以下の文を例にして、日本語で解説します。
Lo fascinante de la lengua española es que, a pesar de esas diferencias,
todos los hispanohablantes sean del país o de la región que sean se comprenden mutuamente.
文の構造と意味
1. todos los hispanohablantes sean del país o de la región que sean
• 直訳すると「国や地域がどこであれ(どんな国・地域出身であっても)、すべてのスペイン語話者は…」というような意味になります。
2. sean … que sean の部分について
• この構文は、スペイン語で「~が何であれ」「たとえ~であっても」「(~が)どれであっても」という意味を強調する定型的な表現の一つです。
• 具体的には、先頭の sean は「(彼ら/彼女らが)~である」という動詞「ser」の接続法現在・3人称複数にあたります。
• 続く que sean は「(それが)何であれ(~であるとしても)」というニュアンスを加え、前の名詞(ここでは país と región)を指しつつ「どの国・地域であっても」という意味をさらに補足・強調しています。
類似表現の例
スペイン語には以下のように、「接続法現在 + que + 接続法現在」 の形で「どんな~でも」「いかなる~であれ」という意味を表す表現があります。
• sea lo que sea (「何であれ」「どうであれ」)
• venga de donde venga (「どこから来ようと」)
• esté donde esté (「どこにいようと」)
• sea como sea (「どのようであれ」)
この例のように、1回目の動詞と2回目の que + 動詞 は同じ形をとり、前者で状況を提示し、後者で「それがどのようなものであっても(どんな状態・条件でも)」という条件を示す役割を果たしています。
まとめ
「sean del país o de la región que sean」は「彼らがどの国や地域出身であろうとも」という意味を強調する表現です。つまり、
どの国や地域に属する人たちであっても、(すべてのスペイン語話者は)互いに理解し合う。
という内容を示しています。「sean … que sean」の形はスペイン語で「~が何であれ」を表す定型フレーズの一種なので、「国や地域がどこであっても」と訳しておけば、文脈的にも意味的にも自然に理解できるでしょう。
追記
結論から言うと、その理解で問題ありません。
• 主節: todos los hispanohablantes se comprenden mutuamente
• 従属節: sean del país o de la región que sean
つまり文全体としては、
(Todos los hispanohablantes), sean del país o de la región que sean, se comprenden mutuamente.
という構造で、英語にすると
All Spanish speakers, from whatever country or region they may be, understand each other.
のように、カンマで区切って書くイメージです。スペイン語でも通常はカンマで区切る場合が多いですが(特に書き言葉で明確にしたいときなど)、必ずしもカンマを入れなくても意味は通じます。