大学によって事情は違うでしょう。
例として
私の勤務校のことを書いてみます。
まずシラバスは、前年度の12月~1月あたりのタイミングで教員が書きます。
(いままさに頭から湯気が出る勢いの忙しさです 笑)
この時点で
定員越えした場合の措置として、2択から選んでおきます。
「システム任せの自動抽選」 または
「教員が自ら選んで手作業で履修許可を出す手動抽選」
です。
そして、これはシラバスに掲載されます。
入学後、学生たちは不慣れな環境下で慌ただしく履修科目を選び
自分の時間割を作っていくわけです。
私の知る限り、自動抽選 か 手動抽選 かで履修科目を選んでいる学生は
少ないと思います。
選ぶ理由は
・必修科目である 自由選択科目である
・講座内容が興味あるテーマである
・講座担当教員の良い/悪い 噂
(楽単らしい、毎週の課題はたいへんだが達成感がある、など)
・開講の曜限
あたりだと思います。
「抽選がない」講座は存在しないからです。
どんな講座にも「定員」があります。
教室のサイズや設備、教員が背負いうる仕事量、など
さまざまな理由から、定員は必ずあります。
大学と担当教員は、講座内容やレベル、到達目標、定員などこまかく話し合ったうえで開講講座を決めています。
あるいは、大学が細かく決めた上で教員に担当を打診し、
教員が納得すれば担当者として決まります。
いずれにせよ大学は
教育機関という「組織」として動いていますから、
教員は一労働者として労働契約を結んでいますし、
講座には定員があり、それをむやみに越えることはできません。
教員の一存で、定員なし、誰でも無抽選で受講できる、という風にはならないんです。
一見、抽選がないように見える講座もあります。特に新入生の必修科目などはそうで、入学時にもう履修するべき「フランス語A」が決まっちゃってたりします。この場合は、入学前に提出された外国語選択希望をもとに、事前に事務方で割り振りをし、「フランス語A」「フランス語B」「ドイツ語A]「ドイツ語B」の履修学生数がほぼ同じになるようにしてあるわけです。
抽選の場に学生本人は不在ですが、割り振りはつまり事前に事務方による事前「抽選」に他なりません。
さほど人気がなく、例年いつでも抽選するまでもなく必ず履修許可される、という講座も多いですが、
それも「例年」の話であって、もしも今年いきなり定員越えしたなら
かならず抽選があります。
私は毎年「手動抽選」を選んでシラバスを書いています。
自動抽選だと、定員を超えたらもう有無言わせずあっという間に誰かをはじく仕組みです。あとくされなくて便利、という同僚もいます。
手動抽選でわたしは、5人程度までなら定員越えしても受け入れることにしており、その都度「定員変更申請」を大学に出します。それ以上の履修希望者が来てしまう場合は、
初回授業で、全員に寄るくじ引きをしてもらい、全員の前で公明正大に決定します。泣き出す子がいて、ホント困り「あー、来年は自動抽選にするか―」と思う瞬間です。
初回授業が無駄になる学生もいるわけですから、
それを考えれば自動抽選が良いと思います。
+5人程度なら、定員幅を広げられる点が手動抽選の良い点です。
(つまり、5人程度は学期中の勉強などに耐えられなくなって離脱する学生が居るんです。先手を打って、多少多めでもいいか・・・と考えるわけです。)
履修申請の際に、「すでに何人が申請している。空き席は現時点でいくつ」というのも学生にはわかる仕組みです。
抽選が絶対嫌な人、初回授業を無駄にするのが嫌な人、はこの時点で申請しないんだと思います。
あえて、定員越えだけど申請してくるわけですから、初回授業のくじ引き会に勝負を賭ける! みたいな学生くんなんだろうとは思っています。
4月から入学なさる大学の仕組みはどうなんでしょうね?
たのしみですね。