エピステーメー(episteme)とunderstandの概念は、知識論の変遷と深く関わっています。 ・エピステーメーは古代ギリシャ哲学において、確実な知識や真理を意味していました。プラトンやアリストテレスは、感覚経験を超えた理性的思惟によってエピステーメーを獲得できると考えていました。 ・しかし近代に入ると、デカルトらによって理性主義と経験主義の対立が生じ、知識の源泉や正当化の問題が議論されるようになりました。カントは理論理性と実践理性を区別し、経験を超えた認識の限界を示しました。 ・20世紀になると、ウィトゲンシュタインやクーンらによって、言語や理論的枠組みが知識に与える影響が問われるようになりました。ポスト構造主義やポストモダン思想では、知識の客観性や普遍性が相対化されました。 ・understandは理解や了解を意味しますが、近代以降の知識論では、単なる事実の把握ではなく、背景的文脈や解釈の問題が重視されるようになりました。ガダマーの解釈学は、理解の循環的過程を説明しています。 このように、エピステーメーとunderstandの概念は、知識の源泉、正当化、言語や文脈の影響など、知識論の中心的な問題と深く関わっており、その変遷を反映しているといえます。