ベストアンサー
悪役の役割というのはそれこそ十人十色であり、ゲマの場合典型的な中間管理職でしかありません。堀井さんの選択としては「優先順位:私怨、或いは父の仇<母親探し」という手堅いラインに破綻をきたすことを何よりも恐れたと目します。 従ってゲマとは、大詰めを迎えているかと思わせる微妙なラインで相まみえ(手下の因縁も回収済)更なる大きな目標への足掛り程度にとどめるのが理想的でもあったと。ここに至るまでに愛の成就や家族の絆なども詰め込まれているため余計な手を加える愚は犯したくなかったと思われます(実際リメイク版の再々戦追加イベントは新規スタッフの考案であり、堀井さんは幾らトップクラスの憎まれ役でも出しゃばり過ぎと苦言を呈しています)。 ”幅広いわかりやすさ、明快さ”をモットーにする以上は嫌味な言動でプレイヤーの不快感を煽るキャラクターづくり(堀井さんの場合はタイミング重視、その拘りはⅢの愛の想い出にも遺憾なく発揮)で充分とし生き様そのものはあまり書き込まないスタイルです。この理由は「プレイヤーの数だけ想像の余地、解釈がある」ポリシーがあるため。これを描き込みに特化し突き詰めれば大ボスへの反逆も視野に入れてしまい、脱線します(あえてこれを容認した逆転劇が後年のFFⅥで皮肉にも実現しますが)。 繰り返しになりますが、悪役は十人十色です。 どんな地位にあるものでも強烈な個性を見せつければ冥利に尽きるポジションです。やはり惜しむらくはそのカタルシス効果が従来のラスボスから逸脱したもので大魔王ミルドラースが見事に割を食った役回りで完成した物足りなさに尽きるでしょう(もちろん人間だったとかいう設定も後付け…)。
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