明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
妻が飲み会に出かけたので、僕は家でひとり酒をがぶがぶ飲みながら「ゼルダの伝説」で遊んでいた。隣町の居酒屋にいる妻から電話があったのは午後五時すぎのこと。「お店に来るときに財布を落としてしまいましたー」意外と冷静な声だった。落としたのは生活費の入った財布。妻は生活費専用にひとつ財布を持っていて落としたのはそれだという。
「マジで?現金の他には?」「銀行のカードだけ」財布には銀行のカード(家賃その他の引き落とし専用口座)が入っていた。大変だ大事だ。妻が冷静な理由はすぐにわかった。警察から飲み屋に連絡があった。善意の市民によって妻の財布は警察に届けられ、財布は僕らのマンションの最寄駅前の交番にあるらしい。いい人がいるものだ。世界は素晴らしい。僕が取りに行ったほうが早い。妻に財布は任せてといい、住民票のコピー片手に交番に向かった。
交番に妻の財布は届いてなかった。おかしい。人の善意への感動と過度の飲酒による思考力低下で見落としていたけどおかしい。《なぜ妻のいる店がわかったのだろう?》《なぜ自宅に連絡がなかったのだろう?》 犯罪のにおいがした。財布は落としたのではなく店で盗まれたんじゃないの?盗んだ人間は店にいたんじゃないの?悪人は妻の近くにいる!危ない!君は、僕が、守る。僕は走りながら電話をかけた。
「ハロハロー」妻はいい感じに酔っていた。財布がなかったことを伝える。「えー!ウソー!」「ウソなんて言わないよ」それから僕は電話の不審な点を妻に教えた。「連絡をしてくるなら店じゃなくて家だろー」「た、確かにそうですー」「ヤバイから今すぐ銀行に連絡してカードとか凍結してもらおうよ」「凍結してもらったよー」「えっ?」「あれからすぐ警察から届けがあった銀行から、また店に連絡があって、カードを凍結するから暗証番号を教えろって…」おーい!「おしえたの?」「教えましたー^ ^」恐るべしアルコールの力。恐るべし振り込め詐欺。振り込んでないけど。
すぐに警察。現時点で財布と現金三万円は戻ってきていない。確認したら口座から金は引き落とされていた。全部。幸いなことに当面の生活費の残りだけで済んだ。ウン万円。責任を感じた妻が落ち込んでいるので、君は悪くない、悪いのは犯罪者だよ、お金の件は諦められないけど諦めるよ、お金の件は苦しいけど君を責めるようなことはしない、たいしたことはないよ、と言って慰めた。
すると妻は銭形警部の口調でこう言いました。「いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました…」現金三万円という額に不安がよぎる…生活費じゃないのかよ。「あなたの小遣いです!」。
というわけで今月、僕の小遣いはゼロ円になりました。諦めると言った手前、仕方がない。アマゾンから「星のカービィ」が現金引き換えで届くのにどうすればいいんだ。
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このように警察とか銀行のようにカタイ実名を名乗ったり、親切心をアピールされると騙される人がいてもおかしくないかも。最近の犯罪は大胆かつ稚拙になってきているので騙されることのないよう気をつけてくださいね。