど
11 ななしのよっしん
2013/04/29(月) 15:28:18 ID: H9sbvQkzVk
大規模農場にあるようなでっかい機械なら魅力を感じない事もないが
周りは小規模な農家ばっかりなんでかっこいいとは思わんなあ
そういう意味で日本はファンが生まれにくい環境だと思う
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最終更新:2024/12/23(月) 19:00
最終更新:2024/12/23(月) 19:00
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