Everything you've ever Dreamed

ただの日記です。それ以上でもそれ以下でもありません。

組織的な熱中症対策を頑張ってみた。

殺人的な暑さが続いているので、営業部の責任者として対策を打ち出すことにした。営業畑で20年ほど働いてきたけれど熱中症対策については「何とかならないねーの?」とずっと不満に思っていた。というのも、他部署と違って仕事の大部分を個人の裁量に任せている営業部の熱中症対策というと、水分を多く取ろう、休憩を入れよう、という注意をうながすくらいの、それぞれの判断に任せたものでしかなく、組織としての対策はまったくといっていいほどなされていなかったからだ。

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▲「営業中の風景(神奈川県某所)。気温34度日陰なし。もちろん1人。こんなところで熱中症で倒れたら確実に死ぬわ…」

炎天下で判断力が低下している環境で個人に正しい判断を求めるのはなかなかの無理ゲーではないか。実際、熱中症で倒れた同僚の営業マンを何人も見てきた。ましてや今年の夏は記録的な暑さ。各地で死者も出ている。営業職という仕事が個人の裁量に任せる部分が大きくても、組織的に守らなければならないと感じている。

営業活動の禁止

まず「外回り営業は原則禁止」とした。「原則」としたのは必要最低限の面談や打合せは必要だからだ。営業活動を禁止したアホな営業部長を僕は他に知らない。営業部として掲げている目標数値を下げるつもりもない。貯金が活きた。僕が営業部を任されてからいろいろとやり方を変えた結果、4月からの貯金がまあまあ出来たので、ここで少しペースを落としても、問題ないと判断したのだ。この1週間かそこらを無理して働かせて体調を崩されるよりも、休ませて体調を崩すことなく夏を乗り切る方が得策だと計算したのだ。たとえば今15人のメンバーで仕事を進めているが、1人欠けるだけで戦力は6.6%ダウン。仮に2人ダウンすると13.2%の戦力ダウン、これを残りの13人で取り返すのは無理だからだ。他の部署からは「営業しない営業部」と揶揄されそうだけれども…。また、外回り営業する際は訪問先を報告させ、移動する際は必ず連絡を入れるようにさせた。有事の際にすみやかに対応できるようにするためだ。

水分補給を会社負担へ 

「営業活動禁止!」以外の対策としては、仕事中の水分補給にかかった費用はレシートがあれば経費で落とすことを認めた。予想通りだけれど、自分の財布ではなく会社の金で飲めるとなると、通常よりもドリンクを飲むみたいだ(昨日1日だけの実績だが)。人間て意地汚い。きっつー。とはいえ熱中症になって治療費を負担することに比べればコスト的にはたいしたものではないのでよしとしている。責任者としてはアイスコーヒーは認めるけれどコーヒーフロートやコーヒーゼリーはちょっと引っかかるし、ホットドッグは経費で落とすのはちがくね…と思わなくもないけれど、水分補給のため、栄養補給のため、補給するぞ補給するぞ補給するぞとマントラを唱えながら当面は見て見ないふりをするつもりである。調子乗って、雑誌とかを落とそうとしたら、地獄を見せてやるけれど。

保冷剤を支給 

また、先の3連休のあいだに妻とドラックストアで箱買いしておいた、安売りされていた保冷剤と経口補水液オーエスワンを会社のフリーザーで冷やしておき、外回りにでる社員には手渡すようにした。厳しい暑さを少しでも緩和出来たらいい。こういう目に見える対策のほうが「部長、俺たちのこと考えてくれてる感」がすると思ったからやっただけの、いってみればパフォーマンスだが、思いのほか喜んでもらえたのでよかった。

なぜ取り組むのか

営業部という個人の裁量にまかせている部署で出来る組織的な熱中症対策はまだ始めたばかりだ。これからトライ&エラーで皆の意見を取り入れてルール作りを進めていきたい。他に良いアイディアあったら教えてほしい。

 なぜ、僕が組織で熱中症対策をするかというと、自分の居場所を守るためだ。僕は一年前に来たばかりで、いきなり責任者になった。面白く思っていない人間もいるはずだ。友達をつくろう、とか、同僚と感動体験をシェアしたい、みたいな薄気味悪い気持ちは毛頭ない。ただ、仕事で、僕のことを面白くおもっていない人間を納得させたいと考えているだけだ。そのためにはノルマ達成という実績と職場環境の改善は必要不可欠だ。まあ、ウマくサボれって話なんだけど立場的にそれは言えない。ずっと営業として働いてきたので、営業の最前線で働いている現場の人間を守りたいという思いがないわけではないけどね。(所要時間19分)